デイヴィス・カップ/ウォルター・デイヴィスJr. | スロウ・ボートのジャズ日誌

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ジャズを聴き始めて早30年以上。これまで集めてきた作品に改めて耳を傾け、レビューを書いていきたいと考えています。1人のファンとして、作品の歴史的な価値や話題性よりも、どれだけ「聴き応えがあるか」にこだわっていきます。


夏休みの間に、体重が増えました。


まあ、おいしいものを食べては寝ての

繰り返しですから、無理もありません。

北海道のとうきび、甘かったな・・・・


困ったのは、元の生活に戻ったのに、

体重が一向に減らないことです。

3キロ近く増えたのが、全然減りません。

5年ぐらい前までは簡単に調整できたのですが、

40代に突入し、代謝が鈍ったのでしょうね。

来週の健康診断で増加の理由を問い質されそうです。


丸みを帯びた我が顔を鏡で見たとき、

思い浮かんだジャケット写真。

「デイヴィス・カップ」のウォルター・デイヴィスJr.です。

非常に恰幅のいいデイヴィスが暗闇に浮かび、

迫力があります。

このまま太るとデイヴィスみたいになりそう・・・


ウォルター・デイヴィスJr.は、ブルー・ノートに残した

この一枚でジャズ・ファンに記憶されています。

まず、世界的なテニス大会にちなんでつけられた

アルバム・タイトルが秀逸。

そして、内容が良い!

ハード・バップなのですが、

60年代に突入する直前という時代を反映し、

どこか颯爽とした、新しい風を感じます。


サイドメンも充実。

特にドナルド・バード(tp)~ジャッキー・マクリーン(as)

という黄金の2管が演奏をグイグイ引っ張っています。

この作品がデビュー作だったデイヴィスは、

先輩の胸を借りるつもりでレコーディングに臨んだことでしょう。


残念ながら、デイヴィスはこれ以後、

作品を発表する機会になかなか恵まれず、

「幻のピアニスト」という扱いを受けてしまいました。

しかし、デビュー作を全編オリジナル曲で固めたところや、

力強いタッチに、かなりの才能を感じます。

こういう、キラリと輝くものを持ちながら、

時代の中で埋もれてしまった人がいるのですね。


ハード・バップ時代の「層の厚さ」を証明する作品を

聴いてみましょう。


1959年8月2日録音。


Jackie McLean(as)

Donald Byrd(as)

Walter Davis Jr.(p)

Sam Jones(b)

Art Taylor(ds)


①'Smake It

冒頭、2管のスピーディなアンサンブルを聴くだけで、

このセッションの充実度が分かります。

やや複雑なメロディですが、バードとマクリーンが

難なくこなす、その手さばきの見事なこと!

続いてデイヴィスのソロが始まります。

快調にソロが進むのですが、

ここでの聴きものはホーンとの「かけあい」でしょう。

ありがちな「コール・アンド・レスポンス」ではなく、

意外なタイミングでホーンが入ってきます。

このあたりのアレンジにはバードの提案もあるのでしょうか?

いずれにせよ、こうした新鮮な仕掛けを見事にこなした

「新人」デイヴィス、なかなかです。

続いてはバードのソロ。

この時のバードは本当に安定しており、

力強いヒットを「ぶれる」ことなく吹ききっています。

そして、マクリーン。

泥臭いまでの音色で、攻撃的なソロをとります。

彼の野心的なプレイがセッション全体を盛り上げているのは

言うまでもありません。


④Rhumba Nhumba

カリプソ的な味付けがある、楽しいナンバー。

アート・テイラーが繰り出す楽しいリズムに乗って、

ちょっととぼけたメロディが演奏されます。

まず、マクリーンのソロ。

メロディに影響されて、非常にゴキゲンなプレイです。

ブルージーな音色は健在ですが、

楽しくてたまらないという感じが自然に出ていて、

「マクリーンも笑顔で吹いてたんだ・・・」と

想像せずにはいられません。

続くデイヴィスのソロは短いながら、

彼らしいセンスの良さが出ています。

もう少し「押し」があれば、

もっと目立っていたんでしょうかねえ・・・

ピアノを受けたバードのソロは、

「一筆書き」のようなスムーズさ。

安定したフレーズが次から次へと出てきます。

その全てが、曲の楽しい雰囲気と見事にマッチしています。

最後、再びデイヴィスのソロからメロディになだれこみます。

この時代の「快楽的ナンバー」として、上位にランクされる

作品だと思います。


デイヴィスは実際、大柄な人で、威圧感があったそうです。

気持ちはとても優しい人だったそうですが、

体重を管理するなんていう発想はなかったんでしょうか。


私が減量するには、それなりの努力が必要でしょう。

しかし、暑い夏でビールもおいしい。

このままでは、大きなお腹を抱えながら、

「馬肥ゆる」秋に突入してしまいそうです・・・