いやはや、最近、閣僚の「失言」が相次いでいますね。
「(国会答弁は)二つだけ覚えておけばいい」とか、
「自衛隊は暴力装置」とか・・・
まあ、後者はある意味真実なのですが、
政権の中枢にいる人が使う言葉ではないでしょう。
しかし、民主党政権も困ったものですが、
失言を喜んで「問責決議だ!」と叫んでいる野党側もどうか・・・
何となくこうした風景、「見たことがある」気がします。
そう、自民党政権末期。
新しい内閣ができては一時的に支持率が上がり、
その後、首相自身や閣僚の失言で
次第に人気が下がっていくという、あれです。
何の生産性もない時期でした。
政権交代が実現した時、私が期待したのは
「足の引っ張り合いではない、本当の政策論議」でした。
実際、当時は与野党に緊張感があり、
「主張をぶつけなくては」という意識があったと思います。
それが、民主党の迷走と共に、両者がすっかりゆるみ、
政権交代前の「泥仕合」に戻ってしまいました。
何とも寂しい「いつか見た舞台」。
これからますます「政治離れ」が進むのでは・・・
政治のような「悪い既視感」ではなく、
いい意味で「これ、前に聴いたかな?」という感覚を呼ぶジャズを
きょうはご紹介しましょう。
「ザ・レッド・ガーランド・トリオ・ウィズ・エディ“ロックジョウ”デイヴィス」
です。
このアルバムはプレスティッジの傍系レーベル、
「ムーズヴィル」の一枚です。
当時、ムード音楽が流行っていたので、
ジャズでもスタンダード中心の「ムーディな作品」を
作っちゃおうという安直な企画。
しかし、中には素晴らしい作品が生まれています。
以前、トミー・フラナガン(p)の一枚を紹介しました。
↓
http://ameblo.jp/slowboat/entry-10224071711.html
「品の良さ」ではトミー・フラナガンに及ばないものの、
レッド・ガーランド(p)の作品もなかなかです。
非常に正統的な4ビート・ジャズで、
初めて聴いた時に「あれ?どこかで聴いたかな?」と
思ってしまいました。
それだけ、奇をてらわず、「普通に」演奏された
ジャズなのです。
「初めて聴いたときから懐かしい」-
そんな音楽もいいではありませんか。
基本的にピアノ・トリオですが、
全8曲中、3曲にテナー・サックスの
エディ“ロックジョウ”デイヴィスが参加しています。
非常に骨太でハートフルなサウンドを持つ彼の参加が
良いアクセントになっています。
1959年12月11日、ニュージャージーの
ルディ・ヴァン・ゲルダー・スタジオでの録音。
Red Garland(p)
Eddie"LOCKJAW"Davis(ts)
Sam Jones(b)
Arthur Taylor(ds)
①We'll Be Together Again
のっけから「懐かしい」気分にさせてくれる一曲です。
その立役者はデイヴィス。
短いピアノのイントロの後に、
男性的な図太い一音で入ってくるテナーを聴くと、
温かいものに包まれた気分になります。
何となく故郷に帰ったような・・・
テナーに思い切り息を吹き込んで、
音を「揺らす」オールド・スタイルの演奏。
これでスローなバラッドを吹かれると、
懐古調になってしまうのは当然です。
続くガーランドのピアノ・ソロは、
いつもの彼と比べると音が少ない。
たっぷり感情を込めて、それぞれの音を
「転がしている」かのようなソロです。
こういうスローなガーランドもいいですね。
③I Heard You Cried Last Night
こちらはガーランド・トリオの演奏。
愛すべき小品とでも言うべきトラックで、
同一テンポに乗って、ガーランドがひたすら
スロー・バラッドを奏でます。
派手な盛り上がりも何もない、淡々とした演奏ですが、
なぜか聴けてしまう。
おそらく、2分過ぎまでじっくり演奏されたメロディの流れが
そのままソロにも引き継がれているからでしょう。
どこまでがメロディでどこからがソロか、
分からなくなるほど両者が一体となった
「自然な」一曲です。
⑥Wonder Why
ピアノ・ソロによるイントロが魅力的な一曲。
ムーズヴィルの作品ということで、
ロマンチックな表現を重視したのでしょうが、
間の取り方といい、音の強弱の付け方といい、
カクテル・ピアノとは一線を画しています。
スローなイントロでたっぷりと「溜め」ができたところで、
ベースとドラムが加わり、トリオが躍動し始めます。
アート・テイラーの気持ちいいブラシに乗って、
ガーランドがブロック・コード混じりのソロを展開。
気持ち良いリズムと快調なピアノで、
鼻歌が出てきてしまいそうな演奏となっています。
政治の混乱も忘れてしまいそうな、安心して聴けるジャズ。
政治家の皆さんにも、こんな落ち着いた「名人芸」が
あればいいのですが。
「知恵のない言葉」の応酬はもうやめましょう・・・・
