頭文字D Fourth Stage

2004年から2006年まで衛星放送で配信されたアニメ頭文字Dシリーズの第4部作。従来のThird StageなどからCGがまた一新され、このビジュアルのCGはFinal Stageまで続くことになる。

さて、頭文字DというとFourth Stage特有の特殊曲群含むユーロビートが外せないのはもちろんだが、主題歌を多く担当しているm.o.v.eも忘れてはいけない。初代(First Stage)からは今や伝説となったRage Your Dreamが生まれていたり語ることは多いのだが、その多くの中でもFourth Stageのオープニングにフォーカスを当ててみよう。


Noizy Tribe 

第1話から第10話まではDogfightが使用されている。これはYouTubeのAVEX公式チャンネルのMVは2024年10月時点で1621万回再生とかなりの再生数を叩き出しており、それほど人気なのが伺える(なおRage Your Dreamは2270万回再生である。伝説。)

そして本題、第11話から最終話である第24話まで使用されたのがNoizy Tribe。直訳で騒音部族である。ドユコッチャ。

YouTubeでの再生回数は、非公式アップロードが200万回ぴったり。また、YouTube公式のトピックがそれぞれ25万回/21万回(合計46万回)とDogfightには届かずの結果。

だがこの曲がアニメ放送後、誰も考えもしなかった事象で別界隈まで広がるとは誰も思っていなかったはずだ。


イツキィ!?


Gravity(m.o.e.v) 

2007年、パロディ大国とも言われたらき☆すたが動く。アニメ第6話「夏の定番」初っ端から頭文字Dをパロった内容で視聴者をざわつかせた。それもそのはず、わざわざこのシーンのためだけに1つ曲を作ってしまったからだ。

曲名はGravity。アーティスト名はm.o.e.vと、どこからどう見てもm.o.v.eのパロディである。

曲としても、イントロのメロディや途中に入る黙っと休み時間したような静かなパートがNoizy TribeそっくりでHeatなHeartのBeatにHit。

ただ、なぜNoizy Tribeが元ネタになったのか?それは言うまでもないだろうが、当時放映されていた頭文字Dシリーズの中で一番新しかったのがFourth Stageであり、その中でも後期に使われていたNoizy TribeがFourth Stageの中でも最新のものだったからだろう。Fifth Stageは原作連載の都合もあるが、放送が2012年と8年ほどの間がある。

たとえばピンクとブルーでも

ヴィヴィオとパシャリ。


映像を見ても、細かいこだわりが見えてくる。

スバルの軽自動車であるヴィヴィオとマツダRX-7のバトルなのだが、バトル自体が初代(First Stage)の藤原拓海vs高橋啓介戦をベースにしている関係で、FD3Sは黄色のボディカラーと啓介を意識した仕様になっている。

(リアスポイラーが黒いのは謎だけど。)

FDのCGモデルは恐らく業務用向けか何かの物を使ったと思われるが、ヴィヴィオのCGなんてものは今の時代になっても業務用のものはあるかすら怪しい。ならば当然、自前で用意する必要がある。

そう、用意してしまったのだ。



CGを司る神であるCGアニメーション制作会社が京都アニメーションとは別にあるのだろうが、それでもこの手の込みよう。自動車のCGなんてらき☆すた作中だとここでしか使われません。わざわざこのシーンだけのために作ったのだろうから、気合いの入れようが伝わってくる。



'25/2/16追記
Gravityの歌詞を漁っていたら新しい発見が。
途中のラップ部分。

Gravity
以心伝心 意志Dancing
Pleasure Treasure
Gravity
Come on!
Everybody make some noise
無限に共に
Forever追えば
Enjoy炎上 舞え真上
Gravity Gravity
ずっとGravity

お気づきだろうか。
"noise"の文字があることを....。
ここまで原曲を意識してたなんて、この人達一体どこまで..


