夕食後に腹ごなしに歩いていた。
すると、自転車に乗った高校生とおぼしき3人の少年に声をかけられた。
「すみません。ここは何県ですか?」
聞けば、隣の隣の県から自転車で来たと言う。
朝4時に家を出て、どうやら行先を決めずにここまで来たようだ。
そのときは夜8時くらいだったから、
彼らは家を出てから16時間ほど経つことになる。
スマホも地図も無い、食事はしたとのこと。
これから家に帰ると言うので、家の方に行く道を説明して別れた。
何か妙な興奮を覚えた。
怜和の日本でも、そんなアホなことをする少年が居るのが意外だった。
ちゃんと敬語も使えたし、しっかりした受け答えをしていた。
元気で明るく楽しそうだ。
何故かワクワクした。
冒険しているんだなぁと思った。
「ここは何県ですか?」
「今何年ですか?」
日常ではほとんどこういうことは訊かれない。
それを訊かれたことで非日常の感覚になった。
それが妙な興奮の原因だと思う。
日常って何だろうか?
分かり切った変化の無い状況だと判断して、警戒を解いていると言うか、
身構えるべきモノが無いので安心している状態、好奇心が静まっている状態だろうか。
非日常はその逆だろう。
警戒している、身構えて安心していない状態、好奇心が高まっている状態。
こう考えると、日常か非日常かは自分で決めていることが分かる。
つまり概念、考えだということ。
気分と言った方がしっくり来るかな。
日常も非日常も自分の中に在るんだなと思った。
他人からの一言で、一瞬で非日常になったという経験だった。