私が証券会社にいた当時、特に一部上場銘柄などは値動くが重く、手数料を抜くまでが大変難しく、
そのため資金が寝てしまうケースがほとんどでした。
資金が寝てしまっては、投資家にとっておもしろくなく、そして証券会社にとっては手数料が入ってこないいわゆる悪循環です。
そんななか、少ない投資金額でもリターンが大きい、そして手数料率も高い「ワラント」というデリバティブ(派生)商品が流行りました。
ワラントについての紹介はここでは譲るとして、簡単なエピソードを紹介いたします。

ワラントは転換社債同様、行使価格、行使期限が決まっているのですが、行使期限に行使価格を上回らないとその価格・価値はゼロになってしまいます。
湾岸戦争後の株価急落で、当時そんな「紙クズ」ワラントが多発した頃のことです。
理数系出身筆頭セールスの先輩Aが入社4年目の先輩Bに対してこんな話をしていました。

A:サマージャンボ買ったか?
B:もちろんですよー
A:いつ当選結果でるんだ?
B:明日ですよ。
A:いくら買った?
B:10,000円分くらいです。
A:よし、じゃ、その券オレが5,000円で買ってやるよ!
B:えっ!?
A:だから、5,000円で買うって言ってるだろー明日になったらどうせ「紙クズ」になるんだろー
B:でも、楽しみが・・・
A:今日まで十分楽しんだじゃないかー
B:でも・・・
A:明日になって後悔しても遅いぞ!
B:・・・

ちなみに「宝くじの期待値」とGoogleで検索すると以下でてました。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~bebeshi/main/mm/m000908.htm
145円なので、50%弱です。先輩Aは期待値以上でのオファーということがわかります。

あなたなら、先輩Aに売りますか?
それとも先輩Aみたいに買いたいですか?

※ワラント
http://www.nomura.co.jp/terms/wa-gyo/waranto.html