北海道日本ハムファイターズが首位を走っています。
残念ながら、きょうから始まった函館シリーズの初日は
宿敵のホークスに負けてしまいましたが、
明日はやってくれるでしょう。
特段、プロ野球に興味がない私ですが、
ファイターズは地味に応援しています。
私がふるさと・札幌で勤務していた時に
道民に希望を与えてくれたチームだからです。
2006年、北海道に移転してからわずか3年目で
日本一になったファイターズ。
優勝パレードが行われたのは11月でした。
札幌は既にかなり寒かったのですが、
沿道には15万人(!)が詰め掛けるという、
異常な盛り上がりでした。
札幌市の人口が190万人ですから、
全人口の8%ぐらいが集まったことになります。
盛り上がりの背景には、北海道が
「明るいニュースを切望していた」こともあるでしょう。
この年は暗いニュースが多かったのです。
夕張市の財政破たん、ふるさと銀河線の廃止、
ばんえい競馬の縮小、佐呂間町の竜巻による死亡者・・・・
全国的には地味なニュースでしたが、
北海道に暗い影を投げかける出来事が相次ぐ中で、
ファイターズの優勝はまさに「光」だったのです。
ファイターズを見ていて感心するのは、
それほどスター選手がいないのに成果を上げていること。
ダルビッシュや稲葉以外は知らないという方も多いと思いますが、
勝てるのはなぜなのか?
やはり「つなぐ」野球ができているからでしょう。
主力打者がホームランをねらってばかりいる「巨砲主義」ではなく、
ヒットをこまめにつないで、コツコツ得点していく。
集団スポーツでは、突出した個性がなくても、
チームワークがあれば勝てるということを
教えてくれます。
そんなことを考えていて思いだしたのが、
ジミー・ヒース(ts)の「トリプル・スレット」。
このアルバムの参加者には、大スターはいません。
後にトランペットのフレディ・ハバードはメジャーとなりますが、
当時はデビューから間もない若手です。
スターがいない中、メンバー一人一人が
見事に「つなぐ」演奏を繰り広げ、
A級の作品にしているのです。
1962年1月、NYでの録音。
Jimmy Heath(ts)
Freddie Hubbard(tp)
Julius Watkins(French Horn)
Cedar Walton(p)
Percy Heath(b)
Albert Heath(ds)
①Gemini
リーダーのヒースによるオリジナル。
驚くのは、冒頭。
高らかに鳴り響くフレンチ・ホルンにびっくりしてしまうのは
私だけではないでしょう。
テナーがリーダーの作品でありながら、
この意外な楽器で入ってくるアレンジがニクイ。
ワルツ調のメロディにも60年代らしい斬新さがあり、
このアルバムを象徴する曲と言えるでしょう。
ソロはまず、ハバードのトランペットから。
最初こそ高音ヒットが続く若々しい演奏ですが、
冷静な響きがあるバックのピアノに影響されてか、
後半は抑制されたソロとなります。
ホーンによるアンサンブルを経て、
ヒース、ワトキンスの順番でソロが入ります。
ヒースも極めて知的なアプローチ。
ワトキンスがフリューゲル・ホーンに似た音色を
聞かせるのも面白いところです。
彼らのソロが終わると、再びホーン・アンサンブルから
ピアノ・ソロへ。
この辺りの「つなぎ」具合が実に計算されたもので
素晴らしい。
特に抜きんでたソロはありませんが、
バンド全体で素晴らしい演奏を作っています。
②Bruh' Slim
これもヒースのオリジナル曲。
セクステットのカッコよさを追求したかのようなアレンジです。
歯切れのいいドラムに乗って、
ホーン陣がブレイクをうまく生かしつつ、
厚みのあるメロディを演奏。
そうそう、3管ならこれぐらいのスケールがなくちゃ、
と言いたくなります。
最初のヒースのソロは快調そのもの。
淀みなく、スピーディーな展開です。
ハバードは①よりもはるかに攻撃的に
高らかにラッパを鳴らす。
この安定感と爽快さ、いいですね。
続くシダーのピアノは相変わらず知的なタッチですが、
演奏を楽しんでいる雰囲気が右手の弾み具合から
伝わってきます。
この他、カッコいいアレンジが聴けるという点では、
⑤の「Make Someone Happy」のメロディもおすすめです。
こうして聴いていくと、大スター抜きで
「つなぐ」演奏を実現するには、
それぞれの個性を生かす全体設計が重要だということに
気が付きます。
このアルバムではそれがヒースによるアレンジだと
いうことになるでしょう。
ファイターズもヒルマン~梨田さんと続く監督が
選手の起用をきちんと計算しているから
今があるのでしょうね。
