先日介護職の知人から職場の様子を聞いて以来

折に触れて考えています。


介護の現場は人員不足。

それに加えて

人手をなるべくかけずに最低限の人数で回す

という考え方が根底にあるように感じます。


そんな中で、夜勤に入れる人材は貴重。

募集してもなかなか応募がないため、

勤務態度に問題がある従業員でも解雇できず

そのまま働き続けている、

という話を聞きました。



話をしてくれた彼女は

時間に余裕のないタイムスケジュールの中で

本当はもっと利用者の話を聞いてあげたい

着替える服をゆっくり一緒に選びたい

希望する時間にお風呂に入れてあげたい

などなど

できるならばやりたいことがたくさんあるのに

そうできない現実の中で

モヤモヤしたものを抱えながら働いているようです。


周りの職員の働き方にも思うところがあるようです。

例えば歯磨きを

時間がないからとうがいだけで終わらせたり

服に汚れがついているけど

次に食事をしたらまた汚れるから

食後に着替えればいいや、とそのままにしたり

という職員もいるそうなのです。


何のために歯磨きをするのか?

着替えをするのか?

ということよりも

職員の都合が優先されることに

疑問を持っていました。



限られた時間の中で

進めなければいけない業務に追われていて

余裕がない職員の気持ちもわかる気がします。


私自身、子育てする中で

自分の都合で動いてしまっている部分があるな、と

この話を聞いて反省するところアリです…。


自分が細やかな対応をした結果

進めるべき業務が停滞してしまった場合

周りの職員や

自分の次に交代で入る職員に

皺寄せがいってしまうので

何時までにやるべきことはやらなければ!

という義務感もあるのだろうと思います。

大変な現場だと思います。



ただ…

じゃあ、時間があれば、人手が足りれば、

利用者に寄り添った介護ができるのか。

それは考え方による気がします。


環境を整えることももちろん必要ですが

利用者のことを考えて介護できるかどうか…

介護への向き合い方が

人によってかなり違っていて

職場で足並みを揃えるのが難しい

という問題も内包しているのではないかと。




私は介護職ではありませんが

1人の人間としてわかることがあります。

それは、人には人を癒す力があるということ。


先日、初めての胃カメラで

優しく声をかけながら

背中をさすってもらった時のことを思います。

見ず知らずの人である初見の看護師からでも

声をかけてもらうだけで

背中をさすってもらうだけで

楽になれるということを

身をもって感じました。


胃カメラの話は

介護ではなく看護の世界ではありますが、

やっぱり個人差があるんじゃないかと思います。


きっと介護の世界にもそういう個人差はあって

看護師以上にその幅が広いのではないでしょうか。


資格や経験の差、

学ぶ意欲や意識の高さの差、

介護観の差…


ベテランで仕事は早いけど冷たい人もいれば

新人で仕事は遅いけど優しい人もいて

速さと優しさを兼ね備えた人もいると思います。


速さは

経験を積むことで身につく部分もあると思いますが

優しさは

本人の意識の問題だと思います。

人としてどうあるべきか、どうありたいか、

どうあろうとしているか。



人間力。

その差が、

利用者を癒すことができるかどうか、

利用者が良い気持ちで過ごせるかどうか、

それを左右すると思います。


日々の業務に追われて大変な中

そのことを見失わずに介護をしている方々、

尊敬します。

そういう方達にこそ介護を続けてほしいです。

そのために業界全体の待遇改善も望みます。

本当に、介護職のみなさま、毎日お疲れ様です。