そんな状況のなかで、ゲームコンテンツも端末の枠を超えてリリースされるケースが出はじめている。たとえば、「ポケットモンスター(ポケモン)」シリーズで知られる管理運営会社ポケモンは、iPhoneやiPadなどのiOS対応機器で利用できるアプリ「ポケモン図鑑 for iOS」(170円)を昨年12月に配信した。
このアプリは、ポケモンが住む地域ごとにデータが分けられ、本体には全部で647匹いるポケモンのうち、イッシュ地方のポケモン154体のデータが収められている。残りの地方は追加データとしてそれぞれ500円で購入でき、すべてそろえると2170円になる。
従来のゲームコンテンツはハード(ゲーム機本体)で囲い込むビジネスが主流だった。そのため、ゲーム機以外の端末でポケモンが見られることにユーザーは新鮮な驚きを感じているようだ。
「紙とはまた違う、触って楽しい図鑑を提案してみたかった。ポケモンをタッチするとさまざまな反応をするので、とても楽しいですよ。ポケモンをくるくる回して裏側をご覧いただくこともできます。売り上げもトップセールスに登場するなど、人気を博しています」(ポケモン社広報)
もともとポケモンは、ゲーム機の枠を超えてさまざまな場所で活躍していた。全日空の「ポケモンジェット」や、JR東日本が毎年夏に実施する「ポケモンスタンプラリー」は広く知られている。
最近は、東日本大震災の被災地でも活躍している。ポケモン社は震災発生1カ月後から、人気ポケモン「ピカチュウ」を連れて、「ポケモンウィズユー ワゴン」で被災地を回りながら、ボランティア活動をしてきた。
また、宮城県一ノ関駅~気仙沼駅間では「ポケモンウィズユー トレイン」の運行も始まった。2両編成の電車内は、通常の座席と靴を脱いで遊べる遊び場で構成されており、子供たちは1時間半ほどの乗車時間をポケモンとふれあいながら過ごす。全席指定だが、大人510円、子供250円(乗車券別)と格安で、予約はすでに9割が埋まっているという。土日曜や長期休暇中に1日1往復運行される。
電子端末から被災地まで、オールラウンドな活躍ができるのは、ポケモンというゲームコンテンツが全世界で1億6800万本も売り上げているという人気と知名度によるものだろう。ポケモンの第1作は1996年に発売され、今年で17年目になるが、いまだその人気は絶大。完全な新作「ポケットモンスターX・Y」(ニンテンドー3DS用)も今年10月に世界同時発売されることが先ごろ発表された。ニンテンドー3DSはすでに1000万台市場を形成しており、ポケモン新作が売れる環境は整っている。
うれしいときもつらいときも、子供の日常にそっと寄り添う。むやみにお金をしぼり取らない。ポケモンが子供やその親たちに支持されるのは当然の結果に思える。