sin(x)を区間[0, pi] で積分すると2になる。
これを「sinカーブはひとやま2」と覚える。
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研究が一区切り付いた。つもりである。
修士2年間を通じて研究していたテーマがあったのだが、
今後はまた別な研究をしようと考えている。
指導教官と100%意見が一致しているわけではない。
というか、結構彼が求めるものと、自分の興味が最近乖離するセンスなきがする。
今日は、投稿する論文の原稿を彼に手渡してきた。
指導教官(し)「このあと、どうしますか?」
俺「正直考えてません。とにかくこれをとっとと終わらせようと思っていました」
し「もう少し早くこの仕事を終えるのかと期待していた」
俺「さーせん。この際だから言ってしまいますが、このテーマには飽きつつあって、
それで他のことに手を出したりして、ペースを落としたのは事実です。」
し「飽きるのはよくわかる。私も飽きやすい性分だ。
ただ、それをコントロールすべし。具体的には、あき始めていることを察したら、
自分でゴールを設定して、そこで仕事を終わらせるべきだ。
余った半年なりを、自分の好きな研究にあてればいい」
し「君が理論でやっていきたいなら、
どんどん面白いテーマを見つけて、どんどん論文を書いて欲しい。
”先生、あんな研究はやってるひまないです。こっちの論文書く方で忙しいですから”
みたいなスタイルなら大歓迎だ」
し「君がドクターを3年より短い時間で取る気があるなら、論文は最低でも5本は欲しい。
そうすれば他の先生方を説得することができる。
これ(渡した奴)で2本目。あと3本を書くんだ。」
し「僕が君の立場なら、それこそ死ぬほど論文書きますよ」
し「君を売り込む戦略は、立てている。
現状から将来の需要を予測する限り、君が狙うべきは
国内のどのプロジェクトでもなく、欧州のAプロジェクトだ。」
し「ドクターを取る前から、研究職に応募していい。
別にドクターを取ってから(研究職の)就職に向けて動き出す必要はない。」
し「今やっているような分野の研究ができる人材として、売り込むためには、
やはり論文数が必要だ。
それと同時に、観測系研究者のために歩み寄る努力も必要だ。
理論の人は観測の人が作った図が理解するのはむずかしい。
観測の人は理論の人が作った式を理解するのはむずかしい。
理論家が歩み寄って観測の人が使う図の上に理論の結果をプロットしてあげるか、
観測家が歩み寄って理論の人が使う式を観測結果に当てはめてあげるか、
どちらしかない。
黙っていて歩み寄ってくれるのを待ってはいけない。
君が歩み寄る努力をするべきだ。
なぜなら、歩み寄れる奴が強いからだ。
強い奴しか歩み寄ることはできない。」
いろいろ言われたけど、
俺が自分の潜在能力を買われていることはよくわかった。
同時に、業績としては、かれの期待以下だったことを確認できた。
俺ももっとやりてえんだ。
指導教官のもとを離れようとしていた時期もあった。
放任主義というのは、自分で没頭できる場合には、時に非常にプラスに働く。
でも、結局俺みたいなひよっこは、指導教官から吸収することもまだまだたくさんある。
俺はプライドが高いから、独力でなにかをやりたいっていう気持ちも強い。
でも、独りよがりな理論じゃ、いけないんだな。他人の意見も聞かないと。
バランス、っていうことばは嫌いだ。
バランス、って言ってしまえば、何でも解決しそうだからな。
バランスだけが良くてプロで活躍できている野球選手なんていない。
俺の場合だったら、とにかく銀河力学の道で超一流になる。
そのために、指導教官の教えをこうことはしないけれど、
彼ときちんと議論して、彼を説き伏せることができるような理論を構築する。
あるいは、彼を納得させられるような戦略性のある仕事を計画する。
極論を言えば、全人類を説得できればいいわけだ。
仮に神様が答えを知っていて「きみはまちがいだ」と言ったとしても、
全人類を納得させられれば、それが科学では「その時点での正解」になる。
成功へのロードマップはない。
でもそれは、成功しないことを意味するわけではない。
俺は4月中はひたすら自由に研究することにした。
幸い、研究会は秋に延期された。
一通り研究の話を終えると、指導教官はにこやかに雑談を始める。
し「最近、何の研究がおもしろそうかね?」
俺「球状星団とかですかね。」
し「ああ、multipleMS問題とかは興味深いな。君の手法ではちょっと扱えないけれど」
考えてみれば、こういう考えを最近していなかった。
目の前の問題をせっせと解決することにばかり気を取られていた。
自分の部屋に戻ると、さっそく面白いテーマを探した。
未解決で、自分もチャレンジできる問題だ。
ふと、北京のサマースクールの講義スライドを眺めてみる。
「復習」していなかった。
いくつかの面白い課題を見つけ、いくつかのアイデアを思いついた。
そうだ、これが本来あるべき姿だ、そう思い始めた。
指導教官にいろいろ言われて精神的に辛い日だったが、今日という日を忘れないように。
成功へのロードマップはない。
