Micheal J Fox Foundation for Parkinson's Reserch が主催する Webinar を聞きました。1時間くらいで長過ぎず短過ぎす、ちょうど良い長さです。脊髄小脳変性症の webinar ではありませんが、同じ neurological disease ですし、SCD タイプによっては症状が PD と似通っている方も多いかと思います。
Physical Therapy が良いということは言うまでもありませんが、運動・エクササイズを取り入れた患者が実際どのように感じるか、どんなエクササイズをどのくらいやったら良いのか、苦手に思う人はどうやったら上手に取り込めるか、などについて具体的に話し合っています。Foundation から Doctor 一人と、Physical Therapist セラピストで kinesiology prof の大学教授一人、そして二人の Parkinson's disease 患者(診断されて6−7年)の合計4人での Discussion webinar でした。
10年前のニュースレターの表紙
エクササイズが身体に良いことは知られていますが、特に脳神経の病気の人にとってのBenefits は、
(1)脳の健康に良い
(2)脳、身体、心の免疫力を高める
(3)他の病気から脳を守る
(4)運動による心の高揚が脳へ働きかける
(5)病気の症状を穏やかにし、進行を遅くする
私はエクササイズの後はたくさん汗かいて、身体も心もスッキリ、ものすごい達成感が体の中と外に感じられます。そういう感覚は何度経験してもいいもので、エクササイズするからこそ味わうことができるものです。
でも、人によっては「どうせ治らない病気なのに、エクササイズは無駄」と思う人もいます。「わかってるけど時間がない」という人もいるでしょう。Webinar では、そういう場合はもう少し気軽に考えればハードルも下がるかも知れないということを言っています。
Webinar に参加した二人の患者も指摘していましたが、奥さんや旦那さんと一緒に散歩したり、子供と遊びがてらにフィットネスボールでキャッチボールしたり、いろんな遊びや日常生活の一部が十分エクササイズになります。日常生活の中に家族との楽しい時間を作ることで、もう少し気軽に考えることができるようになるかも知れません。PT や Gym に行って行うものだけがエクササイズではないということですね。
どんな種類のエクササイズがいいか、その頻度の目安
(1)Aerobic 有酸素運動;
バイクやトレッドミルなど、週3、1セッション30-50分
(2)Strength 筋力強化運動;
ダンベルやマシン運動など、週2-3、1セッション30−60分
(3)Flexibility 柔軟性向上運動;
yoga, pilates, stretch など、週2−3、1セッション30−60分
(4)Balance バランス運動;
yoga, dance, tai chi など、週2−3、1セッション30−60分
「え〜、こんなに出来ないよ!」「そんな時間ない!」
と思われる人もたくさんいるかもしれません。
でも、4カテゴリーのここに言われている量を、必ずしも全部やる必要はありません。
例えば、私が練習している Yoga であれば Strength, Flexibiity, Balance, の3つの要素が必ず含まれます。もしホールドが長ければ(私のクラスのように) Aerobic の要素も少し含まれてきます。
Bike Treadmill などは Aerobic 有酸素だけでなく、負荷のつけ方で Quads Glutes の筋力トレーニングとして使うこともできるというわけです。
それに、細かく全てをこの数字どうりに実行する必要は全くありません。あくまで参考です。これを見て「ひゃー私にはやっぱり無理」じゃなくて、病気の進行具合、飲む薬による身体の状態、その日の体調、古いケガ、自分の生活パターンや家事スケジュール、家族との時間、いろんなことを考慮して、無理なく長続きできるように調整することが必要です。
朝ベッドの上でのストレッチで5−10分、キッチンで重たい鍋や箱を持ち上げたりお風呂や玄関のお掃除て筋力、トレーニング前のストレッチ10分、ミルクをマイクロウェイブする間に踵あげ、お風呂の後の軽いストレッチ5分、という具合に細かい積み重ねでいいんです。
人との繋がりをエクササイズに求めたいタイプの人には、家族との activities だけでなく、グループエクササイズも良い Motivation になります。 Pilates や Yoga や 簡単ダンベルエクササイズなどのクラスを受ければ、クラスメイトと一緒にエクササイズクラスを楽しむことができます。PTでセラピストといい関係が持てれば、その繋がりもやる気につながるかも知れません。
Support Group や家族は気持ちの上でも Motivation やる気の元になりますが、自分の気持ちを盛り立てるものがあれば、何でも Motivation になります。例えば新しく買ったトレーニング・グラブやお気に入りのスニーカー、Tシャツなど、なんでもいいと思います。好きな音楽を聴きながら、エクササイズするのも効果的です。
Webinar では、心と身体の両方に challenging なこと(エクササイズそのものでも回数や頻度でも)を導入することも勧めていました。
脳神経の病気では Body Coordination 身体の調整力が欠如してくるので、cognitive moments を作る、つまりawareness(Yoga でよくこの言葉は出てきます) 意識したところに集中力を持ってくる力を鍛えたり、外部からの情報を体の内部でプロセスしたり、ものごとへ反応するスピードだったりを鍛えるエクササイズを行います。
簡単な例では、歩きながら会話をするといった Dual Task 二つのことを同時進行で行うエクササイズがあります。歩くという体のエクササイズと会話をするという Cognitive activity. 一人でこの Dual Task を行うことが難しい場合は、セラピストなどが見てくれている時にエクササイズすると安全かつ効果的です。患者の参加者の一人は、Tai Chi の練習と自分で決めた呼吸数とを組み合わせて、動きながら呼吸の吸う吐くとカウント数に気をつけるということをやっているそうです。
たっぷり水を飲むこと、よく眠ること、栄養価の高い食事をすることもエクササイズを長く続けていくのに大切だと指摘がありました。病気に立ち向かっていくいは、この四つのコンビネーションが大切になってきます。
エクササイズをスタートするのに、もしくは続けていくのに妨げになる代表的なものは以下の3つです。
(1)疲労
(2)痛みあるいはケガ
(3)やる気の欠如
こういう時は、いったんやっているエクササイズをストップして、どのように感じるのか(精神的に、身体的に)を把握します。身体全体がだるいのか、特定の場所が痛いのか、どんなタイプの痛みか、筋肉疲労か、関節や Ligaments 腱・靭帯なのか、一時的な痛みか長く続くのか、それとも、ただ何となくやりたくないのか。できるだけ細かく把握して、できれば日付と一緒にメモを取ります。
現在の問題について、なるべく自己判断や思い込みを避けるため、セラピストか医者と話をします。その上で、体調やケガなどの状態に合わせてエクササイズを adjust 調整します。メニューを調整するのか、量か頻度か、プロの判断を仰ぐのがいちばんです。
エクササイズ中に、Dizziness クラクラする感じがある時は、すぐにエクササイズをストップしていったん座り、ゆっくり呼吸します。安全第一です。
Balance exercises は重要なエクササイズですが、転倒を避けるために必ず壁や椅子などの近く、すぐに手が伸ばせるところでエクササイズを行い、安全を確保します。
it's never too late or too little 何かを始める時に、もう遅すぎる、少なすぎるということは絶対にありません。「今さらエクササイズなんて、遅すぎる」「自分にはこれしか出来ない」なんてありませんね。
人と比べたり、「昔はできたのにもうダメ」と過去の自分と比べる必要はありません。そういう比較はナンセンス。エクササイズのもたらす効果は分かっているのですから、今できることを自分のできる範囲でやっってみましょうよ、という webinar でした。