パリにてフリータイム。
どこへ行こうかな。ただでさえ旅行の時にあちこち行かないでボケーっとしているタイプなのに、仕事となると尚更である。
混んでいるところはあまり行きたくない。
そうだ、最近同僚の間で話題の美術館へ行ってみよう。
最近はGoogleマップで検索すれば行き方がサクッと出てくるから便利。
ホテルからトラムとバスを乗り継いで行けるみたいだ。スマホが登場する以前は、海外でバスに乗るのはとてもハードルが高かった。時刻表なんてあってないようなものだし、アナウンスを聞き取るのも難しかったりアナウンスがそもそもなかったり。周りの景色で判断、と言っても初めての場所では大変。運転手さんにアピールして教えてもらったり周りの人に聞きまくったり。
今は便利になったものだ。
そして、不便な頃を経験してその頃を覚えているのは私の強みだと時々思う。最悪スマホがなくても、なんとかなった経験が不安な気持ちを軽くさせてくれる。
久しぶりの青空
パリは環境のためにトラムの路線が少しずつ増えているようだ。
同じホテルに泊まっている別のグループの人が、お客様に観光場所までの行き方を教えてあげるのに四苦八苦していた。お客様がいなくなったタイミングで声をかけてみたら、先月ナポリでお会いした方だった!こういうことがとても多い。
「どこかでお会いしましたね!どこだっけ?」
という会話をそこら中でしている。
「お客様がヴェルサイユへ行きたいって言うんだけどどのルートがいいかなぁ」
と彼女は行った。
「それならこのトラムに乗って終点まで行ってC線に乗り換えれますよ」
「え?トラムなんてある?」
彼女が手にしていたのは、なつかしのJALマップ!2004年版!20年前のやつ〜。
気持ちはわかる。私も同じの持ってた。コロナ禍に全部処分したけど、かなり処分を悩んだ。
JALマップは昔JALに乗るとビジネスクラスなどで配布されていた薄くて携帯に便利なガイドマップだ。
「この国初めて行くんです。マップあります?」
と客室乗務員さんに泣きつくともらえたりした。販売もしていた。
JALマップはとにかく見やすくて便利で、本当に本当にお世話になった。
が、時代は変わる。
「トラムの路線、増えてますよ」
「え?そうなの?」
今ではデジタルの情報が手に入らないと、どんどん取り残されてしまう。私も必死に変化についていこうと、行く先々で様々なアプリを試したりしている。年と共に気力が衰えていくのをご年配のお客様(人によるが)を見て知っている。覚える努力をやめるとどうなるのかも知っている。
だから、できるうちはできる努力はしたいと思う。できないことは若い人に素直に教えてもらう。
新しいトラムは快適
会社スマホをチラチラとチェックするけれど、今のところお客様からはSOSの電話もメッセージもなく、みんな楽しんでいるようだ。
トラムからバスに乗り換えてブローニュの森で降りる。
森〜
晴天で、気持ちいい。
森を歩きながら、雨の日は暗くて怖そうだなとも思う。夕方には来ないほうが良さそうだ。
バスを降りたところの近くに、胸出し過ぎじゃない?と思うような女性が座って休憩していた。気候が良くて薄着になるのはわかるけど大胆ね〜と思った。
しばらくしたら、胸出し過ぎ女性が3人に増えていて気がついた。
あ、売ってらっしゃる?
生きてくって大変ね。
やっぱり暗い時間には森はやめておいたほうがよさそうだ。
行き先表示で確認
私が目指すのはフォンダシオンルイヴィトン。
ルイヴィトン財団が建てたアート施設。現代アート展をやっていたり、他にもいろんな用途に使われているみたい。
このミュージアムショップのグッズが今大人気らしい。なにしろ公式にルイヴィトンのロゴが入ったエコバッグなどが50ユーロ前後で買えてしまうのだ。私は高級ブランドには縁がなく、モノプリ(パリのスーパー)の2ユーロくらいのエコバッグで充分だけど、ルイヴィトン好きな人とか転売ヤーとかには大人気の模様。転売といえば、モノプリのエコバッグもフリマアプリで1000円くらいで売ってる人をたくさん見かける。
アートを鑑賞するついでにショップも覗いてみようと思ったのだ。
建物が見えてきた
森の中に一際大きくそびえる建物。
建築家フランク・ゲーリーの設計だそうだ。フランク・ゲーリーさんをよく知らないのだけど、お名前を聞いたことがあるようなないような…。
調べてみたら、スペインのビルバオにあるグッゲンハイム美術館を設計した方だった!だから聞き覚えがあったのか!
