心理的安全性をつくる言葉55

原田将嗣 著

石井遼介 監修


2022年8月に出版された割と新しい本です。


心理的安全性…

仕事されている方は

耳にしている、意識している言葉かもしれません。


心理的安全性とは、

組織や集団の中で、非難や拒絶される不安なく安心して発言できる環境のこと。


心理的安全性が高いと

個人の能力が発揮しやすいだけでなく

チームワークも上手くいく。

良いアイデアが生まれやすくなり

それを実行に移す挑戦の機会も増える。

もし失敗しても

おかしいと気付いたらすぐ報告できる環境なので

早めに相談・連携して軌道修正できるし

失敗を責めるのではなく

解決策をともに考えることで

失敗から学ぶこともできる。


気持ちよく仕事ができて、結果も出せる。

この環境が作れたら仕事が楽しいだろうな、

と思いながら読みました。




心理的安全性が低くて仕事の基準も低いと

サムい職場。

最低限やらなければいけないことだけやる、

余計なことはしない、

他者にも積極的に関わらない。


心理的安全性が低くて仕事の基準は高い

キツい職場。

成果をあげることのプレッシャーが強く

失敗すれば叱責される等の罰がある。

上司に意見しづらく

求められた通りの結果を出すことが最優先。

失敗できないし新しい意見も言いづらいため

良いアイデアが生まれるチャンスが少ない。


心理的安全性が高くても仕事の基準が低いと

ヌルい職場。

意見を言い合える環境であっても

成果を出さなくても良いとなると

仕事を減らしたり納期を伸ばしたり

まあいっか、という雰囲気になってしまう。

やる気と向上心のある人は辞めてしまうかも。




これらの記述にも納得。

心理的安全性を重視すると

ヌルい職場になってしまうのでは?

とイメージされがちだそうですが、


心理的安全性とともに、仕事の基準も高ければ、

「学習する職場」として成長できる!

それが、目指す理想の組織ということです。




私が勤める会社は

大きなグループに属する会社なので

組織が大きい故のメリット、デメリット、

両方感じます。


今回この本を読んで、自分の職場は、

上司に反対意見を言いにくい

(ものによって、言っても通りにくい)

同僚と仲が良いが故に異なる意見を言いにくい

(人間関係が悪化するのでは?という心配がある)

現場の声を提案しても採用されにくい

(どこかの段階で誰かへの忖度が入るからか

予算の問題なのか取引先への忖度なのか

途中からの方針転換や改善のための身動きが取れない)

…というような点が

良い組織と言うには及ばない部分かな、

と感じました。


私はどちらかというと、

仕事上必要だと思えば

反対意見も言える方だと思うのですが、

(上下関係や仲の良さと仕事は

別ものだと考えています。

反対意見は相手への攻撃ではないので

そう思われないように

言い方は要注意とも思って気をつけています。)


「現場の声を提案しても採用されにくい」

ことにより

ああ、また言っても無駄なんだろうな、

と感じることはあります。

そうやって意見すること自体を諦めると

新しい提案が出なくなってしまい

成長や業務改善を妨げることになってしまいます。


それから、提案の後も大事だそうで、

良い提案だから採用するという場合、

じゃあ提案者のあなた、よろしくね、

としてしまうと、その人の仕事が増えるだけ。

そうなると厳しいから、

新しい提案が浮かんでも

言わない人が出てきてしまう。


良い案が出て採用する(新規業務が増える)なら、

誰と一緒に進めていったら良いかを

提案者と一緒に考えたり、

今担当してる業務の中で分担できることを探したり、

提案者だけが業務過多にならないよう

配慮が必要。


それができると

提案者自身だけでなく周りも、

提案した後はこういう風に実現していくんだ、

という流れを見ているので、

それなら自分も提案しよう、と思いやすく、

結果的に良い案が埋もれずに表に出てきやすくなる。


また、いきなり良い案が出るとは限らない。

どんな意見でも言える環境の中で

時には的外れな意見が出る可能性もあるが

とにかく意見を聞き切る、出し切らせる、

1つの意見が他の提案を生むかもしれないし、

複数の意見を組み合わせたら

良い案になるかもしれない。




これもなるほど、確かに、と思いました。

思い当たる節、あります。


…と、こんな感じで

自分の職場の問題点も良い点も思い浮かべながら

読み進めていきました。




それから、

これって職場に限定した話じゃないよな、とも。

例えば家族。

幸せな家族しか知らない人は

わからないかもしれませんが

心理的安全性が低い家族もいるよな、と。




1つの国、その中の国民もそう。

日本は

人と違う意見が言いづらい文化?雰囲気がある。

政治の世界では特に

先輩への忖度が強すぎるほど強い。

政治に関して、心理的安全性が低い国です。


国民から見てなぜ政治への基準がこんなに低いのか

理解できないのですが、

こんなに搾取される割に

理不尽な税金の使い方をされて

自分達の生活に還元されないのに、

意見しない、行動しない。


今生きていられるからそれで良いというレベルでしか

政治に期待していないのかな?

このままでは未来は生きられないかもしれないぐらい

危機的状況なのに。




心理的安全性は、

組織や集団の中の1人だけが頑張っても

なかなか高めるのは難しいです。

相互に協力していく姿勢が求められます。


心理的安全性を高めよう、と

直接的に共有していくのもアリだそう。

(それができる時点で

スタートラインがだいぶ良い所にある気がしますね。

家族とかだと言い出すハードルが高いかも…。)


色々感じることがあり

日々の仕事の中で意識しようと思いましたが…


特に改善の余地アリ(余地しかない?!)なのは

日本国民全体、そして日本の政治家達の、

政治に対する姿勢だな、と!!!

強く思いました!!!

狭い世界で忖度してる場合じゃないんですよ。

国民の生活を第一に考えてください。

(きちんと考えて実行されている人もいると思います、

その方々は引き続きよろしくお願いします。)