妖女伝説 1 (集英社文庫―コミック版)/星野 之宣
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星野宣之先生のかなり昔の作品です。

いくつかの短編や長編によって綴られる作品集と言って良いかと思います。

この作品集の中の一番の顔は、長編となっている「砂漠の女王」になるかと思います。


古代エジプト王朝最後の女王クレオパトラが王家の秘法をもって三度再生するという話。

再生後のキリストとの出会いなどとても興味深く描かれています。


しかし私が一押ししたいのが短編「月夢」という作品。

日本人として初めての月面着陸を達成しようとする時、歴史雑誌の取材を受ける生ける伝説と言われる八百比丘尼。

彼女の語りを中心に話は進みます。

彼女は800年生き続けていると言う。

最初は嘘くさいとして聞いていた記者たちはいつの間にか話に引込まれていく。

そして彼女の話は「竹取物語」のような内容になっていく。。。


この「月夢」は本当に凄い作品だと思います。

まさにSFロマンという研ぎ澄まされた結晶になっていると私は思っています。

この作品を読むだけでも「妖女伝説」は読む価値があるとさえ思えてくるのです^^


ちなみに「月夢」が収録されているのは文庫版の2巻のほうになります。