はりきゅう」と聞くと,みなさんは何を想像するでしょう?

眉唾物などと思う人も少なくないのではないでしょうか?


また,痛い,熱い,怖いとイメージする人もいるでしょう。


マッサージを受けたいという人は多いが,鍼灸をしたい人は少ないというのも現状である。


何よりも柔道整復師やマッサージ師と比べると,圧倒的な違いは

就職先」がないということだ。


何故かというと柔道整復師やマッサージ師は,近年,介護保険の中で「機能訓練指導員」というものに位置づけられたことで,リハビリデイや介護施設での就職先が増えたが,鍼灸師だけは「医療」ということで蚊帳の外に置かれた。


つまり介護系でも,病院などの医療系でも「勤める場所がない」資格である。http://oshiete.goo.ne.jp/qa/4291327.html


これは全国的ではあるが,特に道南では柔道整復師の求人が”11件”だとすると,マッサージ師は”7件”,鍼灸師は”1件”しかない。


それでは開業すればよいか??

    ↓       ↓

http://www.prohari.com/haigyou


これは柔道整復師やマッサージ師にも言えることだが,雇用されていれば,当たり前についている社会保険が無くなる。


社会保険と国民保険の違いは...


例えば,年金でいうと,社会保険は国民年金+厚生年金なのに対し,国民保険は国民年金のみである。しょぼん国民年金月額は満額掛けても6~7万程度


また社会保険には,病気になったときは給料の2/3を1年6ヶ月にも渡り保障してくれる傷病手当金があったり,産前産後にも2/3を保障してもらえる出産手当金がある。


当然,社会保険の場合,家族が何人いても保険料は一人分だが国民保険の場合は掛ける人数分発生することになる。さらに社会保険の場合,奥さんの年金も無償で掛けられている計算となっている。


何よりも家族を含む保険・年金料が会社から半分支給されている。

http://www.roudouhoken.net/hokenmeritto.htm


また失業した時に出る雇用保険・育休手当金や,怪我をした時に出る労災などの労働保険も「雇用労働者」にしかない。ガーン自営業者・経営者にはない


収入においても勤務の場合21万,開業においても22.4万というデータがある。↓

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8D%BC%E7%81%B8%E5%B8%AB


むっ道南の場合は,上記より4~5万少ないように感じる。これは柔道整復師を併せ持つ者を含むため,鍼灸師のみの場合,さらに低いということになる。
http://k-kori.com/dougyou/166.html

http://okwave.jp/qa/q274625.html


当然,売上高から自分や家族の国民年金・国民健康保険や,賠償責任保険,車輛費,ガソリン代,メンテナンス代,レセコン代,店舗代,リース代,団体加盟料,会計士代,光熱費,鍼・灸・白衣などの消耗品費などが経費として新たに発生する。そして病気になっても,廃業しても何の保証もない。


経費を引くと,勤めていた時の給料より少ないということがありうる。


ましてや柔道整復師同様,鍼灸師も毎年5000人ずつ誕生し,登録者数も10万人弱となっているため,少ない需要を取り合い疲弊していく。


これはどの町にも「鍼灸院」のみで繁盛しているところがないのはこのためである。


要するに収入を考えず,生きがいだと割り切ってやるにはいいが,一般の仕事と比べ,とても家族を養っていける職業ではない。


昨今,一昔前と比べネット検索してみると,ポジティブな情報も引っかかるが,よくみるとほとんど生徒を集めたい鍼灸専門学校開業させたい行政書士のページばかりなので騙されないでほしい。


鍼灸は医療であるため機能訓練指導員にはなれないというならば,新たに診療報酬を制定し,病院などの医療現場で活躍していけるような時代が来ることを願ってやまない。