Gravity(m.o.v.e) 

「パロられたら、お返ししなきゃダメだろ?」の精神で、あのm.o.v.eが帰ってきた。

2009年8月、m.o.v.eのカバーアルバム「anim.o.v.e 01」が発売された。その収録曲リストを見てみると、ハルヒやエヴァなどの曲が並ぶ中、なんとらき☆すたのGravityがあるではないか!とても粋な計らいだ。アツい。

GravityはNoizy Tribeをパロった曲であるわけだが、そのNoizy Tribeはm.o.v.eの曲だ。つまりそのままカバーするとなるとイントロがNoizy Tribeと丸かぶりになってしまう。そこで、だ。


イントロが大変身しちまいやがった。

しかも雰囲気もいい。

最高じゃないか。このイントロでいて、しっかりとGravityしているのだから。音程は違うが、これはGravityである。あのGravityだ。

そして注目すべきは途中のラップ部分。


m.o.e.v版はこう。

愛の重さ感じながら
Go for the future
Open your eyes
Open your mind
Feel the power
Feel love
Fly so high
ひかれ合う Each other
それが生み出すPower

これがm.o.v.e版でどうなるか。
I know 世界はだんだん
混沌のFuture
さらけ出しOpen your eyes,
feel the power
Yeah, m.o.e.vとm.o.v.e
ぶつかる時に飛び出すPower

Go for the futureが混沌のfutureになっていたりの違いはあるのだが1番の見所は最後。
m.o.v.eが
m.o.e.vの
名前を
出した!?
大事件ですよ!ホント!
これってある意味の公認なわけで。えげつないです。色々と。数々のアニメにある頭文字DパロDの中でも一番本家に近づいていると思います。それだけで私はもう感動です。
ちなみになんですけど、m.o.v.eが「m.o.e.v版Gravityはバトルシーンで使用されていたのにユーロビートじゃない..これをどうにかしたい!」と考えたのかは知りませんが、m.o.v.e版Gravityはしっかりユーロビートになってます。
(そもそもユーロかどうかの半田んというのも人によって変わってくる気もしますが)

Deadly Smile 


ここまできてまだ勢いは衰えないのか!?まさか!

皆さんは「電車でD」をご存じだろうか。頭文字Dの自動車を鉄道に置き換えた2次創作作品で、同人ゲーム化もされている。

その同人ゲームにもシリーズがあり、Lightning StageやShinig Stageなど複数作品がリリースされている。自分のお気に入りのBGMはGoing My Wayなのだが、今はそれは置いておいて。

問題はRising Stageのスマイリー酒井vs高橋啓介戦。頭文字Dでいうところの「戻れ!戻ってくれ!」「よっしゃあ、抜けたァ!」からのDon't Stop the Music 2006..あたりだろうか。

そのシーンは東堂塾のある埼玉でバトルが行われる(酒井は東武鉄道の200系という車両が愛車。ただここで書くなら東武じゃなくて糖武かな)のだが(括弧括弧鬱陶しいが、仁Dでの酒井vs啓介戦は栃木県の塩那道路で行われた。実は埼玉ではない)、途中の通過駅に春日部、東武動物公園、幸手..もうお気付きだろう。またパロってきたのだ。

しかも今度は二重に。

頭文字Dとらき☆すたの二重パロディである。


https://youtu.be/JkLGr3XFdRQ

東武動物公園を過ぎたあたりで、暴れ神輿がどうのこうのという情報が入ってくる。どうやら踏切上で神輿を担いでいるらしいが、何しとんねん自分ら(黒井先生ばりのエセ関西弁)。

BGMは消え、神輿の音が鳴り響く。電車の走る音すらかき消して、神輿の音だけが聞こえてくる..その時!幸手的を通過!

幸手駅といえば泉家の最寄駅である。

なんとそこから、Noizy TribeをパロったGravityを更にパロった曲、Deadly Smileが流れ始める!

本当にもうこの人たちは〜〜!!どこまで喜ばしてくれんの!!!

イントロはNoizy Tribe/Gravity(m.o.e.v)と共通の、お馴染みのあのメロディ。そこから絶妙な具合に鉄道要素を練り混ぜた歌詞がこれまた上手い。

アツい。アツすぎる。

この連鎖、神ってる。

Chain Reactionしてるぜ..

そしてこちら、Rising Stageのオリジナルサウンドトラックに乗っている曲名リスト。そこにはしっかりと..「チョメチョメD」の文字が!?


ありがとうしげの先生。ありがとう美水先生。ありがとうゆい姉さん。ありがとうm.o.v.e。

電車でD・らき☆すたのアニメ関係者様、富士重工業と音楽文化に感謝✮

そしてユーロビートに乾杯!




これらがNoizy Tribeに始まった、パロディ曲群の全容である。

もし仁DでNoizy Tribeという曲が使われなかったら、

もしらっきーなすたーが存在しなかったら、

こうはなっていなかったはずだ。

この4曲は私に感動を与えてくれた。これさえあればいつでも寝起き1発ハイテンション。

皆さんも是非、聴いてみて!ください!!




