6枚組木

(画像は「キューブパズル読本」より)
 

上の画像は十字型の板6枚を組み合わせたものです。

十字の長い方の先端近くにに板の厚みと同じ幅の溝が刻まれていて互いに外れないように組み合っています。
普通に組むと最後の一枚が入りません。どうやって組んだのか?というパズルです。
ワイアットの「Draftsman's Dream」という作品で、「パズルその全宇宙」「キューブパズル読本」に載っていて、作り方の種明かしも書いてあります。


(画像は「からくり箱 亀井明夫作品集」より)
 

こちらはからくり箱の製作者として著名な亀井明夫氏の作品です。

亀井氏は下記の文献で「6枚は全く同じ形をしています。さあ、どれから組めばよいのでしょうか?」と書いています。

木の使い方から、さっきと同じ作り方では出来ません。
さてどうやって組めばいいのでしょうか?

参考文献
●パズルその全宇宙 ジェリー スローカム, ジャック ボタマンズ 著、芦ケ原 伸之 訳 日本テレビ放送網:Draftsman's Dream

●KARAKURI箱 AKIO KAMEI ART WORKS 亀井明夫作品集 発行元 安兵衛:亀井の六枚組木

●キューブパズル読本 秋山久義著 新紀元社:Draftsman's Dream、亀井の六枚組木


千鳥格子

(画像は「太陽 1981年7月号」より)
 

縦の木と横の木が編んだように互い違いになった不思議な格子を千鳥格子といいます。

普通に組もうとしても組めない不可能物体です。

 

岐阜県高山市の軽岡峠の地蔵堂にはこの千鳥格子が使われていて、千鳥格子御堂とも呼ばれます。

高山市の案内では

今からおよそ350年前慶長元和の頃、この地区の了宗寺を建てた名工飛騨匠某が、その餘材で旧軽岡峠の辻に地蔵堂を造った

とあります。
飛騨地方にその技術は受け継がれていて、飛騨の匠文化館では継ぎ手や木組みの見本展示をしており、パズルのように千鳥格子を組むことのできる体験コーナーもあります。「飛騨組子」や「ねじれ組格子」とも呼ばれるようです。
千鳥格子のキットを売っているお店もあります。(わにくらふとまるっとプラザ

 

郷土館の千鳥格子(「物理の散歩道 第四」より)

 

参考文献

●物理の散歩道 第四 ロゲルギスト著 岩波書店:著者が飛騨高山の高山市の郷土館に千鳥格子を見つけ、その作り方を解明するまでが書かれている

●太陽 1981年7月号 no.221 特集 パズル200集:山中成夫氏の作品

●新・飛騨の匠ものがたり 協同組合飛騨木工連合会
●エンジニアがつくる不思議おもちゃ しくみを考え、楽しむ本 大東聖昌 著 工業調査会:千鳥格子の作り方

 

また、京都の清水寺の夜叉神堂にも同様の千鳥格子があります。


魔法の輪(竹の不可能一輪挿し)

(画像左は「Play Puzzle 3」より、右は「楽しい竹細工」の表紙)

 

左の画像は「魔法の輪」という名前で市販されていた一輪挿しで、竹が知恵の輪のように組まれています。

特に輪っかになっている部品にそれより太い節の部分が通っています。さてどうやって作ったのでしょう。

 

「知恵の輪読本」によると、

1745年の書物に、図だけで詳細は不明だが、同じ原理のパズルがあると書いてあります。

 

「楽しい竹細工」には表紙にある同様の不可能物体が載っています。

●Play puzzle Part3 パズルの百科 高木茂男著 平凡社:作り方の考察
●楽しい竹細工 美と強度を求めて 江並忠典著 文芸社:詳しい作り方
●知恵の輪読本 その名作・分類・歴史から解き方、集め方、作り方まで 秋山久義 著 新紀元社