目覚めて窓を開けると少し肌寒い空気が部屋の中に流れ込んできました。

見下ろした道には濡れたアスファルトがいつもとは違った色を見せています。

どうやら夜半過ぎから雨が降り始めたようです。

そういえば夜中にうつらうつらした時に静かなささめきを聴いたような気もします。

今はまだ降ったり止んだりを繰り返しているようですが、これから本降りになるらしいです。



その咲き具合を競った桜の花もこの雨で散っていってしまうのでしょう。

水溜りなどに広がる桜の花びらの数が増えて、それがまたひとつの季節の姿なのかも知れないですね。

今年も実際には見ることが出来なかった桜並木、桜で埋まった公園、河原の桜の波、波。

風が吹くたびにざぁと花びらが舞い、ハラハラとスローモーションで落ちてくる風景の中にいられないことが少しさびしい思いです。



こんな時思い出すのは高校時代の淡い思い出。

学校からの帰り道、いつもあの人と語らった桜の舞う公園。

花びらが彼女の制服の肩にはらりと乗って、その紺のブレザーの色をサクラ色に染める。

紺にサクラ色が妙に映えて、そのコントラストが妙に目に焼きついていたりします。

はらりと彼女の髪に着地した花びらを軽く払ってあげようとした私に、ちょっとビクッとして身体を固くした初々しい仕草を今でも覚えています。



桜が咲いて散っていくほんの短い季節なのに、思い出だけはたくさん残っているものですね。