私が入社した頃の日本経済、株式市場はまさに右肩上がり。トリプルメリット、金余り、持つものと持たざるものの格差が大きくなり、日経新聞には毎日各企業の「過去最高益更新」と「株価最高値更新」という文字が書き並べられました。
入社したばかりの私は、株の銘柄なんかわかるわけもなく、研修用のビデオをみながら、そんなものかなーとなんとなく思っていました。
そんな私でも「なるほど・・・」を思ったのが、「日経平均は上がり続ける」「日経平均を買えば儲かる」というものです。当時の日本の市場関係者はよっぽどのあまのじゃくではない限り、確信していたと思います。「日経平均が上がり続ける」って。
疑いもなく、日経平均は上がり続け、そしてその年の大納会で38,915という史上最高値をつけたのです。
証券会社にいましたから、さまざまな経済指標、分析等で日経平均は上がり続けるという根拠、資料を目にしてきました。「225銘柄を全て1,000株づつ買う」いわゆる「インデックス買い」という投資手法もその頃の流行です。(その後このインデックス買いは外資系証券の裁定取引に利用され、外資への巨額の利ざやと、平均株価のスパイラル的急落を招く結果となる・・・)
私は、今でも「日経平均を買う」という考えにロマンを持っています。
たしかに、株式の持ち合い、土地本位制、証券会社の投資姿勢等、日本の株式市場をゆがめてきたものが多すぎたのは事実だと思います。そして、少子高齢化で体力を失った今の日本経済が、バブルの頃のような活気を取り戻すことは難しいかもしれません。
しかし、
「日経平均」=「日本経済」(日経平均は銘柄に偏りがあるので「株式市場」という意味合いです)
だとするなら、やはりいつか日経平均は38,915円を上回る時がくると信じています。
日本経済の最盛期は1989年だった・・・ではさみしいですから。