町の至る所にくまモン。かわいー
かわいー
ホテルを出て、小泉八雲旧居に向かっていたのだけど、お腹が空いてきた。
先に何か食べよう。
そういえば、太平燕(タイピーエン)というものをまだ食べたことがない。熊本名物の麺料理だったよなぁ。
Googleマップで検索したらちょうど通り道にお店がある!行ってみよう!
ワクワクしながらお店に到着したら、すっごくたくさんの人が待っていた。これは…人気店なのか。並ぶのはいやだ。やめておこう。
他にもお店はあると思うけど、見つけられなかった。
昨日、博多で食べられなかった一蘭に行ってみようかな。同じ九州だし、本州で食べるよりもクオリティは高いかもしれない。ひと口餃子もつけちゃおう。
と、歩き始めたんだけど、気になるお店がその前に立ちはだかった。
熊本ラーメン
熊本ラーメンて何?博多とは違うの?
私が立ち止まったのは「黒亭」というお店。
熊本ラーメン全般に言えることなのかこのお店独自の特徴なのか分からないけれど、焦がしニンニク油と中太麺の豚骨ラーメンみたい。
これは、入ってみよう。一蘭はまたの機会に。どこにでもあると思うとついつい一蘭を後回しにしてしまう。
後から気がついたけれど、このお店は有名みたいね。空港に黒亭のラーメンが山積みに売られていた。
玉子入りラーメン
玉子は生の黄身2個か、味玉1個か選べるので味玉にした。でも黄身2個も捨てがたかったなぁ。
スープをひと口飲むと、口の中にいっぱいに焦がしニンニクの味が広がった
これは、ニンニク好きには堪らないねぇ。
暑くて汗をたくさんかいてるから、塩分量もきっと大丈夫と、勝手に判断してスープまで飲み干した。おいしかった!
満たされたところで小泉八雲旧居へ。
小泉八雲旧居
入館無料!
熊本地震の復旧に伴い当面の間無料!
分かるような分からないような理由で無料に。とにかくありがたいことだ。
入口で何県から来たのか聞かれて、あとは自由に見学。
そんなに大きくない古い日本家屋で、パネル展示がたくさんあってすごい情報量だった。
小泉八雲といえば、私にとっては「耳なし芳一」のイメージだ。
小学校の時の給食の時間に耳なし芳一の朗読テープが全校アナウンスでよく流れていた。先生がなぜそれを選んだのか謎だけど、結構な頻度で流れていたような気もする。
低学年の頃は、なんだか怖い話というのは理解してたけど、内容まではよくわかっていなかった。
朗読テープの音響は臨場感たっぷりで、おどろおどろしいバックミュージックと共に朗読が進む。芳一がお経を書き忘れてしまった耳が引きちぎられるシーンでは、バリバリというなんともいえない音が響き渡る。
最後の音は耳がちぎられる音だったんだ!と、小学3年生くらいである日突然理解した。
現代なら、給食の楽しい時間にそんな話を流すなんてと保護者からクレームの一つも来そうだし、怖くて学校へ行けないという繊細な子もいそうだけど、昭和時代の話である。
誰も、まったく気にしていなかった
私も、芳一の耳が引きちぎられる音を聞きながら、平気で給食を食べていた。
ああ、懐かしい思い出。
「耳なし芳一」を書いたのが小泉八雲だということを知ったのは、もう少し後のこと。
小泉八雲が日本人ではないということを知るのはさらに後のことだった。
そして「耳なし芳一」を知ってから何十年も経って、今、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)がギリシャ人とアイルランド人の間に生まれたということを知った。日本人女性と結婚したのは知っていたけど。
4人の子供に恵まれたらしい。
小泉八雲の子供達
この写真を見て、すぐにハルちゃんにLINEした。
「ちょっと!小泉八雲の息子がイケメンよ」
「ほんとだ。子孫いるかなぁ」
と言ってすぐさま調べ、
「残念、ひ孫結婚していらっしゃる笑」
とどうでも情報を調べてくれるハルちゃんが大好きだ。
一通りの展示を見終わって、小泉八雲旧居の縁側に置かれているイスに腰掛けながら、この後どうしようかなと考える。
熊本城はあんまり興味がないしなぁと失礼なことを考えながらぼんやりしていたら、ポール先生の言葉が蘇ってきた。
私が、
「この後空港へ行って明日は熊本でラグビーを見るんです」
と言った時、ポール先生が言った。
「フランス人が熊本に行ったら絶対行きたい場所知ってる?熊本城以外で」
「うーーーん、くまモン?くまモンは観光地じゃないか」
「それはワンピースのモヌモン…えーと、何と言う?モヌモン」
「あ!モニュメント?」
「違う、それ英語!」
「えーとぉ、記念碑?銅像?」
「そう!銅像!阿蘇とか、あちこちにある。全部で9個ぐらい」
ポール先生が言うには、2016年の熊本地震で被害を受けた熊本は、ワンピースの作者尾田栄一郎さんの故郷で、尾田さんはたくさんの支援をした。そして、あちこちにワンピースのキャラクターの銅像が建てられた。
「いつか、熊本で全部の銅像を見てまわりたい」
と、ポール先生は語った。
私は、そんなにワンピースは詳しくはない。たまにテレビでやってると見るくらい。
だけど、時間もあるし、阿蘇までは無理だけど熊本市内の銅像を見に行ってみようかな。
調べてみたら、ルフィとチョッパーくらいなら行けそうだ。
チョッパーから行ってみよう。
チョッパーは動物園入口に建っているみたい。市バスの方が近くまで行けるけど、せっかくだから市電に乗ってみたい。
市電と熊本城
レトロな市電から最新型の市電までいろいろ走っている。私が乗ったのは木の床のレトロなタイプ。
バーコード決済やクレジットカードのタッチ決済でも利用ができるようになっていた。ずっとSuicaを使っていたけれど、そろそろ残額が少なくなってきていたので、タッチ決済は助かる。便利な世の中だわ〜。
動物園入口で市電を降りて、公園を歩きチョッパーを探す。
いた!
各キャラクターがそこにいるのには理由がある。
熊本地震で動物園は大きな被害を受けて、動物達は他の動物園へ避難し、熊本動物園は2年8ヶ月もの間休園を余儀なくされた。
ようやく再開したものの、傷付いた動物達の心をケアし、来場する子供達の笑顔を守る為に船医チョッパーがここに駆けつけた。
ワンピースの旗が国旗と市旗に並んでる
銅像を見るだけのつもりだったんだけど、なんとなく動物でも見てみようかなという気持ちになった。
入場料500円を払って中に入ってみる。
ここにもくまモン
ご満悦の表情
動物園は、とにかく暑かった。
入る前に気付こうよ、って感じなんだけど、クーラーの効いた部屋にいる動物達が羨ましかったわ。
いろんな動物がいる中で、私が一番気に入ったのはこのお方。
クモザル!
太い尻尾が5本目の脚みたいに自由自在に動いて、とんでもないぶら下り方でこちらを見てくる。
クモはゴキブリ以上に苦手なんだけど、家の壁にこんなんいたら腰抜かす。
だけど動きがおもしろくてずーっと見ちゃった。汗だくになりながら。
最後にカバを見て心を落ち着ける。
酷暑の動物園を楽しんだ後は、もはやルフィを見に行く元気は残っていなかったので、バスターミナルに戻り、ちょっと早めに空港へ向かう。
空港で着替えて、お土産を買いながらのんびりしよう。
長くなってますがまだつづきます