真逆的な、あまりに真逆的な

真逆的な、あまりに真逆的な

 
「……つまりどういうこと?」がモットーのブログ

変人作家になりきって頭おかしい系の作品を世に垂れ流してます

くだらない詩、つまらない小説、しょうもないエッセイ

読めば読むほど人生を無駄にする、物好きのための精神安定剤

毎日朝6時に更新してます

 

生徒の1人が悩みを口にした。

 

 

「最近、休みを無駄にしてしまいます。

 

 

気づいたら夕方になっていて、毎回もったいなかったって後悔してて」

 

 

ルイジアナ先生はバイクを洗車しながら答えた。

 

 

「無駄ってむずいよな。何をしたら無駄じゃなくなるのか、俺も正直わからん」

 

 

掃除道具を片付け、ヘルメットを生徒に投げ渡す。

 

 

「教室に戻るぞ、乗れ」

 

 

バイクはものすごいスピードで校舎を駆け抜け、階段を駆け上がってあっという間に教室に着いた。

 

 

「お前ら。今週は土日も宿題を出すぞ」

 

 

ルイジアナ先生の一言に全員が渋い顔をする。

 

 

「土日を無駄にしないのが宿題だ。

 

 

自分にとって何が有意義かを今うちに考えておけ。

 

 

いいか、満足のいく一日を過ごしてみろ。

 

 

その経験がお前らを人生を豊かにする」

 

 

ホッとした生徒達の姿を見て、ルイジアナ先生はニヤリと笑った。

 

 

メタリックな精神だね

 

 

かっこいいね

 

 

メッキかどうか確かめたいから

 

 

溶かしてあげるね

 

 

歯が溶けても舐めたくなるキャンディ?

 

 

舌が回らなくなるキャンディ?

 

 

頭がハッピーになるキャンディ?

 

 

なにもかも甘ったるいんだよ

 

 

その細い喉元に湿気を詰めてあげたい

 

 

6月を思い出すような胸糞悪さに

 

 

嘔吐したくなっても口元を塞いで窒息させたい

 

 

涙を浮かべた汚い顔のまま死んでいくあなたを

 

 

まばたきせずに見つめていたい

 

 

歯形の付いたストローよ
 

 

吸われて噛まれて捨てられて
 

 

嫌いな女に咥えられて
 

 

汚い啜り音聞かされて
 

 

消えない噛み跡付けられて
 

 

黙ったままで大人気取りかい?

 

 

逃げる女性。
 

 

淡々とした歩調で追い詰める男。
 

 

駐車場に逃げ込んだが、男は女性を見逃さない。
 

 

「大人しくしろ」
 

 

男は女性に言い放つ。
 

 

女性はとうとう行き止まりに追いやられてしまった。
 

 

表情を変えず、女性の頭に手を伸ばす男。
 

 

「大人しく幸せになれ」
 

 

「嫌」
 

 

女性は顔を背ける。
 

 

「こんなことして何になる?毎日わざわざ2時間かけて徒歩出勤して、ご飯も1日パン1個。俺が飯を作りに行ったら逃げるし、連絡はフルシカト。聞いたら旦那様からの連絡も全部無視してるらしいじゃないか」
 

 

知らんふりを続ける女性に対して呆れる男。
 

 

「俺のことが嫌いなのかもしれんが、せめて不幸になろうとするのはやめてくれ。お前の世話役である以上、俺にはお前を幸せにする義務がある」
 

 

「……世話役としてじゃん」
 

 

女性はボソッと文句を言った。
 

 

「ったく。いいか、俺は自分から幸せになろうしない女とは恋愛しない主義なんだ。世話相手としてじゃなく一人の女として見てほしけりゃこんなことで気を引こうとすんじゃねぇ、バカ」
 

 

女性は拗ねつつもほんの少しだけ嬉しさのような感情を抱いた。
 

 

「ほら、いくぞ。今日だけ手を繋いでやる」
 

 

男は手を伸ばす。
 

 

「……本当はあんたが手を繋ぎたいくせに」
 

 

そう言って男の手を握る女性。
 

 

「お前には言われたくないな」
 

 

不器用な2人は文句を言い合いつつ帰宅していった。

 

 

対価を払わない者の言葉は聞く価値がない
 

 

お裾分けー
 

 

お裾分けー
 

 

私の不幸をお裾分けー
 

 

お裾分けー
 

 

お裾分けー
 

 

あなたも幸せお裾分けー

 

 

願いを込めてひとっ刺し
 

 

想いが溢れてもう一刺し
 

 

キリが悪くてもう一刺し
 

 

ほらね
 

 

願いが叶ったでしょ?