私の話を聞き終えた彼女はじっとこちらの顔を見つめていた。
その瞳からは何にも感じられず、ただ、こちらをじーっと見つめている。
私が話したのは魔法少女の全て
どうすれば魔法少女になるのか
魔法少女とはなんなのか
魔法少女の結末、その全てを包み隠さず
彼女に話した。
ただし、私の事に関しては一切話していない。
もし、彼女が私の事を知れば、利用するかもしれないという考えから
私のことは一切話していない。
彼女は私の目を見ながら私にこう言った。
「ねぇ、あなたはこの世界を変えたくはないかしら?」
こう言った。
最初何を言っているのか分からなかった。
心の中では
(この子は何を言っているんだろう)
と彼女を馬鹿にしていた。
反応を返さない私を見て、彼女は言葉をつづけた。
私の心の中は驚愕へと変わる。
彼女の口から出てくる「世界を変える計画」は全て現実味を帯びている。
魔法少女を使った正解の変革
そのまでの過程と、障害、その解決方法
最後に、今は解決方法を見つけられていない障害
彼女から聞かされたものはこの短時間で考えたものとは思えないほど
巧みに組みたてられていた。
私は思う
彼女は本当の天才なのだと
彼女ならば…
そう思った私は
「ごめんなさい、まだ、言ってない事があるの」
私の事を含めた全てを彼女に話す決心をした。
彼女なら、この世界を、変革してしまうだろう。
確信じみた思いが浮かんだ。
翌日
彼女達は学校へと向かっていた。
玲亜の横には汐音がいる。
玲亜が無理やり汐音を引っ張り出して来たのだ。
学校につくと、一年以上学校に来ていなかった汐音は
職員室に行くと言って先に行ってしまった。
玲亜は一人、教室へ向かう事にした。
下駄箱を開けるとそこにはいつも通り、手紙の束が
玲亜がこの地に来てから1カ月がたつが転校してきた次の日からこの調子で
毎日のように手紙が下駄箱にぎっしりと詰まっている。
それらの手紙をかばんにいれ、上履きに履き替えて教室へと向かった。
教室に入ると、教室内は転校生の噂でもちきりになっていた。
「ねぇねぇ、玲亜―!聞いた?今日このクラスに転校生が来るんだって!!」
私に話しかけて来たのは私が意外と親しくしている
クラスメイトの来留谷みぞれ(くるるや みぞれ)だった。
彼女のさばさばとした性格に私は好感を持っていた。
「転校生?私は知らないけど?」
「なんかさ、今日の朝職員室に見慣れない綺麗な人が入って行くのを
見た人がいるんだって!!」
その話を聞いて玲亜は心の中で(あー)と思う
多分それは汐音だ。
全然学校に顔を見せていないものだから転校生と勘違いされたらしい。
「みぞれ、それはね」
と、みぞれに説明すると
「なるほど…その不登校だった人が久しぶりに学校に来たから
職員室に行ったって事か…なるほど…」
みぞれが腕を組んで納得が言ったかのように頷いていた。
その後、みぞれととめどない話をしていると
先生が「席に付け―」と教室の中に入ってきた。
みぞれも自分の席に戻って行き、他のクラスメイトも自分の席へと戻って行く。
先生が「今日は初めに紹介しておくべき人がいる」というと
クラス全体が「転校生だ―!!」「転校生だ!!」と騒ぎ出す。
先生が「入ってきてくれ」と言うと教室のドアが開いて一人の
女子生徒が入ってくる。
その女子生徒は玲亜の予想通り、汐音だった。
「この人は最近まで学校に来ていなかったのだが
今日から学校に戻ってくることになった
吾妻耶 汐音さんだ。みんな、仲良くするようにな
では、吾妻耶さん、自己紹介を」
汐音は「はい」と言うと
「吾妻耶 汐音といいます。しばらくの間学校をお休みしていましたが
今日から戻ってくることになりました。
よろしくお願いします。」
といって、綺麗にお辞儀をする。
クラスはしばらくはシーンとしていたが、一気にどっと沸き上がった
「可愛い―!!」
「うぉ―!?何だあの美人!!」
「一目ぼれしてしまいそうだぜ…!!」
などなど
どうやら、クラスへの顔見せは上手くいったようだった。
その日の放課後
私と汐音は屋上に居た。
「久々の学校はどうだった?」
「相変わらず、つまらないわ。でも…来て見て良かったかもしれないわ」
汐音はそう言うと立ちあがって
「さぁ、行くわよ。玲亜、目星はもう着けたから後は」
「はーい、了解でーす」
そう言うと二人は屋上を後にした。
