私が証券会社に入社したのは、平成元年。その年の大納会は38,915円の史上最高値で大引けを迎えました。それから17年。株価はその当時の水準には遠く及びません。この頃の貴重な経験については、「バブル時代のエピソード」の方に綴っていきたいと思います。当時社会人になりたてで、ビジネスのこと、経済のこと何もわからなかった私に、営業課長が教えてくれたことがあります。そのときのことをまずは書き記したいと思います。

課長:「お前の電話はなってないんだよ!」
私 :「はい?」
課長:「相手はお前の相場の話しなんか聞いてるほど暇じゃないんだよ!」
私 :「じゃ、どんな話をすれば?」
課長:「いいか。相手が電話にでたらまず『いいモノがあります!』っていえ!」
私 :「いいモノがあります?」
課長:「そうだ。そうしたらお客さまは必ず『それは何だ?』って聞いてくるから」
私 :「必ず聞いてくる?」
課長:「そう、必ずだ」
私 :「聞いてこなかったら?」
課長:「それはお客さまじゃないから、電話切っちゃえばいいんだよ。時間もったいないだろ」

株式市場には、毎日、その日その日の「いいモノ」が転がっています。証券マンはその日の「いいモノ」を毎日提供できるわけです。その「いいモノ」に興味、関心を持っていただけるお客さまにめぐり合えるかどうかです。

時代は変わりました。今でも、相場はいつも私に投げかけてくれます。
「いいモノがあります!」
「それは何だ?」
それは、これから徐々に記していきたいと思います。