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スロウスタート最新話から4日、皆様いかがお過ごしでしょうか。

2話掲載なのでどこかしらで爆弾が投下されるのは間違いないだろうなとは思ってましたが、まさかこれほどとは…。

そんな激動のスロウスタート最新話、とことん振り返っていきましょう。


・億さんとはなちゃんの過去
億さんによるはなちゃんとの思い出のカミングアウトから始まったstep.92。何度も繰り返される転校に対する心境、そしてはなちゃんとの出会いについて語られましたね。

数ヶ月おきに決まる転校、その中でもう周りと仲良くなることを諦めた億さん。まぁ自然なことですよね…。周りの環境が出来上がっていく中で自分を受け入れてもらうのってとても労力が要りますし、ようやく打ち解けたと思ったら転校、また最初からやり直し…。諦めてしまう方が楽なのは言うまでもありません。

そんな億さんにとって転機になったのがはなちゃんとの出会い。

以前はなちゃん本人が何かきっかけがないとクラスメートであっても話すことはないと語っていただけに二人の会話のきっかけは何なのだろうかと気になっていましたが、落とし物の捜索だったんですね。

困っている人を見つけたらゲージ僅かのなけなしの勇気を振り絞ってでも助けたい、自分より周りを第一に考えるはなちゃんの優しさはこの頃から健在でした。

その言動に心を動かされた億さんでしたが、はなちゃんに友達になってと言えずちょっぴり後悔。そしてその後悔は3月更に大きなものに。

卒業アルバムのクラス名簿、億さんの隣にはあの日自身を助けようとし、自分よりも喜んでくれた少女の写真。この時初めてはなちゃんと同じクラスであったことに気付き、悔しさか悲しさか思わず涙してしまった億さん…。

ありますよね、あの時一歩を踏み出せていたらっていう出来事…。チャンスがもう一度あるのならやり直したい、けれどもう取り返しはつかなく、次は繰り返さないと心に決め前に進むしかないんですよね…。

以前は制服の着用を遠慮していた億さんが星尾女子の制服を身に纏っているというのも、後悔を繰り返したくないという決意の表れではないかと思います。

そんな中、億さんには二度目のチャンスが訪れました。必死にもなりますよね…。

正直僕今月の回で億さんがはなちゃんとの過去について語るとは思っていなかったんです。だって前回ラストではなちゃんは秘密を打ち明け放心状態になっているわけで、そこに更にぶっこむというのはちょっと酷。億さんもはなちゃんに負けず劣らずの優しい子でしょうから、その辺りを察して一旦は退くのではと予想していました。

ですが、億さんは躊躇せず打ち明けた。それはやはり、二度と後悔したくないという想いからの行動なのでしょうね…。

そして、億さんはあの日言えなかった友達になってくださいという言葉をついにはなちゃんに伝えることができました…。


スロウスタートという作品は勇気を出した人は必ず報われる世界で構成されています。

勇気を出すという言葉はその場で一歩を踏み出すことだけを示すものではないんですよね。躊躇し失敗しても、その失敗を繰り返さないよう気持ちを新たにする。これもまた勇気を出してこその行動なんですよ。億さんはそれが出来たからこそ報われ、二度目のチャンスを得ることができたのだと僕は思います。



・はなちゃんが抱え続けていたもの

億さんが打ち明けたはなちゃんとの過去、そして友達になってくくださいという一言。めでたしめでたしで終わるはずだった今回の話でしたが、急にはなちゃんの感情の防波堤が崩れ出しました。

そんなはなちゃんから明かされた最後の秘密。それは浪人を打ち明ける過程で抱え続けたはなちゃんの心の闇でした。

浪人をずっと打ち明けられない理由が年上だと思われて距離を置かれると危惧していたからであったのが、いつしか距離を置かれるのではと危惧していること自体が周りとの関係性を壊すトリガーになってしまうのではないかと変わっていった…。


実際にはなちゃんが信用していなかったのかと言えばそれは違くて、はなちゃんのネガティブ思考がこれでもかというところまでこじれたということ。言うならば自分自身を信用していなかったというところでしょうか。

端から見るとはなちゃんが信用していないように受け取れなくはないのが正直なところ。ただ、これまではなちゃんと毎日を過ごしはなちゃんの優しさや温かさに触れてきたたまちゃんたちが、そのように考えることはまず有り得ないでしょう。ですが、自分に都合のいいように考えることができないのが一之瀬花名という人物なんですよね…。

そういう意味では、自分から中学浪人を打ち明け、抱えたもの全てを皆に伝えることができたというのは大きいですよ。不安を全て解消できたでしょうし、自分は友達を信用できないダメ人間だという罪悪感もおそらく同時に抱えていたでしょうがそれも完全にとまではいかなくても消し去ることができたはずですから。

それにもし、はなちゃんが打ち明けられず億さんからバラされる形になっていたとしたら、たまちゃんたちは信用されていなかったとストレートに受け取ることはないでしょうが、もしかしたら心の片隅にしこりを残すことがあったかもしれない。そんな残酷なifもはなちゃんの勇気が打ち砕いてくれました。

願わくはこの一歩がはなちゃんが自分自身を心から信じることができるようになってほしいものです…。



たまちゃん、かむちゃん、えーこちゃん3人それぞれの対応

はなちゃんの涙の告白、それに対する3人の対応は三者三様。えーこちゃんは優しい顔でニッコリ笑う、かむちゃんは頭を撫で続ける、たまちゃんは一緒に泣く。らしいですね皆…。

えーこちゃんはいち早くはなちゃんの秘密に察していて、一歩先からさりげなくはなちゃんのサポートをしてきた。そしてはなちゃんがようやくゴールにたどり着いた。その努力に対するよく頑張ったねという労いの笑顔なのでしょうね…。

かむちゃんははなちゃんが自分より実は年下なのではと思い、その瞬間から自分が年上としてこの子を支えようと決心した。はなちゃんが年下というのは勘違いだったけれど、支えようという想いは変わらない。泣いているなら慰めなくてはいけない、誕生日の時と同じように…。きっと二人の関係性はこれからも同じように続いていくのでしょうね。

たまちゃんは相手のありのままを受け入れる子。今回もありのまま受け入れた結果、はなちゃんと同じように感情を塞き止めることができなくなってしまったのでしょう。
加えて、たまちゃんは相手第一に行動する子です。もしかしたら、あの涙にはこんなに苦しんでいるはなちゃんをなぜ自分は助けてやれなかったんだという悔しさも含まれているかもしれませんね…。

3人それぞれのはなちゃんに対する気持ちが込められたワンシーンでした…。



次回がこの一連の大イベントの最終回となります。今回を抑え最終回に持ってくるということはやはり志温ちゃんや葉月さん絡みの話になりますかね。苦しむはなちゃんを誰よりも見てきたのがあの二人ですから…。これは来月も覚悟を持って読まなくては…。

ではでは、また。