スマホに頼らない旅②
リスボンでの1日フリータイムの日、テージョ川を渡ってクリストレイを見に行った。『スマホに頼らない旅①』終日自由行動の日がやって来た。とはいえ仕事中なので、勝手気ままに動くわけにはいかない。だけど、今回のお客様は割と自立していて、1日を有効活用しようと朝早くから…ameblo.jpカシーリャス駅へ戻って、程よくお腹がすいている。駅の近くにはレストランがたくさん並んでいる。どこにしようかなまずは駅に一番近いお店から見てみようと近付いていくと、お店の人の方から近付いてきて客引きをしてきた。このお店はダメだ。下調べもしておらず右も左もわからない時の私の判断基準は、まずは客引きして来ないお店。これは外国でも日本でも。で、奥の方へ進んで行くとお店がたくさん並んでいる。ヨーロッパ人にとって、お昼にはまだ少し早い時間だったのでどのお店も空いているようだ。やっぱりシーフードがいいよねぇ、と思いながらお店の前に出ているメニューをのぞいてみるのだけど、メニューの前に立った瞬間お店の人が近付いてきて声をかけてくる。声をかけてくれるのはいいのだけど、そのタイミングが大事である。まだメニューを見てないのにすぐさま声をかけてくるようなお店は避けたい。お店の人達も暇なのか私が歩いていくのを遠くからじーっと見つめて待ち構えているようだ。うーん、なかなかこれっていうお店が見つけられないなぁ。そんなことを思いつつレストラン街の一番奥まで歩いてしまった。それでも何店舗か候補を見つけたので、戻りながら決めようと思った時、目の前に観光案内所があるのが目に入った。ちょっと入ってみよう。「ボアタール。ランチを食べようと思うんですが、この辺のレストランがいいですかねぇ。」「はい。この通りにはシーフードレストランがたくさんあります。週末にはリスボンから食べにくる人達もたくさんいます」「やっぱりシーフードがおすすめですか?」「あなたが食べたいものならなんでも。肉もありますよ」どっちでもいいってことね。ま、多くの日本人にとってシーフードはご馳走のイメージがあるけれど、海外では魚介嫌いな人って結構いるものね。どのお店がオススメかは尋ねなかった。どこもおいしいよって言われそうな気がしたから。ふと、カシーリャスの地図が目に入った。クリストレイには行っちゃった後だから今さらだけどせっかくなので地図をもらってみた。港から坂を上って行ったほうに街の中心があるみたい。インフォメーションの人がオススメコースを教えてくれた。まずランチを食べて、それから散歩してみようかな。インフォメーションを出て、先ほど目星をつけていたレストランへ向かった。ここのレストランの人は私がお店の前を通る時に遠慮がちにボアタールとあいさつしてきただけだったからなんとなく信頼できる気がした。お店の前にあるメニューを見ていたら、お店の人が近付いてきて「実物を見たほうがわかりやすいよ」と言って店先に並んだ魚を見せながら色々説明してくれた。うん、おいしそうだ。でも時価だったらどうしよう。一応値段を聞いてみたら、メニューを開きながら教えてくれたので、ぼったくりの心配はなさそうだ。席に着くと飲み物は何がいいか聞かれたので白ワインをオーダー。とりあえず白ワイン軽く発泡している。ポルトガルのヴィーニョヴェルデかな。「緑のワイン」という名の若い白ワイン。日本でも売ってはいるけれど種類はそんなに多くないからポルトガルへ行くたびに買い込んでくる。ワインを飲みながら料理が出来上がるのを待つ。テレビがついていて、FCポルトの元会長?が87歳で亡くなったというニュースをやっていた。柩がスタジアムに運ばれてきてたくさんのファンや関係者が見守る中セレモニーが行われていた。お店の人もチラチラとテレビに注目していた3日前にポルトのスタジアムの前を通りながらお客様にご紹介した。確か5万人くらい収容できる大きなスタジアムだったはず。(ガイドさんが英語で説明するのを訳すだけだからあまりちゃんと覚えていない)テレビに映し出される人の多くがサングラスをしている。遺族なのか関係者なのかわからないけれど故人に近しいと思われる人達もサングラスをしている。こういうの、日本だと不謹慎と言われちゃうのかもしれないけれど、涙を見られたくないとかあるのかもね。冠婚葬祭には文化の違いが大きく出てくる。そういえば映画でもお葬式でサングラスしている場面を見たことあるなぁと思い出した。テレビでセレモニーを見ながら待っていると、まず付け合わせのサラダとポテトが運ばれてきた。新鮮なサラダと揚げたてのカリカリホクホクのフライドポテトだ。野菜がちゃんと生きているこういうところに手を抜かないお店は絶対にいいお店だ。アタリのお店だ。ご機嫌でポテトを食べながらさらに待つと、シーフードグリルが運ばれて来た。シーフードの串焼きが吊るされて出てきた!エビの間にある白身の魚はアンコウ。ポルトガル人はアンコウをよく料理に使う。ポルトガル語でタンボリールという。食べ物に関してだけ語学力を発揮する私。一番下は人参で、おそらく吊るした時に魚が抜けてしまわないようにしてあるのだと思う。お店の人が最初のいくつかをお手本に外してくれた。旨みたっぷりでおいしいこのお店を選んで良かった。食べている間に他の席もお客さんでいっぱいになった。食べながら他のお客さんが頼んだものをチラチラとチェック。タコのグリルもおいしそうだ。バカリャウアブラスを頼んだ人もいる。絶対においしいに決まっている。ポルトガルでは365日違うバカリャウ(干し鱈)料理を食べられるくらい種類が豊富ににあると言われているが、私はバカリャウアブラスは一番好き。一番一般的なバカリャウ料理でもあるので食べられるお店は多い。あっちもいいなーと、他人の食べ物を羨ましがりながら完食。大満足。「コーヒーはどう?」と聞かれたので「ウン ピンガード ファシュファボール」と、そこだけポルトガル語で頑張ってみる。ピンガードとは、エスプレッソコーヒーにミルクが入ったものだ。イタリアでいうところのカフェマッキャート。店主がニヤッとしながらピンガードを運んできてくれた。そしてお会計。シーフードグリルが15,5ユーロだということは最初に確認して知っていたけれど、ワインとコーヒーは値段も分からずに注文した。席料とかサービス料とか加算されるかもしれないし30ユーロくらいかなぁと予測してみたのだけど、なんと20,10ユーロだった。安い。日本の感覚で考えたら安くはないけれど、今の世界の基準で言うと安い。とても良心的だ。チップ込みで23ユーロ払ってお店を後にした。いいお店だったなぁ。さてこれから観光案内所の人が教えてくれたコースでお散歩だ。つづく
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