ジョーさんの話はこちら
ニシン会のメンバーはジイサン、クニヤン、コンさんのお爺さんチームと、ハルちゃんと私のアラフィフチームに分かれている。
お爺さんチームはスマホをイマイチ使いこなせず、飲み会がある時にはいつも最寄駅に集合してみんなでお店へ向かうことが多かった。
「現地集合でいいのにね。待ち合わせの仕方が昭和!」
とハルちゃんがいつも憤ってた。
それが今回コンさんから
「現地集合で!」
と連絡があって、お爺さんチームは何か心境の変化でもあったのか!?と密かに思った。
久しぶりのニシン会だ。遅刻はしたくない。
汐留に行くのも初めてだ。新橋駅で降りて歩いていけばいいみたい。
私は、1時間くらい前には汐留に到着するつもりでホテルを出発した。早く着いたら周りをウロウロしたり、お茶または食前酒でも飲んでいればいいと思ったのだ。
お上りさんなので迷いながら目的地に到着。やっぱり早くきて良かったと思いながらウロウロしていたら約束の15分くらい前にエレベーターに乗り込もうとしているコンさんを発見!追いかけて行って一緒に乗り込んだ。
「コンさん、お久しぶりです」
「おおースナコ君、元気そうだな」
「コンさんもお元気そうですね」
「いやー薬の数が増えちゃってさ。血圧と糖尿と…。日本の医療は年寄りを薬漬けにするって本当だな」
と元気に笑っていた。
少し早いけれど、私とコンさんでお店へ行くと中に通してくれた。
46階からの眺め
他の人達はまだ来ていない。
Googleマップを見ながら来たけれど、私も少し迷った。クニヤンもジイサンも大丈夫だろうか?
ハルちゃんは道は大丈夫だろうけど、時間配分ができずだいたいいつも遅れてくるから今日も遅れてくるだろう。
そろそろ約束の時間になるけれど誰も来ない。やっぱり迷っているのか?
コンさんに電話がかかってきた。クニヤンからだ。近くまで来ているけれど迷っているようだ。さらにジイサンからも電話が。
コンさんが道のりを説明しつつエレベーターホールへ迎えに出た。私が行こうかと思ったけれど、
「スナコはそこに座ってて」と言われたので素直に待機。
やがてジイサン、クニヤンが遅れて到着。
スマホを使えないので、ひたすら表示を探して歩いてきたらしい。やっぱりね。
ハルちゃんは約束の時間の5分後に新橋駅に到着するそうだ。駅からお店まで15分くらいかかる。
なので4人で宴開始。
まずはジョーさんに献杯。
そして、久しぶりの再会に乾杯。
海鮮鍋が用意されていた
2時間の飲み放題コースだ。
久しぶりにみんなで会ったから話に花が咲く。
クニヤンは昨年体調を崩してずいぶん長いこと入院していた。だけど、やつれた感じはなくてまあまあ一安心。
お爺さんチームは薬の数を競う話をしている。しかも2人は宴が始まる瞬間に補聴器をつけ始めるから、装着が終わるまで待ってあげなければならない。
最近の健康状態のことや、最近の旅の話、ジョーさんのこと、みんなで一緒に旅したネパールやインド、台湾の話。さらに私のツアーに来てくれた時の話(クロアチアとかモロッコとか)。
そうしている間にハルちゃん到着。
再び乾杯!
「インドは楽しかったよなー。あんな旅なかなかできないよ」
とコンさんが言う。
「そうでしょーそうでしょー。私と旅すればいつでも楽しいのよ」
と、何故か威張る私。
2時間はあっという間に過ぎた。
しゃべり足りなく、飲み足りないので2軒目へ。
老いた、老いたと言いながらみんな胃腸は元気だ。
ところで、今回のお店は予約してくれたコンさんも初めてのところだったのだけど、店員さんがとっても感じ悪くて、ここまで愛想ないのも珍しいね、と言う話でも盛り上がった。
私は、お店のサービスとかそんなに気にしないほうだけど、確かにこのお店は、もうすぐ閉店でもするのか、全員今週入ったばかりで教育を受けていないのか?と思うくらいだった。
東京で訪れたことのあるお店の中でスナコ史上ワースト1かな。46階の素敵な場所にあるのに。
話のタネになったからいいけど。
2軒目は雀荘を目指した。私以外はみんなマージャンをする。
私は興味ないから、じゃあ帰ろうかな、とも思ったのだけど、そうすると私に合わせてみんながマージャンをすることを諦めちゃうかもと思って、行くことにした。全然興味なかったけど。
ただ、2軒のぞいたけれど、どちらも満席で結局入らなかった。
マージャンできないなら帰るわ、と言ってコンさんは帰って行った。
残された私達は適当なお店に入って飲み直し。
ハルちゃんはカクテルを注文、ジイサンはお酒は飲めないから烏龍茶。私は何を飲もうかなと考えていたら、クニヤンがワインをボトルで入れようと言うから、ボトルワインにした。
クニヤン、退院して食事に気を遣わなければいけないのにそんなに飲んで大丈夫なのだろうか?
