最近、外国製品の「粗悪パッケージ」について考えてしまいました。
事の発端は、私がよく行くスーパーのお菓子売り場。
いつもは何となく通り過ぎてしまうこのコーナーに、
見慣れないものが並んでいました。
「ベルギー王室御用達」のクッキーです。
いかにも海外からはるばるやってきたと思わせる、
英語やフランス語が書かれた箱
(ベルギーではフランス語やオランダ語が使われているらしいですね)。
バターがたっぷり使われているという説明文もあり、
いかにも美味しそうです。
買ってみることにしました。
きょうの昼、「よし、食べてみよう!」と箱をあけ、
中のアルミ包装を見ると・・・・・
「穴」が開いているではありませんか!
クッキーはもちろん湿気っていました・・・・。
こんな雑な包装で「王室御用達」なのかなぁ。
楽しみにしていただけに残念でした。
外国からはるばる渡ってきた商品のパッケージが雑だったり、
ちょっとおかしなところがあったりすると、
日本人ほどの繊細さはないんだろうな、と思います。
ジャズでそんなことを感じたのがフィル・ウッズ(as)の
「ミュージック・デュ・ボア」のCDを買った時でした。
この作品、本来のジャケ写真での再発がしばらくなく、
買わずにいました。
最近、アマゾンで発見し、イギリスから取り寄せることに。
便利な世の中ですねえ。これで1500円少々ですから。
さて、ようやくCDが届き、開封してみると・・・・
ん?ジャケ写真の右下がなぜか「折られている」ではありませんか!
どうして?入れる時に手が滑って折れたの?
折れたら折れたで、そのままにせずシワを伸ばしてくれても
いいんじゃないの?
・・・・と思いつつ、
「こんな細かいことにこだわるのは日本人ぐらいか」と
嘆息したのでした。
まあしかし、お菓子と違って湿気ることがないのが
CDのいいところ。
音楽は存分に楽しもうではありませんか。
1974年に録音されたこの作品、
フィル・ウッズの熱いプレイもさることながら、
ジャッキー・バイアードのピアノも聴きものです。
彼はバップ、ストライド、クラシックなどなど、
様々なスタイルを吸収した稀有な人ですが、
ここでも伝統的なのかアバンギャルドなのかよく分からない
不思議なスタイルを聴かせてくれます。
1974年の録音。
メンバーは個性派ぞろい。
Phil Woods(as)
Jaki Byard(p)
Richard Davis(b)
Alan Dawson(ds)
①Samba Du Bois
リチャード・デイビスの太く、飾り気のないベース音に
ウッズのとんがったアルトサックスがからんでいく。
デュオで展開される出だしの部分のテンションが
非常に高い。
この緊張感が演奏の最後まで続いています。
ドラムとピアノが加わり、
バンド全体がスピードアップしてくると、
ウッズはますます攻撃的に。
不協和音の一歩手前で強烈にスイングするサックスに
圧倒、です。
ヨーロッパ生活を経て、アメリカに帰ってきたウッズの
意気込みが感じられます。
続くジャッキー・バイアードのプレイも見事。
まず、ノリが普通ではない。
溺れそうな人が足をバタつかせているかのように、
繰り出してくるソロの流れが一定ではないのです。
「ここでなんでこのフレーズなの?」というような
音の連続。
フリーのようにも思えますが、
その影にストライド奏法の影響も見え隠れしますから、
全く理解できない、でもすごい演奏です。
②Willow Weep For Me
「柳よ泣いておくれ」の邦題で知られるスタンダード。
ここではマイルス・デイヴィス作曲「オール・ブルース」の
リズム展開を引用するという、意外な手法が取られています。
ウッズは①と同様に、熱く、奔放なプレイを聴かせてくれます。
が、個人的にはここでの最大の聴きものはバイアード。
リチャード・デイビスの怪力を使った、重いベースソロの後に、
バイアードが実に軽やかに、しかもきらびやかな音づかいで
入ってきます。
まず、この鮮やかな切り込み方に息をのみます。
その後、テンポを変えて、メロディを引用した
おとなしいソロに移るかと思いきや、一転して攻撃的に。
アート・テイタムを思わせる両手をフルに使ったソロで
一気に山場を作ってしまう手法には驚かされるばかりです。
しかも、その音が「黒いダイヤ」のように妖しく光るようなもの
なのですから・・・・
奇人、いや偉人です。
うーん、パッケージに多少問題があってもやはり傑作です。
やはり海外から取り寄せる時には「内容第一、パッケージは二の次」
ですかね。
しかし、一方でジャズ界では傑作ジャケットも
数多く作られているのに・・・。
デザインとパッケージの配慮は一致しないのかな・・・・。
そう言えば、「王室御用達」クッキーも箱のデザインは
悪くなかった・・・・。
