代表の新部です。
平成２７年から介護保険が改正される中で様々な情報が飛び交っている。
例えば地域の「介護予防・日常生活支援総合事業」に要支援者が取り
込まれる関係で「訪問介護の生活援助が無くなるのではないか」とか
「訪問介護と通所介護のみが移行する」とか諸説紛紛である。
しかし今現在を以て何一つ決定しておらず，おそらく来年の通常国会
で決着すると思われる。その中でもあまり取り沙汰されてはいないが
「プラン料」の話もある。今現在要支援のケアプランは包括支援センター
が立てるが，それを民間の居宅介護支援事業所に委託する場合がある。
平成27年から要支援者が地域の「介護予防・日常生活支援総合事業」に
移行されると，そのサービス内容は地方自治体の裁量に委ねられるため，
予防プランの委託が無くなる，あるいは予防プランそのものが存在しない
などということもあり得るのだ。したがって委託料がそっくりなくなる居宅
介護支援事業所は経営が圧迫されることは明らかだ。また年々ケアマネ
の作業量及び責任は増加する半面，待遇が下がってきているのも事実
で，責任の大きさに比例する介護報酬が設定されていないと感じている。
★知恵袋より
＜ケアマネの給料ってどのくらいでしょうか？ケアマネの給料体系が知りたいです。 ...＞
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14105443094
＜ケアマネの給料について。＞
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13103485253
＜ケアマネージャーの収入ってどれくらいですか？＞
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1399209888
単純に考えてプラン料1件1万円で30件担当した場合，介護報酬は30万
だが，そこから車両費（購入費・車検代・ガソリン代・修理費），事務費
（パソコン代・プリンタ代・インク代・レセコン代・レセコン保守料），その他
光熱費・通信費（電話・フックス代・携帯代）などがかかってくる。その合計
が仮に5万円だとして，会社負担分の社会保険料・厚生年金等合計を
ケアマネージャーの介護報酬内で採算を合わせると残りは20万くらい
にしかならない。これが巷の求人で見かける20万～25万（支給額であり
手取りではない）で賞与なしという求人だ。
しかもこの時点で会社の利益は全く入っていない。
※ちなみに会社が大きくても小さくても1件当たりの介護報酬は同じ
平成16年から介護業界に参入し，自分自身もケアマネをやっていたが，
その当時から変わらないのはケアマネの男女比である。自分の印象
では女性9割，男性1割の割合で現在に至っているように思える。
それは何を意味するかと言うと，男性が家族を持って養っていける
給料ではないということだ。
＜ある男性ケアマネの挑戦 ケアマネの給料の限界は・・・＞
http://wildgeese.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-a729.html
＜男性ケアマネはいるのでしょうか＞
http://okwave.jp/qa/q1996950.html
＜ケアマネージャーの給料で家族を養えますか？＞
http://okwave.jp/qa/q7332913.html
共稼ぎは必須となり奥さんが看護師などの場合は格差婚にもなりかね
ないのが現実である。そしてたまにいい条件があったと思うと殆どが
管理責任者兼務の求人だ。それはつまりケアマネをしながらグループ
ホームや小規模多機能，あるいは有料老人ホームなどの施設長を
兼務するケアマネと言うことである。
ケアマネだけの仕事でも利用者数×背後にいる家族の数＝100人程を
管理する責任者であるのに，その他，施設全体の職員労務管理・新規
利用者獲得責任・経理・行政対応などに追われ休んでいる暇などない。
そこまでやってはじめて人並みの待遇となるのが現状であろう。つまり
責任者兼務で務まらない場合，またはその覚悟がないのに高給になる
ことは物理的に不可能ということである。
しかし介護職員として給料が頭打ちになっているとか，責任が重い仕事
は嫌だが給料だけは上げたいなどと，もがいている男性の中には，もう
すでに"金"が取れなくなった鉱山を目指す者が後を絶たない。介護保険
創生当時でケアマネゴールドラッシュは終わっているのだ。石を投げれば
ケアマネージャーにあたるこのご時世，介護職員，相談員，ケアマネー
ジャーに係らず，責任者を避けて都合のよいユートピアに辿り着けないと
理解するのが先であろう。
自分自身も志半ばでケアマネージャーを退いたわけだが，次期改正，
あるいは将来的にはケアマネージャーの介護報酬のみで身を立てる
ことができ，背負っている責任に比例する介護報酬が設定されること
を願ってやまない。