前回までで、曲別の感想を書きました。

 

 

最後に、全体的な所感を記してバスラ記事を終えたいと思います。

 

●光り輝く乃木坂の”オモテ”の歴史

2日間のライブですが、セットリストにはあまり構成美を感じなかったですね。

年代順と言いながら結局それ以外の時期の曲も披露したことについては、違和感を持ちつつ、「今も昔も、どっちも(大切)」ということと前向きにとらえておきます。

 

それは置いといたとしても、1日目、ややモヤモヤしてしまった理由は、セットリストの偏り。

披露楽曲を、表題(アルバム含む):アンダー曲:その他C/Wに分類すると、

1日目:26:2:12

2日目:25:3:13

という、かなりの表題偏重な構成でした。

1日目にごめfin、インフルやるならもっと抜かしちゃいけないアンダー曲、C/Wがあるだろうに、とさすがに思いました。

「ジコチュー」とか「おいシャン」って、2日あって2日ともやるほど乃木坂史的に影響を与えた曲ではないでしょう。

特にアンダー曲は29thアンダラからのピックアップという印象で、歴史を総括する気配は全くありませんでした。

10周年アンダー曲のHard to sayなんて未だ披露0回ですしね。

どこか別でこの曲のとっておきの使いどころがあるってこと?

全体的にお祭りムードが漂う中で、「誰そば」は明らかに悲壮感があったし、楓の「アンダーライブを知ってもらいたい」はこの現状に一石投じるような、意味あるコメントだったと思います。

また、「想像してみた10年後の自分」の詞で始まるC/W「羽根の記憶」をまさかやらずじまいとはね(笑)

 

今回の10thバスラは、この10年間の乃木坂の全てと言われると「そりゃ違うだろ」となってしまうから、

「乃木坂の、その光り輝く表の世界の10年史(ただし、その裏の影の部分には…)」というテーマと見做すことにしました。

それならば、間違ってはいないでしょう。

 

●2人のレジェンド

(一部の?)合唱の世界では、5年に1度に記念演奏会と称してOBOGと一緒に歌うという文化があるから、

10周年の節目にOG出すことに違和感は全く無かったし、どこかの記事にも書いたけど「出すべき」派でした。

呼ばれる側からすれば、自分はあくまで脇役というのは(この子達なら)百も承知だろうし、

現役メンバーにとってのご褒美になるでしょう。

それでひとこと「なんか、みんな頑張ってるじゃん?」と言ってくれたら、それだけで彼女たちはこれから頑張れるでしょう。

実際、そのとおりの言葉ばかりだったと思います。ホント良く出来た人たちだ。

 

1日目に今回サプライズ登場したOGは、生駒里奈と伊藤万理華。

結果的にとてもバランスが良いメンツだったと思います。

1st~5thシングルまで5連続表題センターを務めた生駒。

”アンダー楽曲”と称された初アンダー曲のセンターであり、アンダーライブの初座長も担った万理華。

生駒が選抜の初代レジェンドとしたら、アンダーの初代レジェンドが万理華といってもいいでしょう。

 

●かつてのエースたち

2日目のサプライズ登場は、西野七瀬、白石麻衣、生田絵梨花、松村沙友理、高山一実。

西野・生田は舞台中で、この日も午後公演を終えてからの参加でした。

自分のせいでコロナ陽性になり、出演舞台が中止になるリスクがあるのに、それでも駆けつけてきてくれたことに古巣への深い愛情と心意気を感じます。いくちゃんは事務所もLLCじゃないですしね。

西野登場で山下が、白石登場で梅澤が、生田登場で久保が、万理華登場では葉月がそれぞれ泣いてて、そこにストーリーが垣間見られて素敵な光景でした。

 

●ないものねだりが叶った日

何度か書いていますが、私が乃木坂を追っかける”きっかけ”は、「インフルエンサー」で、「何か後列真ん中でやけにキレキレに踊る子がいるな?」という発見から始まります。

ただもう、その時伊藤万理華は卒業済みだったから、「彼女のアイドルとしてのパフォーマンスを1度でいいから生で見たかった」という後悔にも似た感情は持ってはいけないのだと思っていました。

 