でもそれは、成功しないことを意味するわけではない。
これを「sinカーブはひとやま2」と覚える。
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研究が一区切り付いた。つもりである。
修士2年間を通じて研究していたテーマがあったのだが、
今後はまた別な研究をしようと考えている。
指導教官と100%意見が一致しているわけではない。
というか、結構彼が求めるものと、自分の興味が最近乖離するセンスなきがする。
今日は、投稿する論文の原稿を彼に手渡してきた。
指導教官(し)「このあと、どうしますか?」
俺「正直考えてません。とにかくこれをとっとと終わらせようと思っていました」
し「もう少し早くこの仕事を終えるのかと期待していた」
俺「さーせん。この際だから言ってしまいますが、このテーマには飽きつつあって、
それで他のことに手を出したりして、ペースを落としたのは事実です。」
し「飽きるのはよくわかる。私も飽きやすい性分だ。
ただ、それをコントロールすべし。具体的には、あき始めていることを察したら、
自分でゴールを設定して、そこで仕事を終わらせるべきだ。
余った半年なりを、自分の好きな研究にあてればいい」
し「君が理論でやっていきたいなら、
どんどん面白いテーマを見つけて、どんどん論文を書いて欲しい。
”先生、あんな研究はやってるひまないです。こっちの論文書く方で忙しいですから”
みたいなスタイルなら大歓迎だ」
し「君がドクターを3年より短い時間で取る気があるなら、論文は最低でも5本は欲しい。
そうすれば他の先生方を説得することができる。
これ(渡した奴)で2本目。あと3本を書くんだ。」
し「僕が君の立場なら、それこそ死ぬほど論文書きますよ」
し「君を売り込む戦略は、立てている。
現状から将来の需要を予測する限り、君が狙うべきは
国内のどのプロジェクトでもなく、欧州のAプロジェクトだ。」
し「ドクターを取る前から、研究職に応募していい。
別にドクターを取ってから(研究職の)就職に向けて動き出す必要はない。」
し「今やっているような分野の研究ができる人材として、売り込むためには、
やはり論文数が必要だ。
それと同時に、観測系研究者のために歩み寄る努力も必要だ。
理論の人は観測の人が作った図が理解するのはむずかしい。
観測の人は理論の人が作った式を理解するのはむずかしい。
理論家が歩み寄って観測の人が使う図の上に理論の結果をプロットしてあげるか、
観測家が歩み寄って理論の人が使う式を観測結果に当てはめてあげるか、
どちらしかない。
黙っていて歩み寄ってくれるのを待ってはいけない。
君が歩み寄る努力をするべきだ。
なぜなら、歩み寄れる奴が強いからだ。
強い奴しか歩み寄ることはできない。」
いろいろ言われたけど、
俺が自分の潜在能力を買われていることはよくわかった。
同時に、業績としては、かれの期待以下だったことを確認できた。
俺ももっとやりてえんだ。
指導教官のもとを離れようとしていた時期もあった。
放任主義というのは、自分で没頭できる場合には、時に非常にプラスに働く。
でも、結局俺みたいなひよっこは、指導教官から吸収することもまだまだたくさんある。
俺はプライドが高いから、独力でなにかをやりたいっていう気持ちも強い。
でも、独りよがりな理論じゃ、いけないんだな。他人の意見も聞かないと。
バランス、っていうことばは嫌いだ。
バランス、って言ってしまえば、何でも解決しそうだからな。
バランスだけが良くてプロで活躍できている野球選手なんていない。
俺の場合だったら、とにかく銀河力学の道で超一流になる。
そのために、指導教官の教えをこうことはしないけれど、
彼ときちんと議論して、彼を説き伏せることができるような理論を構築する。
あるいは、彼を納得させられるような戦略性のある仕事を計画する。
極論を言えば、全人類を説得できればいいわけだ。
仮に神様が答えを知っていて「きみはまちがいだ」と言ったとしても、
全人類を納得させられれば、それが科学では「その時点での正解」になる。
成功へのロードマップはない。
でもそれは、成功しないことを意味するわけではない。
俺は4月中はひたすら自由に研究することにした。
幸い、研究会は秋に延期された。
一通り研究の話を終えると、指導教官はにこやかに雑談を始める。
し「最近、何の研究がおもしろそうかね?」
俺「球状星団とかですかね。」
し「ああ、multipleMS問題とかは興味深いな。君の手法ではちょっと扱えないけれど」
考えてみれば、こういう考えを最近していなかった。
目の前の問題をせっせと解決することにばかり気を取られていた。
自分の部屋に戻ると、さっそく面白いテーマを探した。
未解決で、自分もチャレンジできる問題だ。
ふと、北京のサマースクールの講義スライドを眺めてみる。
「復習」していなかった。
いくつかの面白い課題を見つけ、いくつかのアイデアを思いついた。
そうだ、これが本来あるべき姿だ、そう思い始めた。
指導教官にいろいろ言われて精神的に辛い日だったが、今日という日を忘れないように。
成功へのロードマップはない。
でもそれは、成功しないことを意味するわけではない。