ちょっと時間が経ってしまいましたが、
今月12日は私の姪の誕生日でした。
8歳になったということで、
時の経つのは早いものだなと実感しました。
会うのは夏休みや正月休みに帰省した時ぐらいなので、
見るたびにいつも成長の早さに驚かされます。
姪の父親(私の弟)から、あるエピソードを教えてもらいました。
この子が生まれた時に「A Child Is Born」
という曲を聴いたというのです。
子供が生まれた時の気持ちが非常に美しく描かれた曲、
私も好きで、以前ブログに書いたことがあります
↓
http://ameblo.jp/slowboat/entry-10170134020.html
作曲したのはサド・ジョーンズ(tp,flh)。
トランペッターとしてだけでなく、
オーケストラのリーダーとしても活躍した人でした。
実はサド自身による「A Child Is Born」の演奏は
あまり残っていません。
トランペッターとしても優秀な人だけに、
ファンとしてはいろいろなバージョンを聴きたかったのですが、
サドは1986年、63歳で亡くなってしまいました。
今回は彼がオーケストラを率いていた時の
「A Child Is Born」を聴いてみましょう。
ブルーノートに残されたアルバム「コンサメーション」に
演奏が残されています。
ちなみに、ジャズファン以外にはどうでもいいことでしょうが、
このアルバムは他の会社でプロデュースされたものを
ブルーノートが買い取ったようです。
1970年、NYでの録音。
メンバーは膨大なので割愛しますが、
サドと共にオーケストラを引っ張ったメル・ルイス(ds)や、
ジェローム・リチャードソン(as,ss,fl)、ローランド・ハナ(p)、
リチャード・デイビス(b、eb)など、スターぞろいです。
③Tiptoe
「A Child Is Born」に行く前に、一曲寄り道を。
ここでの演奏は、オーケストラの特徴を実によく表しています。
非常に軽やかでモダン、コンボの拡大版のような
サウンドなのです。
豪華さを際立たせて、「どうだ、これがオーケストラだ!」
というような演奏とは一線を画しています。
「つま先」というタイトルからも窺えるように、
つま先歩きをしているような、軽快でユーモラスなメロディ。
最初のソロはスヌーキー・ヤングによるミュート・トランペット。
バックにつけられるホーン・アンサンブルは控えめです。
そして、ハイライトはメルのブラシ・ワークと
ホーン・アンサンブルが掛け合うパート。
ドラムとホーンの計算されていながら、
非常にノリの良い掛け合い。
オーケストラの完成度の高さが分かります。
④A Child Is Born
ローランド・ハナの美しいピアノで提示されるメロディ。
冒頭でこの演奏の完成度は約束されたと感じます。
続いて、フリューゲルホーンでメロディを吹くサド。
非常にストレートで感情を抑えたプレイです。
子供が生まれた時の厳粛な気持ちを想像し、
素直なプレイに徹したのでしょうか。
サドの後、ホーン陣が登場して、メロディを重ねながら、
徐々に音の厚みを増して盛り上げていきます。
このアレンジも過剰さを排した見事なもので、
特にフルートの柔らかな響きがきいていると思います。
聴き終わってみると・・・・
「ん?メロディしか演奏されていない!?」
名曲だけに、アドリブによるソロは雰囲気を壊しかねず、
難しいのかもしれない。
作曲者のサド自身による演奏が少ない理由も
そんなとこにあるのでしょうか。
姪が大きくなって、彼女が生まれた時に
父親が聴いた曲をどう感じるのか、楽しみです。
願わくば、この曲の良さを分かる乙女であって欲しいのですが、
どうなるかな?