でも、そんなないものねだりが叶ってしまう世界線が2022年にあったよ。

それも、彼女のセンター曲で。

この日いちばんに全身が熱くなるのを感じたし、今日来て良かった、長時間粘って一般チケット取って大正解だった、ずっと見続けてきて良かったと。

「こんなことあるんだ…」って思いました。

 

もう少し脱線して万理華さんのことを書くと、

2020年、コロナ禍に配信された「世界中の隣人よ」。

OGが多数出演する中、彼女は乃木坂LLC所属のメンバーでは(中元日芽香以外では)唯一出演していませんでした。

真実は分かりませんが、あんまり乃木坂とは関わるつもりが無いのかな?と思っていました。

その後、映画主演、ドラマ主演と良いニュースが続く中で、徐々に乃木坂に対する言及もするようになりました。

とあるインタビューが惚れるほど格好良かったので、抜粋します。

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私は自分で望んでグループに所属し、自分で望んで卒業し、今に至ります。元◯◯という肩書きは一生ついてくるものだという認識も持っています。グループ名を出されることで、まだそこに留まっているかのような印象を持たれることもあるかもしれませんが、今の私があるのはグループにいたおかげ。むしろ感謝があります。元◯◯という肩書きをいい意味で利用するという考えも必要だし、俳優業に転身した元アイドルに対する偏見がいつかなくなることを願ってもいます。

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そして2022年、OGとして日産の舞台に立つ。

何となく数年前の彼女だったら出演断っていたかなという気もしたし、

この数年に心境の変化(成長)があったのかなと思ったし、↑の記事の内容も思い出しました。

 

彼女の選抜戦績は、2列目1回と、残りは全て3列目。

万理華以外の出演OGは、全員フロント(センター含む)経験者。

それでもこの場に呼ぶに相応しいと判断された彼女こそ、寧ろ格好良いと私は思います。

出てくれてありがとう、と言いたいです。

 

●久保史緒里推し目線では

OGのことばかり書いていてはいけないですね(笑)

久保史緒里さん、大活躍だったと思います。

いくくぼ(何空)、くぼした(今誰)、くぼきた(日常)と、彼女が過去~現在に築き上げた関係性をも色濃く感じるパフォーマンスだったと思います。

ブランニューも予想外、ついでに「何で?w」ってくらいVTRにも出ていたし。

見たいと思っていたものは全部見れたし、特に今誰は望外の抜擢だったでしょう。

大変満足です。

 

●3,4期センターの日常化

ここ数年、誰がどの曲の後継センターをやるのかが注目されがちだったけど、今回はその傾向がだいぶ薄まったような印象を受けます。

山下ガルル、賀喜夏フリ、遠藤命、筒井ノック…等々。

彼女たちのパフォーマンスに余裕が出てきた、ファンが慣れてきたの両側面があるのでしょうが、

当たり前に受け入れられるようになったこと、それが成長なのだと思います。

 

●次の10年への希望

このライブで1番大切にしていた曲は?と問われたら、私個人の印象としてはダントツで「君の名は希望」だと感じました。

初日「私達に初めての代表曲と呼べる曲ができました」

2日目「これからの未来にも希望が溢れていると信じて」(どちらも飛鳥MC)

メンバー自らが楽曲について言及するのって、本当にこの曲くらいだったと思います。

 

ライブ後、5期生がみんな良いブログ書いてますね。相当感化されてる。

5期生=乃木坂に染まり切っていない人たち=乃木坂の中でいちばん外側=我々(ファン)の視線に最も近い存在だから、彼女たちの書くことはある意味1番信用できます。

今後に大いに期待できるなと思いました。

 

10年後、もしも20th year birthday liveというものがあったら、その頃乃木坂がある程度の勢力を保てていたら。

このライブに参戦した1~4期生のほとんどは、もう卒業しているでしょう。(秋元真夏はまだ現役かもしれませんが(笑))

そうしたら、10th時点の現役生の何人かが、今度は”レジェンド”として、歓声を浴びながら華々しくサプライズ登場するのかもしれません。

ちょっと先のこと過ぎて想像できないけど、そんな未来があるのだったら見てみたい。

妄想するのは自由です(笑)

 

 

まずは11年目。

奢ることなく1歩ずつ、歩みを進めて欲しいと思います。