サイコロは6面にそれぞれ1~6の数字が割り振られていますが、この数字が1から6ではなく
A: 0,0,4,4,4,4
B: 3,3,3,3,3,3
C: 2,2,2,2,6,6
D: 1,1,1,5,5,5
という偏った目をもつ4つのサイコロABCDのセットのことをエフロンのサイコロと呼びます。
このエフロンのサイコロは何者か?ですが
二人でサイコロを振って出た目の大きさ勝負をしましょう。普通のサイコロ同士だと当然勝つ確率は50%です。このエフロンのサイコロだとどうでしょう。
AとBで勝負すると、Aは4が出れば勝ちで0が出れば負けますので、Aが勝つ確率が2/3でBが勝つ確率は1/3です。Aが有利になっています。(A>Bのように書くことにします)
BとCでは同じく2/3の確率でBが有利に(B>C )、
CとDでは2/3の確率でCが有利に(C>D)、
DとAでは2/3の確率でDで有利になります(D>A)。
つまり、A>B>C>D>Aと四すくみの関係になっているサイコロというわけです。
(参考: 確率パズルの迷宮 岩沢宏和 日本評論社)
このサイコロで勝負することがあったら相手に先に選ばせて、それに勝つ確率の高いサイコロを選べばいいってことです。
ちなみにA<C、B=D(五分五分)になっています。表にするとこんな感じ。Cが一番優秀なのかな。
勝負事は相性も大事だということを教えてくれます。
他にも色々考えてみましょう。
このサイコロの中から2個選んで合計の目の大小で勝負するとしましょう。
2つのサイコロを振った出目のパターンは6×6=36通りです。
例えばAB対CDだったら、ABの出目の内訳は3が12通り、7が24通りです。CDは3が12通り、7が18通り、11が6通りです。
対戦結果は36×36=1296通りあります。このうちABが勝つパターンは288通り、CDが勝つパターンは556通り、引き分けが432通りです。CDの勝ちが2/3とCDが有利になっています。
という感じでAB, AC, AD, BC, BD, CDの6組の対戦の優劣を計算してみたのが次の表です。
表をぱっと見たところACとかBCが強そうですね、Cはやっぱり優秀なのかな?Aが弱いですね。
1セット4つのサイコロを2人で2つずつに分けて勝負となると、AB<CD, BD=AC, BC>ADとなっていますので、この場合はAは取りたくないです。Cを自陣にいれたい所ですね。
もっと色々考えてみましょう。ここからが本題です。
普通の1, 2, 3, 4, 5, 6のサイコロ同士で勝負するともちろん勝率は五分です。
エフロンのサイコロと普通のサイコロを組み合わせたらどうでしょう。
同じものを追加しても何も変わらない気もしますが、変わっちゃいそうな気もします。
普通のサイコロをNとして、AN, BN, CN, DNの4組の対戦の優劣を調べたものが次の表です
さて、特筆すべきはAN<BNとBN<CNです。
1個ずつの対戦の時はA>Bだったのに、Nが両チームに加わったらAN<BNになっちゃうのは面白いですね。BとCでも同様です。
どうしてこうゆうことが起こるかというと、要するにダメ押し点とか追い付かない程度の反撃点は意味がなく、逆転の殊勲打をいかに打てるかが大事ってことです。
Bは個人ではAに負けていても、Nのサポート役としてはAより優れているともとれますね。
最後にAA,BB,CC,DDの対戦を調べてみました。
1個での勝負では明確な相性があったんだから、同じもの2つにしても変わらないでしょうか?
いややっぱり変わりそうです。調べるとこんな感じです。
注目はAA<BBとBB<CCですね。
シングルでは勝っていてもダブルスになるとABCの力関係が全く逆になっちゃってます。コンビネーションはとても大事だと教えてくれます。
Aはとにかく連係プレーとなるとダメダメみたいです。
今日わかったこと
・相性は大事です
・自分一人よりも他人のサポート役に徹して力を発揮する人もいます
・個人の能力が上回っていてもチームプレーで力を発揮できなれば台無しですし、逆にコンビネーションプレーで格上の相手を倒すことも出来ます
エフロンのサイコロは色々な事を教えてくれるんですね。