クニヤンが飲まなければ私が飲むからいいけど。
ワインを選んで、グラス2つでと注文。
定員さんがオーダー確認で復唱した時に、もしかして…とちょっと不安に思ったのだけど、やっぱりグラスワインが2つ来た。
ボトル1本でグラスは2つと言ったつもりだけど、グラスワインが2つ来た。言い方難しいな。
お店の人はグラスワインを下げようとしたけれど、このワインが無駄になると思って
「いいよ、いいよ、飲むよー」
とそのワインを2つ引き取った。
そしてさらにボトルをオーダー
珍しくチリワイン
ハルちゃんの年末年始のプライベート旅行の話とか、私とジイサンがハマっているラグビーの話とか、クニヤンの退院後の生活の話とか、話は尽きない。
思う存分語り合ってお店を出た。
ここで解散。
のはずだったのだけど、残されたクニヤンが言った。
「スナコ、ちょっと〆に何か食べたいから付き合ってよ」
「いいですよー」
ニシン会で飲むと、最後に私とクニヤンが残って、結局泥酔するまで飲むこともたびたびあった。クニヤンが病気になってしまって、もうそんなことはさせられない。だけどクニヤン、元気満々だ。
なかなかいいお店が見つからず、結局適当にパブに入った。で、ギネスを飲んで、さらにまたワインをボトルで…
わかってますよー、飲み過ぎってことは。
クニヤンは一応気にしてお通しのナッツを控えめに食べている。今更控えても酒量がヤバイよ。私もだけど。
クニヤンと2人飲みになる頃にはいつも程よく酔っ払っていて、割と本音の話になることが多い。ニシン会メンバーが揃っていると、みんな人の話をちゃんと聞かずにしゃべりたがるから、結局一つの話題が最後まで到達しないで次の話題になってしまうことも多いのだけど、2人ならじっくり話せる。
まあ、酔っ払っててあんまりちゃんと覚えていないけれど、他の人達があまり話したがらない投資の話などをした。私は投資はあまりしていない。知識もない。
ずいぶん前に、投資信託をやろうとして、ちょっとアドバイスをもらいたくて、ニシン会のグループラインで聞いてみたら、クニヤンだけが少し答えてくれたけれど、他のみんなはスルーだった。
お金のことは聞いたらいけなかったかな、と思ってそれ以来話には出してなかったのだけど、その時のことをクニヤンが話し始めたから投資の話題になったのだ。
「結局どうしたの?」
と聞かれた。
クニヤンは気になっていたみたいだ。
あの時、どうしようか迷った投資信託は、結局適当に始めてみたら円安になるタイミングにうまいこと乗っかってビギナーズラックで増えた。私はもともと比較検討をあまりしないタイプなので、思い切りはいいのよ。
売り買いしてどうにかしようとは思っておらず、長く持つつもりなので、別に途中で上がろうが下がろうが放置しておく予定だけど。
金儲けの才能が自分にないこともわかっている。
そういう話をいろいろして、ワインがなくなったところで本当のお開き。
クニヤンは泊めてもらう娘の家へ帰って行って、私はフラフラと電車に乗ってホテルへ戻った。
「明日生きてるかわからないから」
とお爺さん達は言っていたけれど、それは私やハルちゃんも同じだ。ジョーさんのこともあって、突然お別れということもみんなどうしても考えちゃう。
とりあえず、今年が始まって、みんなで集まれてよかった。それぞれ不具合を抱えながらも、元気でよかった。
ジイサンやコンさんとは、また近いうちに会う約束もしたので、その近いうちまでお互い元気でいられるように健康的に過ごしたい。
散々飲んでおいてこんな言葉でしめくくろうとするのもどうかしてるけどね