ソング演出術(上級編)
先日のCEDECのセッションで、ハリウッド映画の音楽演出の特徴の一つでもある「ソング演出術」と「スコア演出術」の違いをご紹介させて頂きました。
「テクスチャー(質感)」の例として、セッションでも紹介した映画『Drive(邦題:ドライヴ)』のオープニングシーンは、ソング演出術の上級編として大変良い例です。ソング演出で一般的に使用されるのは歌モノ(歌詞がある楽曲)が多いですが、オープニングでは、Chromaticの「Tick of The Clock」というインスト曲を使用しております。注目ポイントは、楽曲をそのままの尺で使用するのではなく、映像に合わせて編集・ループされ、更にフィルターをうまく使うことでスコアのような映像にシンクロする音楽演出が行われております。更に、シーンの途中から、作曲家のCliff Martinezのクリスタル・バシェを使用したスコアが始まり、ソングとスコアが一体となった非常にセンスが良い音楽演出になっております。その直後のオープニングクレジットのKavinsky「Nightcall」も絶妙です。
この映画を見たことがない方は、音楽演出の観点からも一見の価値があるのでオススメの一本です。
CEDEC 2018「ハリウッド映画音楽の演出術」
過日開催されたCEDEC 2018にて、「ハリウッド映画音楽の演出術」という題目で登壇をさせて頂きました。ハリウッド映画で多様される音楽演出術と近年のトレンドである「テクスチャー(質感)」をご紹介。過去にラジオ出演の機会はありましたが、大勢の方々の前で話すのは初めてで久しぶりに緊張しました。
この度、セッションの企画から当日の進行まで随所で導いてくださった岸さん、カリフォルニア漬けの小生を暖かく迎えて頂いたCEDEC運営委員の方々、ご来場頂いた皆様、会場でお声がけ頂いた方々、セッションの記事を掲載して頂いたIGNさん、Gamerさん、4Gamerさんには、本当に心から感謝しております。また面白いネタがご紹介できるように、LAで見聞と武者修行を続けて行きます。
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IGN: ハリウッド映画音楽2.0とは何か?ハンス・ジマー、ヨハン・ヨハンソンが意識する質感のあるサウンド
https://jp.ign.com/cedec-2018/28172/news/20
Gamer: ゲーム音楽にも活かされる、ハリウッド映画音楽の最新演出術【CEDEC 2018】
https://www.gamer.ne.jp/news/201808240015/image/7/
4Gamer: [CEDEC 2018]「テクスチャー」にこだわるハリウッド映画音楽の演出術
https://www.4gamer.net/games/346/G034629/20180828069/
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サンレコ11月号「ナシュビルスタジオ最新情報」
かな〜り久しぶりのブログアップとなってしまいました。
今年はナシュビルの収録が多い年です。4月は『Mobius Final Fantasy』でオケの収録を行い、5月は別件でオケ収録、6月はバンドをリモートで収録、11月はオケ収録で戻る予定。
先月は学生時代から読んでいたサンレコ11月号のナシュビル特集のコーディネートをさせて頂きました。オケ収録の鉄板スタジオのOcean Way Nashvilleの他にも、BlackbirdやAddictionなどのロック系のスタジオも紹介されているので充実した記事になっていると思います。
写真は『Mobius Final Fantasy』の収録の際の一枚。Ocean Way Nashvilleは本当にいい。
SoundWorks Collection
やっと色々一段楽して、ブログを更新する時間ができました。近況を少しずつシェアできればと思います。
近況報告の一つとしまして、ちょっと前の話ですがサウンド関連インタヴューの有名サイトSoundWorks Collectionで『Resident Evil 7』の音楽制作が紹介されました。オーディオディレクターの鉢迫氏、リード・コンポーザーの森本氏、SMA作曲家のCris VelascoとBrian D'Oliveiraが登場。僕もオリジナルKONTAKTのREMM(Resident Evil Music Module)とReConの紹介でちょっとだけ登場。
ラジオと違って映像インタヴューは照明があるのでとても緊張したけど、大好きなメディアに取り上げて頂いたのは非常に嬉しかったです。
SoundWorks Collection: The Sound and Music of Resident Evil 7 from Michael Coleman on Vimeo.