夫婦別姓を認めない民法の規定について、
「憲法に違反しない」とする判断が23日(水)に最高裁判所大法廷で示されました。
こうした判断は6年前に続いて2度目ということで、裁判長は以下のような指摘をしました。
「6年前の判決後の社会の変化や国民の意識の変化といった事情を踏まえても、
憲法に違反しないという判断を変更すべきとは認められない」
そうなのかなぁ、と思います。
これだけ働く女性が増えて、離婚も普通になっている時代なのに
「結婚したら必ず夫婦は同じ姓」というのはかなり時代遅れのような気がします。
今回の判決で、まだまだこの国では「家族のかたち」を固定的にしたい勢力が
厳然としてあることを実感しました。
「かたち」が固定的であればあるほど柔軟性がなく、個人が自分で考える機会が失われていく。
この「個人の封殺」具合は昨今のオリンピックをめぐる市民の声を無視した
お寒い状況にも通じるような気がして、ため息が出てきました。
そんなわけで、生涯「同じ姓」だったミュージシャンの作品を聴いてみることにしましょう。
シャーリー・スコット(org)の「オン・ア・クリア・デイ」です。
シャーリー・スコット(1934-2002)はアメリカ・フィラデルフィア生まれ。
地元の音楽学校で理論と作曲を学び、ピアノやトランペットを演奏していたそうです。
1950年代半ばにオルガンを始めているということで、
ジミー・スミス(org)と同じ時代のスタートだったことになります。
1958年からスタンリー・タレンタイン(ts)のグループに参加するようになり、
2人はやがて結婚します。
アメリカでは各州で制度が違うようですが、「夫の姓」を名乗るのは慣習によるものだそうで、
法律上は強制されるものではないとのこと。
スコットがどんな決断をしたかは分かりませんが、作品のクレジット上を見る限りでは
生涯「シャーリー・スコット」を名乗り続けています。
ちなみに1971年にスコットとタレンタインは離婚しています。
「オン・ア・クリア・デイ」はスコットがインパルスに残したトリオ作品。
オルガンではフット・ペダルでベース・ラインを弾くことができるので
ギター、ドラムと組んだトリオが一般的ですが、スコットはベース、ドラムと組んでいます。
そのためなのかブルージーでありつつ伸びやかな演奏を聴くことができます。
1966年録音。
Shirley Scott(org)
Ron Carter(b)
Jimmy Cobb(ds)
①On A Clear Day
ラーナー~ロウによる作品。
余裕のあるユーモアが感じられる演奏です。
明るくテーマが提示された後、スコットのソロへ。
オルガンの伸びるフレーズを楽しんでいるかのようなプレイで、
この楽器にありがちな「暑苦しさ」はありません。
ポップささえ感じられる愛嬌のあるソロで、
ロックバンドの間奏でこうした演奏が入ってきても違和感はないでしょう。
⑤What The World Needs Now Is Love
バート・バカラックの作曲。
ややスローなアレンジでポップ・チューンを料理しています。
ちょっと切ないメロディとオルガンの相性がこんなに良いとは!
このままスローな展開かと思いきや、
ソロに入ると細かいフレーズの連発でうねりを作り出します。
いい意味で「攻めた」演奏で、曲の甘さに流されないところは
さすがスコットです。
⑥Corcovado
アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲。
非常にシンプルなメロディが印象的です。
超有名曲だけに小手先のアレンジをしてしまいたくなりますが、
まっすぐに、淡々と提示されるメロディとオルガンの組み合わせが非常に気持ちいい。
ソロではブルージーでありながらどこか明るさも感じさせます。
2分50秒あたりから同じようなフレーズを連打しながらグルーブが生み出され、
盛り上がりかけたところでスッと引いてメロディにつなげていく構成がなかなか魅力的です。
今回、一連の報道で驚いたのは、法務省の情報です。
海外では多くの国で夫婦が別々の姓を名乗ることが認められていて、
同じ姓を名乗ることが義務づけられている国は、把握できている範囲で日本だけだということです。
日本って、こんなことでもガラパゴスだったんですね・・・。
スコットとタレンタインのように結婚しても別々の姓を名乗り、
別れてからも互いが活躍って、いいですよね。
日本人、もっと自由に生きましょう!
