桜がきれいですね。
きょう、車で環八を走っていたら、
世田谷の砧公園には大勢の人がお花見に
押しかけていました。
その後、スーパーに立ち寄ると、お弁当コーナーの
品数がいつもより圧倒的に少ない。
どうも、多くの人が外でお弁当を広げているようです。
一年を通し、最も華やいだ季節がやってきました。
去年まで札幌に住んでいた私。
北海道の桜はエゾザクラと呼ばれるもので、
ソメイヨシノほど華やかな花はつきません。
お花見の季節は5月。
それでもかなり強く、冷たい風が吹くので、
こちらのように外で長時間花を愛でるということは
少ないと思います。
しかし、北海道にはまた別の春の楽しみがあります。
その一つが広大な大地に咲く菜の花。
滝川市というところには、地平線まで続く
菜の花畑があります。
毎年、5月下旬ぐらいになるとテレビで紹介されるのですが、
そのスケールのすごいこと。
私自身はまだ実際に足を運んだことはないのですが、
知人がその素晴らしさを語ってくれました。
いつか行ってみたいと思っています。
春の花のことを考えていて、棚から取り出した一枚。
ミュージシャンたちが菜の花畑でくつろいでいる
「スウェディッシュ・スタンダーズ」です。
スウェーデンの俊英、ヤン・ラングレン(p)によるトリオ作品。
ジャケットには少々おふざけ(?)が入っていますが、
内容は非常に素晴らしい。
リーダーのヤン・ラングレンについて簡単に触れましょう。
1966年にスウェーデンに生まれた彼は、
現地のスイング系ミュージシャンと共演し、腕を磨きました。
音楽大学卒業から数年で注目され、
28歳で初リーダー作を吹き込んでいます。
このアルバムが制作された90年代後半には
たびたびアメリカでも演奏を行い、高い評価を得ました。
「スウェディッシュ・スタンダーズ」は、若きラングレンが
乗りに乗っていた時の録音です。
その勢いと、新鮮味のあるプレイが聴きもの。
さらに、スウェーデンのヒット曲を収めるというコンセプトも
成功しています。
北国の音楽ゆえか、ちょっとフォークソングっぽい響きもあり、
懐かしさも感じさせてくれるのです。
1997年5月、コペンハーゲンでの録音。
Jan Lundgren(p)
Mattias Svensson(b)
Rasmus Kihlberg(ds)
曲のタイトルがスウェーデン語なので、
意味が良く分からないのが残念ですが、
ご紹介していきましょう。
①Solen glimmar blank och trind
このアルバムの「趣味の良さ」を象徴するトラックです。
まず、トリオのまとまり具合が心地よい。
ミディアム・テンポのイントロを聴くだけで、
このトリオが緊密な連携を取りながら
リラックスしているのが分かります。
軽快なブラシに乗って、これまた軽やかに入ってくる
ラングレンのピアノ。
何度かリズムのブレイクがある印象的なスタートですが、
実にスムーズに決めています。
ラングレンは白人らしい美しいタッチでソロを進めますが、
時に強力な左手を交えてドライブするところからは、
若者らしいパワーを感じます。
続くベース・ソロも力強い上に良く歌っていて見事。
そういえば、録音も生々しくて非常にいいです。
②Sommar,sommar,sommar
タイトルはスウェーデン語で「夏」を意味する(?)ようです。
これはトリオのスピード感を堪能できるトラック。
夏の清々しい風を思わせるメロディーから
急速調のピアノ・ソロに入っていく流れがいい。
北欧の短い夏のように、美しくも一気に駆け抜けていくピアノ。
そのソロがぱっと止むと、今度はブラシを生かした
短くも締まったドラム・ソロ。
本来なら手に汗握る展開なのですが、
さらっとさりげなくやってのける手腕に脱帽です。
⑥Min polare Per
ブルースでもこのトリオが力を発揮することを示したトラック。
民謡調のメロディから、低音を生かしたラングレンのソロが続きます。
メロディの影響なのか、ここでのピアノは哀感たっぷりのプレイを聴かせ、
上記2曲の軽快さとはまた違った顔を見せます。
⑦Waltz-a-nova
⑥に続くこのワルツも哀感たっぷりです。
メロディだけ聴くと秋、という感じ。
しかし、ラングレンのピアノが若々しさを持っているため、
躍動感と哀感がミックスされた面白いナンバーになっています。
それにしてもスウェーデンにはいいメロディが多いですねえ。
⑨Min Blekingsbygd
このトリオの「スケールの大きさ」が分かるナンバー。
ベースによるイントロからドラム、ピアノが続き、
穏やかな大地を思わせるような温かいメロディへ。
ベース・ソロをはさんでから登場する
ピアノは、思いきり空間を使うように
右手で次々にフレーズを繰り出してきます。
この「広がり感」は、このトリオが旧来のスタンダードな形式に
とらわれていないことを示すものです。
若者らしい快活さと新しさに溢れた演奏と言えるでしょう。
きょうは久しぶりの休みで買い物以外は家で過ごしてしまいました。
しかし、春の日差しを浴びた若者たちのジャケット写真と、
勢いのある音楽を聴いていたら、
外に出て桜をゆっくり眺めたくなってきました。
明日は仕事だけど、出勤途中に寄り道して、花見をしようかな。
