ルパン・ザ・サード「ジャズ」 プレイズ・ザ・スタンダーズ&アザーズ/大野雄二 | スロウ・ボートのジャズ日誌

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ジャズを聴き始めて早30年以上。これまで集めてきた作品に改めて耳を傾け、レビューを書いていきたいと考えています。1人のファンとして、作品の歴史的な価値や話題性よりも、どれだけ「聴き応えがあるか」にこだわっていきます。


きょうの夕方、テレビのローカルニュースを見ていたら、

ちょっとうれしい話がありました。


JR根室線で、「ルパン三世」の登場人物が描かれた

「ルパン列車」の運行が始まったというのです。

どうして北海道の東の端でルパン?

と思われる方もいるでしょう。

実は、JR根室線が通る浜中町は、

「ルパン三世」の原作者であるモンキー・パンチさんの

ふるさとなのです。


「ルパン列車」は浜中町など沿線自治体とJR北海道釧路支社が、

全国からルパンファンを呼び込んで地域活性化をしようと

企画したそうです。

ニュースでは浜中町にあるJR茶内駅で行われた

セレモニーの様子が紹介され、

モンキー・パンチさんご本人も参加(!)していました。

車体にサインを入れるサービスぶりで、

ふるさとへの思い入れが強い方なんだな、と感じました。


ちなみに、パンチさんは

「浜中の自然や食材を皆に満喫してほしい。

だから、ここでは(ルパンは)何も盗みません」

と語っていたそうです・・・・


「ルパン列車」は私が住む釧路と根室の間を往復するとのこと。

子どもの頃からルパンを楽しませてもらっているので、

心がちょっと温かくなるような気がします。


こうなると、やはりルパンにちなんだジャズが

聴きたくなります。

これまで何度かご紹介してきた大野雄二さん(p)による

「ルパン・ザ・サード・ジャズ」シリーズの一枚、

行ってみましょうか。

「プレイズ・スタンダード&アザーズ」です。


ジャズ・ミュージシャンだった大野さんが

CM音楽の世界に入り、やがて「ルパン」の音楽も

手がけるようになった経緯は以前も書きました

 ↓

http://ameblo.jp/slowboat/entry-10395107101.html


また、「ルパン・ザ・サード」というジャズ・シリーズについても

触れてきました

 ↓

http://ameblo.jp/slowboat/entry-10733852529.html

http://ameblo.jp/slowboat/entry-10486260878.html


様々な企画ものが出ていますが、

今回はタイトル通り、スタンダードが多いアルバム。

10曲中、6曲がスタンダード、

4曲が大野さんのオリジナルです。


これを「ルパン」シリーズと考えていいのか?

というご意見の方もいるかと思います。

しかし、トータルで聴くと、大野さんの気が利いたアレンジが

「ルパン」の楽曲にもスタンダードにも施され、

同じ世界の音楽として聴くことができます。

おしゃれなジャズを楽しみたいという方に

最適な一枚でしょう。


2004年3月27~28日、サウンド・インでの録音。


大野雄二(p)

俵山昌之(b)

村田憲一郎(ds)


①Fly Me To The Moon

軽快で、小気味いい工夫がされている。

このトリオの特徴を一言で表現するとこんな感じです。

一曲目のスタンダード・ナンバーも見事なアレンジで

聞きやすく、それでいながら新しい魅力が加えられています。

ブラシのみで始まるイントロ、ピアノが加わってから

リズムのブレイクが絶妙なメロディ。

計算されていながら、「計算くささ」を感じさせない

鮮やかな処理です。

しかも、最初のソロはベース。

誰もがリーダーのピアノ・ソロを予想するところですが、

ここで重厚なベースが入ることで、

トリオが上滑りせず、地に足がついたサウンドになっています。

ピアノ・ソロに入ると、メロディを意識したフレーズが

何度も飛び出し、大野さんがいかにトータル・サウンドを

重視しているかが分かります。

プロデューサー的な視点を持ったピアニストなのでしょうね。


⑥Samba Temperado

大野さんのオリジナル。

映画「カリオストロの城」で使われていたナンバーです。

ピアノのみによる憂いのあるイントロから、

ベース・ソロを経てメロディに入ります。

このメロディが切なさを漂わせる

なんとも日本人らしいものです。

続くピアノ・ソロも単にリリカルというのではなく、

男の哀感が込められているかのような、渋さがある。

ルパンと銭形警部が地下牢から脱出する際に

使われたテーマですが、

2人の奇妙な友情まで描き込まれているかのようで、

非常に印象深い曲です。


「ルパン列車」は、きょうから3年間、

JR根室線を、1日最大3往復するそうです。

「1日最大3往復」という意味がよく分かりませんが(笑)、

そんなとぼけたところもルパンらしくていいと思います。

いつか乗ってみたいな・・・・