グッゲンハイム美術館
予約したほうがいいことはわかっていたけれど予約なしで来てしまった。一応仕事中なので、何かトラブルがあって予約が無駄になるのを避けたかった。
ちょっと待てば入れるんじゃないかな、という期待もあった。
華々しい入口?出口?
入口のセキュリティチェック前で予約ありと予約なしに分かれている。列はそんなに長くない。とりあえず並んでみた。
5分くらい並んでいたら、私の前の親子連れのフランス人が係の人に何かを聞きに行った。
「わからないけど、50分から1時間くらいだと思う」
と係の人が答えるのが聞こえた。
待ち時間を聞きに行ったんだろう。
50分から1時間も並んで待つ根性が私にはない。ゲーリーさんの建物見られたし、もういいや。
サクッと諦めて列を離れた。
違う角度から
写真には収まり切らなかったけど、この場所から遠くにコルビジェの建物も見えていた。
ちなみにここは遊園地があって、本来チケットを買うつもりのない人は入れない場所なんだけど、ちょうどチケット売り場の人が席を外していたので、ベストポジションから写真が撮れてしまった。
遊園地に入りたかった人が警備員の人にチケット買いたいんだけどと尋ねたら
「今いないから30分後にまた来て」
と言われていた。さすがフランス
帰りはフォンダシオンルイヴィトンが運行している無料のシャトルバスで凱旋門へ。
ちょっとだけシャンゼリゼ通りを歩く。
シャンゼリゼにはルイヴィトン本店がある。いつも入口に行列ができている。
今、その本店の横にホテルを建設中。ルイヴィトンホテルができるそうだ。
建設中なので目隠しがされているのだけど、その目隠しがすごい!
巨大なトランクの目隠し
細部にもこだわっている
すごいなぁ。
労働者の私にはヴィトンのバッグは重過ぎて必要ないけど、自分で荷物を運ぶ必要がない人たちがこのホテルに宿泊するんだろうなぁ。
パリはファッションウィークの真っ只中で、モデルのような美しい人を何人か見た。インスタを見ると日本の芸能人もたくさんパリに滞在中だったみたい。
お昼を回って、お腹が空いたのでクレープ屋さんへ。
赤ワインとハムとチーズのガレット
雑な作りだけど、失敗しようもない材料のおかげで美味しかった。
シャンゼリゼにルイヴィトンが増えていた
これはポップアップストア的なものだろうか?
すごく賑わっていたけど、この入口の装飾のセンスはどうなの?
フランスのデザインはオシャレで、そこはかとなく日本の侘び寂びに通じる部分を感じて好きなんだけど、このルイヴィトンはどうしたことか。
ターゲットが日本ではない国民に向けられていると感じる。
そろそろメトロで帰ろう。
ホテルロビーでツアーデスクをしなくては。そう、私は労働中の身である。
フランクリンルーズベルト駅
ここはシャンゼリゼ通りのど真ん中だから、いろいろな国の言葉で駅名が書いてある。
パリのメトロの駅はそれぞれにオシャレなデザインで、ついつい写真を撮りたくなっちゃう。
今の時期は蒸し暑くもなくて快適。夏は暑くて臭くて大変だけど。大きなネズミが爆走してるのも時々見かける。レミー?
ホテルの部屋でディナー
前日にレストランでステーキを食べたから、この日はスーパーの量り売りサラダ。ワインはフルボトルだけどね。
物価が高過ぎて、毎回レストランは入れない。
貧民の豊かな食卓である。
パリのフリータイムはまだ続く。