これは「次元の中の形たち (戸村浩 著)」より、継ぎ目のない紙でできた絡まったリングです。数学セミナー1976年11月号にも掲載したものらしいです。
 

二つの紙の輪を絡ませることはできるはずがありません。どうやったの?

 

参考文献

●次元の中の形たち 戸村浩 著 日本評論社

 

これは紙から作ってるんですね。
紙から作るのは反則???

別にルールがあるわけではありませんが。

ということで、紙から作るのはここでは禁止にして、紙・カードを使った不可能物体を見てみましょう。

トランプ細工

トランプでつくった鎖です。

「コロンブスの卵」に作り方があったので作ってみました。

紙のトランプでしかできません。というと大体わかっちゃいますね、これは不可能物体ではないかもしれません。

 

参考文献

●コロンブスの卵 トリック 遊び 実験 エディ・ランナース著/小西宏明 訳/磯田富夫訳/松本夏樹訳/藤本佳志訳 朝日出版社

 

 

パズル工房葉樹林のホームページを見てみると、
葉樹林通信No.15にトランプに切り込みを入れて細工した不可能物体が色々あります。
MUSEUMのページには他にもお札を使ったものもあります。

ブログPUZZLE of MINEには

ペーパーリングトランプカード細工があります。
「帯状の切り込みの途中は切断されておらず、帯の両端はカード本体とつながっている」ということで不可能物体ですかね。

作れそうなものを自分で作ってみました。

お土産にもらったいらないトランプがあったのでそれで作ったのですが、
表面に柄があってすごく分かりにくい・・・、大失敗です


折り紙で作りなおしました。わかりやすくなったかな。



さて、こういったトランプ細工は、複雑になるほど可能か不可能かの判別がつきにくいのが問題ですね。
パッと見て不可能だとわかることはやはり大事です。ちなみに一番左のものは可能物体です。

だからネットで見ていると他にも複雑な不可能カード細工、お札細工はあるんですが、それらはアートとしては良いのですが、そもそも不可能なのかって所がよく分からなくなってます。だから不可能物体としては中々難しい所があります。

シンプルなものでとなるとバリエーションは限られてきますね。その点で瓶詰め不可能物体は優秀なんだなーと思います。

 

てことで、トランプ細工はこの辺で終わりにします。


編みこまれたお札

上下が繫がったままで、お札で三つ編みを作ったもの。

これは有名なのでそんなに難しくないです。


参考文献
●THE PARADOX BOX 逆説の思考 (別冊サイエンス26)  日経サイエンス社:皮の三つ編み
●パズルの世界: 解き方・つくり方101例 ジェリー スローカム, ジャック ボタマンズ 著、芦ケ原 伸之 翻訳 日経サイエンス:皮の三つ編み
●世界のパズル百科: イラストパズルワンダーランド  井上うさぎ著  東京堂出版:皮の三つ編み
●数学セミナー 2010年8月号 日本評論社

●Theメカニカルパズル130: 解いて嬉しい!集めて楽しい! 難解パズルにあなたも挑戦! (別冊ベストカー):三つ編みこんにゃく

などなど、他にもたくさんの本で取り上げられているはずです。紙以外も色々ありますが、こんにゃくは面白いですね。

 

トランプに刺さった手裏剣

 

上で挙げた葉樹林通信No.15にもトランプにフォークが刺さったものがありましたが、

パズラボwebShopにはトランプに刺さった手裏剣が売られています。

手裏剣とトランプのサイズ、穴の場所とサイズから作れるはずのない不可能物体です。

どうやって作るのでしょう?

 

2024.12.26追記

次の紙細工も作り方がわかったので作ってみました

オレンジ色の輪っかが白い台紙の切れ目を通っています。

輪っか部分は切れ目や継ぎ目は無く、くるくると回すことができます。どうやって作ったのでしょう?