おま啓介

その1 

らき☆すたにはRe-Mixと名のついた、その名前の通り作品の音楽をリミックスした曲を収録したシングルがある。2007年8月にRe-Mix001、同年12月にRe-Mix002が発売された。
そしてそれから16年の時を経て、ついにRe-Mix003が解禁。原作20周年記念ということで、色々とお祝い事があったのだ。
そのRe-Mix003だが、なんとトラック2にはGravityがいる。

一度聴いてみたが、寝・逃・げでリセット!のツカサナニカほどに謎なリミックスだった。他もこうなのか..?



その2 

らき☆すた公式サイドからのm.o.v.eに対する言及があったことをご存知だろうか。

アニメ10周年記念に発売された

「らき☆すた 歌のベスト アニメ放送10周年記念盤」に付属する冊子、

「『らき☆すた』10周年記念 畑 亜貴×神前 暁×斎藤 滋 居酒屋座談会」にそれは書かれている。

10ページ。


(敬称略)

「あと私、クレジットを見ていてもうひとつ気づいたことがあって。"m.o.e.v"の「Gravity」って、あれなんだったんですか?」

斎藤「あれは……m.o.v.eさんへのリスペクトです。」

神前「曲を作ったのが峠のカーチェイスのシーン用で、「なにこのチョメチョメD 的な走りはー」ってセリフもありましたから、それじゃあ「m.o.v.eさんにするしかない」って流れでしたよね、確か(笑)。"モ・エ・ブ"という命名は斎藤さんだったはず。」

「今回、歌い手のクレジットに富永TOMMY弘明さんのお名前を見つけて、ちょっと驚いてしまったんですよね。当時は"m.o.e.v"としか公表していなかったじゃないですか。」

斎藤「10年前のことだしもういいかなと。でもまさか、富永TOMMYさんがその後「ジョジョ〜その血の運命〜」を歌ってアニソンシーンでご活躍するとは思いもよりませんでした。「Gravity」のときは単純に、ラップも歌える上手な方にオファーしただけだったんですが、これも『らき☆すた』が生んだ何かの縁なのかなと。」

神前「「Gravity」は本家のm.o.v.eさんにも面白がっていただいて、のちのアニソンカバーアルバム(『anim.o.v.e 01』)に収録していただいたんですよね。」


女性パートは一体誰の担当だったのか、未だ謎である。

実はもう判明していたらしい。

Kazco(浜野和子)さんという方のようだ。

いすゞのトラックのcmと同じ人とはどこかで聞いていたが..全く知らない方だった(無知)


その3 

らき☆すたはらき☆すたでも、ゲームのお話。PS2でリリースされた「らき☆すた 〜陵桜学園 桜藤祭〜」、そしてPSPに移植された「らき☆すた 〜陵桜学園 桜藤祭〜 Portable」という作品。

これはいわゆるギャルゲーなのだが、本編とは関係ないおまけのミニシナリオに、ゆい姉さん(らき☆すたのヴィヴィオのドライバー。チョメチョメD的な走りをした張本人)のシナリオがある。


..いや、それより前に書くべきことがあるか。

このゲームにはサウンドモードという音楽を聴くことができるモード、すなわちチョロQのゲームディスクをCDプレーヤーに入れた時みたいなこと..ができるモードがある。

音楽は計30曲あり、ゲーム中で一度でも流れるとサウンドモードで聴くことができる仕様になっている。..が!

ある程度ゲームを進めても(投稿者は記事投稿時点で陵桜学園桜藤祭(シナリオ)のみ未完了、白スターは桜藤祭含まず残りひとつ)、一つだけ聴けない音楽がある。ディスクナンバー29。これこそが、桜藤祭におけるゆい姉さんのテーマ、"BAD LUCK"だ。

まだそのシナリオは見たことがない(ストーリー全クリ後に解放?)のでハッキリとは言えないが、恐らくそこでしか聴くことのできないBGMだ。少しネタバレにはなるが、そのシナリオの題材であるカーチェイスシーン(圧倒的ネタバレ)に合うBGMがなかったので専用枠として作ったのだろう。ユーロビートではないけど。

わざわざゆい姉さんという人物の一シーンのためだけにわざわざそこでしか聴けないBGMを焦らしながらも用意してくれているこのゲーム、ああなんという素晴らしいゲーム..

ありがとうVRIDGE。私は嬉しいです。


まぁ今はまつり姉さんの方が好きなんですが..(25/1/5)

あとこれはどうでもいいけど、「感謝✮」は日常のフェっちゃんネタです。関係ないけど使いやすいよね..