今人気の「乙嫁語り」の作者、森薫先生の作品です。
アニメにもなったから、こちらも有名といえば有名なのかな?
時はヴィクトリア朝時代のイギリス。
とある老婦人のメイドとして暮らしている女性エマ。
その老婦人の元を貿易商の息子ウィリアムが訪ねるところから物語ははじまる。
エマのことが気になる存在になってしまうウィリアム。
いろいろな苦労の末、デートに誘ったりするのだが、立ちふさがるのが身分の差のこと。
ウィリアムはもちろん気にしないが、父がそれを許すはずもなかった。。。
そんな身分を越えた愛を綴る大河恋愛ドラマになっています。
ストーリーはありがちとも言えますが、主人公である二人をとりまく人間がいいです。
老婦人、仲間になるメイドたち、ウィリアムの兄弟、父、母、その他の貴族階級の人たち。
それらがまるでいろいろな小さな物語を織り成して、この物語を形作っています。
それらの登場人物に焦点をあてたサイドストーリーも良い話になっています。
そして語らなければいけないのが、当時のイギリスの描き方。
ファッションであり、建築物であり、馬車や風景まで。
その描き込みはかなりのものです(その描き込みの流れは「乙嫁語り」に引き継がれますね)。
その絵を楽しむだけでも損をしないのではと思えます^^
とにかくもどかしいくらいの純愛物語。
ひと時ヴィクトリア朝イギリスの旅を楽しんではいかがでしょうか^^