10日間ほど滞在をしたトゥールーズともいよいよお別れだ。とても居心地のいい街だった。

滞在していたアパートメントまでは地下鉄駅から歩くこともできたのだけど、タイミングよくバスが来た時にはバスにも乗った。トゥールーズの人はバスを降りる時に老若男女問わずみんな
「ありがとう、さようなら」
「ありがとう、良い1日を」
とドライバーさんにあいさつをしていたのが印象的だった。
私は、地元のバスに乗って降りる時にも
「ありがとうございました」
と言う。子供の頃からの習慣で。でも地元のバスだと、特に大人は言わない人もいる。最近では子供でも言わない子もよく見かける。そういう教育なのか、教育をされていないからなのかはわからないけど。
トゥールーズで、ほぼ全ての人があいさつをしてバスを降りていく姿は新鮮だった。しかも前乗り後ろ降りだから、それなりに大きい声であいさつをすることになる。ドライバーさんももちろん返事をする。この習慣は、この後滞在したニースでは見かけなかった。
私達も周りの人にならって毎回あいさつをして降りていた。1回くらい日本語でアリガトウと言ってみてもよかったかな、と今更ながら思う。

それと、私とリカさんの間でだけツボにハマっていたのが、トゥールーズ近辺の公共交通機関等のアナウンスのクセの強さ。
最初はトゥールーズへ向かう機内だった。
CAさんのアナウンスが、日本のアニメキャラみたいな話し方で絶妙に早口で、もはや英語なのかフランス語なのかさえ分からないくらいのクセ強だった。
「あのCAさん、クセ強いね」
と2人でクスッと笑っていたのだけど、その後トゥールーズからルルドへ電車で移動した時のアナウンスもかなりのクセ強だった。
文章でうまく伝え切れないのがもったいないくらい。なんか笑っちゃう感じのインパクトのあるアナウンスだった。

そういうことが滞在中に何度もあった。たまたま遭遇しただけかもしれないけれど、私達にとってトゥールーズはクセ強アナウンスの街でもある笑い泣き


トゥールーズ最終日はアパートメントのオーナーさんに空港への送迎を頼んであった。

のんびり用意していたら、約束の時間の5分前に玄関のチャイムが鳴った!

「え?早くない?ここフランスだよね!?5分前だよ。日本みたい!!」

2人してまさかの大慌て。時間ピッタリかちょっと遅れてくると思ってた私達は、かなり感覚がフランスに染まってたニヤニヤ


玄関のドアを開けると、爽やかな青年が立っていた。もっとモジャモジャのおっさんが来るかと思っていた、なんとなく。

オーナー青年の車に乗って15分くらいで空港だった。オーナー青年は、ちゃんと営業車の免許も取ってるから安心して、と言ってライセンスカードまできっちり見せてくれた。

すごい、ちゃんとしてる〜。


あっという間に空港に到着して、チェックインカウンターのある1階へ上がろうとエレベータに乗った。(私達は地上階0階から乗った)

エレベーター内で、「1階、出発階です」というアナウンスが流れたんだけど、

「プルミエエタージュ(1階)………デェパァ〜!

デパーの言い方が不意打ちでクセ強だった笑い泣き

なんというか、昔の奥様が電話に出る時によそ行きの高い声になるみたいな雰囲気で、しかもご機嫌な感じが滲み出ている響き。

エレベーターはほぼ一杯に人が乗っていて、デェパ〜ッのアナウンスを聞いた瞬間吹き出しそうになった。下を向いて必死に堪えた。隣でリカさんもプルプルしながら堪えているのがわかったけれど、横を見たら絶対笑っちゃうからお互い下を向いてた。周りの人達が平然としているのがより可笑しくて、ほんの数秒なのにすごく長く感じた。

エレベーターを降りた瞬間2人してその場に崩れ落ちて大爆笑だった笑い泣き笑い泣き

「なんでみんな笑わないんだろう。全力で笑わせにきてたのに!」

今でも思い出すとニヤニヤしちゃう。


トゥールーズブラニャック空港でエレベーターに乗る機会があれば是非聞いてみてほしい。あのクセ強アナウンス。到着階に降りる時よりも出発階に上がる時のほうが面白いと思う。


こうして私達のトゥールーズ滞在は終わった。


イルカの形の飛行機!


エアバスの本社があることは知っていたけれど、イルカの形の飛行機があることは知らなかった。後で調べたら、組み立て前の飛行機を運ぶ輸送機で、イルカみたいな形だからベルーガ(白イルカ)と呼ばれているそうだ。飛んでいるところを見てみたかったなぁ。


機内の窓から見たトゥールーズの街


熱戦が繰り広げられたスタジアムもよく見えた。

トゥールーズからニースへの飛行機はかなり早くから満席だったので、パリ経由でニースへ飛んだ。


ワインとミックスナッツ


ビジネスクラスだったけど、紙コップなのがさみしい。別の路線ではプラカップだったから路線によると思うけど、ビールとワインはプラカップで飲みたい。

いつもはマイカップを持ち歩いているんだけど、この時は持っていくのを忘れちゃってた。

文句言いながらも紙コップでワインを飲み干したけど。

空からの眺めを楽しみながら飲むワインはおいしいニヤニヤ


コートダジュールの海岸線が見えてきた!


同じ飛行機にやはり何人か日本人が乗っていた。

この飛行機に乗り込む時に、CAさんがガンバレニッポン!と声をかけてくれた。日本人みんなに声をかけてくれていた。


無事にニースに到着して、トラムでホテルへ移動。イングランドと日本のサポーターがたくさん乗っていた。途中ですれ違ったトラムはスタジアム方面へ向かうトラムだった。この日はウェールズとポルトガルの試合の日だったから、両国のサポーターでいっぱいだった。


ニースの滞在は短く2泊だけ。イングランド戦を観た翌日には帰路に着くのだけど、この時は、ニースで歴史的勝利の瞬間を見られるかもしれないという期待でワクワクしていた。


つづく