開頭手術を受けて、昨日退院した。
ぼくは手術後しばらくは動けなかったし、動く気にもならなかった。
手術するというだけで脳にはかなりのストレスがかかっていると思う。
ぼくのように腫瘍が出来ていると、腫瘍が大きければ大きいほど周囲の脳を押し退けることになる。
それだけで脳にかなりのストレスを受けているだろう。
そしてそれを取り除く訳だが、取り除く部位にいきなりメスを入れられる訳ではない。
頭皮を切開して、頭蓋骨に穴を開けて、そこから手術の器具を患部まで挿入する。
この時にも、器具で脳に触ると思う。
ぼくの場合は左側頭部を上にして寝ていたという。
こうすることで、頭蓋骨と小脳の間に隙間が出来るのでその隙間から手術器具を患部まで挿入したと聞いた。
それにしても脳はそういうことを前提に作られていないから、脳にはストレスだろう。
そして、腫瘍を取り除く。
脳からすれば、今まで有った物がいきなり無くなる訳だけど、それもやっぱりストレスなんじゃないかと思う。
手術が成功しても、手術で治せるのは物理的な接続や間隔の確保だと思う。
くっ付くべきものがくっ付いていて、離れているべき物が離れているということ。
何が言いたいかといえば、手術が成功して身体的には正常に近い形になってもしばらくの間は自在には動かせない。
まず怠いし、何となく自分の身体を動かしている感じがしなかった。
ぎこちないと言うか、使いこなせていない感じがした。
全ての神経は温存されてつながっているはずなのに、いろいろな症状が出ていた。
まず手術前にはほとんど出ていなかったのに手術後辛かったのは視覚異常。
物が2つに見える。それも最初は縦にダブって見えた。
めまいも酷く平衡感覚が分からなくなっていて、支えてもらわないと歩けなかった。
これは以前ブログにも書いた。
こういうのが、数日か一週間くらいで改善する。
だんだん良くなると言うより、ある日起きるといきなり良くなっているように感じた。
これを経験して感じたのは、これは人体の動かし方の情報を脳が蓄積する必要があって、
この情報が揃って初めて人体を正常に動かすことが出来るのかな?ということ。
機械の初期化処理に当たることが、人体でも必要なのだろうと思った。
おそらく脳はストレスがかかると初期化処理が必要になるのかも知れない。
きっかけは全身麻酔かも知れない。
全身麻酔というのはかなり深く身体を麻痺させるらしく、
呼吸も出来なくなると言われた。だから人工呼吸器を接続するらしい。
それくらい深く麻痺しているなら、初期化処理が必要になると言われても何となく分かる気がする。
構造的には正常でも、この初期化処理を行わないと脳が身体に適切な動きをさせることは出来ないと思う。
物がダブって見えたと書いたが、考えてみれば目が2つあるのだからダブって見えて当たり前という感じもする。
今までダブって見えなかったからダブって見えるのが異常だと思っているだけ。
そう考えると、目が2つなのに映像がちゃんと1つに見えるのは凄い事だと思った。
脳の中で目から入って来る画像情報をどう処理するか?に関する膨大な種類の情報設定が、
手術後に意識が回復してから物凄いスピードで行われているようだ。
そして初期設定が必要なのは視覚だけではない。
身体の動かし方、五感の感じ方、など多岐に渡る。
だからだと思うが、手術から1週間以上たった今でも、頭がすぐに疲れる。
それだけ頭を使っていると言うことだと思う。
特に外出した時が顕著に感じる。
新しい経験をする度に情報が追加/修正されているように感じる。
そう言えば、心臓は止まらなかったし、排泄行為は出来ていたから、全部が全部初期化される訳ではないようだ。