パブといえば
映画『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』で、12軒のパブを梯子酒する中年男達が有名ですが(え?)ここシエナにも何軒かイングリッシュパブがあるんです(ってなに、この不要な前置き)。
一晩でビール12杯(つまみなし)はしんどいなぁ
ここは中心街のイングリッシュパブ『Maudit』。
カウンター席、奥にはいくつかのフロアに分かれている
で、このお店の特徴は
毎週火曜日に、とあるイベントというかゲームを開催していること。
まず、入店すると番号が書かれたシールを渡されます。
シールは一人一枚、ゼッケンのように身体の目立つところに貼りましょう。
例えばこれは196番
店内の各テーブルには紙切れとペンが用意してあり、もし気に入った人を見つけたらその番号宛てにメッセージを書きます。
あとは、その紙切れを巡回する店員さんに渡せば相手に届けてくれるシステムです。
平日の集客力アップと他店との差別化を図るナイスアイデア!(割引しなくても客が集まる)
こちらにとっても伊語文章力の練習になります。
ひとつ問題は
こんなゲームを開催しているにも関わらず、店内は広々としていないんです。
2階席があったり中2階席があったり、奥まったフロアがあったりと、なかなか入り組んでいまして。
周囲を見渡せるような空間ではないので、人の顔もそんなに見られないのです。
だから、常に誰かが
「ちょっとお手洗いに行ってくる」
と言っては席を立ち、誰か好みの相手はいないかと周囲をチラ見しながらトイレに向かうのです。
挙動不審者が大量に発生。
ゲームに参加せずにビールを飲んで語らうだけでもOK
さて、ビールを飲みながら友人達と談笑しているとちらほらとメッセージが届き始めます。
例えばこんなメッセージが。
「お前のその服装、ださいな」
「ニャオニャオ(「ニーハオ」とかけて中国人を揶揄した言葉)」
『セクシーコマンドー外伝すごいよ!マサルさん』より
このゲーム、特にルールはないので当然ネガティブなメッセージが届くこともあります。自分の番号を書かなければ相手に特定されないので、何でも書けてしまうわけです。それも含めてのゲーム、ここは伊語力とともに対応力が求められます。
例えばここで「ニャオニャオ」と送ってきた相手に対して、猫のイラスト付きでメッセージを返すと今度は
「猫のイラスト、めちゃ上手いな!」
と、逆に絶賛メッセージが返ってきます。
ふっ、漫画先進国の日本人をなめてもらっては困りますな。
ということで、メッセージにイラストを付け足すと人気者間違いなしッ!
このゲーム、色々な駆け引きがあって面白いのですが(偽って友人の番号を使って書いたりとか)、結局これで誰かと親しくなるようなことは稀なのです(男女比もわりと偏ってるし)。だから、あくまで楽しみながら伊語文章力をつける場としてはいいんじゃないかなと思います。