sloppenのブログ

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Memories of Life 人生の追憶
妻 夏子に捧ぐ。50代夫婦の 知り合ってからの30数年
の出来事を夫目線で書いています。

Amebaでブログを始めよう!

京都から新幹線で新横浜に戻る。

今日も多くの人たちが行き来する。

こんなに多くの人たちがいるんだ

と言うことを今更ながらに再認識する。

皆、顔には出さないが 

それぞれいろんなものを

抱えて生きているんだろう。

 

午後5時頃
夏子が最寄り駅まで迎えにきてくれた。

Ken おかえり、

夏子 ただいま。

美智子さんは? 

元気に帰って行ったよ。

もう大丈夫だと思う。

そう、よかった。
 
お前にどうしてもお礼がしたいって

言ってたぞ。

メール教えて、私から連絡して見る。 

そうか? じゃあ後で教える。

家のガレージに車を入れ

勝手口から家に入る。

リビングに行くと
夏子が無言で後ろから抱きついてきた。

振り返ると

首に手を回して俺の口に吸い付いて離れない。

何も言わず 抱きしめる、

そのまま お互いの服を剥ぎ取る。

抱き合ってソファーになだれ込む。


今日の夏子はいつにも増して激しい。

二日連続のダブルヘッダーだ。

俺の体力ももう限界だ。

お互い抱き合ったまま寝てしまった。

目がさめると夏子はまだ寝ている。

昨夜は寝れなかったんだろう。

贔屓目に見れば知り合って間もなかった

19歳の頃のような幼い表情をしている。

 

でも こんな激しくも可愛いセックス

をする夏子を見たのは初めてだ。

ますます好きになった。

この後 夏子と美智子はメールのやり取り

から電話をするようになり俺の知らない

ところで一度会ったらしい。


何を話したのか。
その後どうなったのかは知らないし 
聞いてもいない。


 

 

その後 10年余りの月日が過ぎて行った。

それも 思い返してみると 平穏ではなかった。
夏子の実家の一家離散、自家の整理。
その影響からか夏子のうつ病が発症 

完治まで2年
その後 夏子が燃え尽き症候群のように

なり8ヶ月別居(夏子 単身赴任的別居?)

私の母親の入院手術 などが立て続きにあった。
(前 Autumn 2012)

 

今から考えるとその時は大変だと全く思わず
良い方向に解決することだけに集中していた

気がする。
これは俺が超前向きで気楽な性格だからか

もしれないが。

 

それを間近で見て親に協力してくれた 

息子の了平と娘のミクも大学入学と同時に

一人暮らしを始めた。この経験も少しは

何かの役にたてればいいが。卒業した今は 

それぞれしっかり独り立ちしているようだ。

 

本当にそうだといいのだが

まあ大丈夫だろう 

 

今はとりあえずは平穏でノンビリできる

ようにもなった。

夏子はやっと肩の荷が下りたね。

とは言うものの

これからまだまだ色々あるだろう。


今は 私が 50代後半になり

夏子も50代前半だ。2人が

知り合って30数年が過ぎた。

あと20年くらいは一緒でいられたらと

思う。


これからは働き盛りの人たちや

子供たちの時代だ。早めに

若い世代にバトンを渡し年寄りは

裏方に回るか退場した方が良さそうだ。


私は昨年末にセミリタイヤした。

収入は1/3になったが 自由な時間が

増えたので

2人で日本全国を車で旅することにした。

今年の秋は北海道にいる予定だ

それと 健康のため 2人で

週3回 市民プールで2時間の水泳を再開した。

シェイプされて健康的になって来たと実感する。

とりあえず今だけはこの2人の時間を

楽しみたいと思う。


私の個人事務所のオフィスで

BGM代わりに流しているFM TOKYOから

MR. CHILDRENのINNOCENT WORLD

が聴こえる。25年くらい前の曲だ。

リリース当時はそれほど気にもしてい

なかった。
それがその15年ほど後に聴いた時この

曲への解釈が変わった。
この曲の音楽構成 

アレンジメントもさることながら

その歌詞 “窓に映る哀れな男。。。

Mr.Myself”

と自分自身を揶揄し、内面に向いている

ところなど

それが41歳から46歳の頃

(今から 約11年ほど前)仕事で大きな挫折

( 第2章 Winter 2002)を経験し家庭を放置し 

離婚の危機にあった当時の私の心境と

似ていたとゆうのもあると思う。


ライブラリーからミスチルのCDを引っ張り

出した。今日のオフィスのBGMはミスチルの

ヘビーローテーションだ。


京都市内から山間部に入った
ロッジに一泊することにした。

今日は友達のところに泊まることにして
るから時間は気にしないで。

夏子の顔が浮かぶ 
(心の中で夏子に詫びる)

昔のように

一緒に夕食を作ろうと、スーパーで食材を買って

山の匂いがする開放的な ロッジのデッキで炭をおこして焼肉を食べた。(料理じゃないけどな)

昔も同じように焼肉食ったな などと

色々と昔話をする。

 

そういえばあのとき持って行った俺のスタジャン

(BADWINのヒューストン オイラーズのやつ)

まだ持ってるのか?

 

うん、息子が着てる。w

 

マジか?w まあ、古着屋で買ったビンテージだと思えば

な。

 

実家に置いてたんだけどね。

整理してたら出てきて、もったいないからと

思って息子に見せたら気に入ちゃって。w

 

そうか、なんか複雑っていうか?ちょっと罪悪感みたいな?w

 

いいのよ、あれはKenが着てたものだから一生の思い出

のつもりで持って行ったけど、

今はそこまでこだわってないし、

古いものを大事にするってゆうことでね。w

 

そうだな、魂入ってるわけでもないし

それくらい使う度量もないとな?w

 

Kenならそうゆうと思ってた。w

 

 

(中略)

それから 2人で一緒に風呂に浸かり

思い出に浸りながら

朝まで 何度も行為をした。


もう 美智子は吹っ切れた顔だ。

夏子さんに よろしくね。

ああ。

また連絡していい?

いや もうやめよう。

そう言うと思った。冗談よ。
でも夏子さんにはお礼が言いたい。

夏子には話しとくよ、
余計な気を煩わせたくないから。


もう身を焦がすなんてゆうのは
無くなったんじゃないか?

うーん。今日抱いてもらってスッキリしたから 
そうゆうのは少し薄れたけど 
 Kenのことはもっと好きになっちゃった、

どうしよう。w

忘れてくれ。w

無理、忘れなれないよ。

とにかくうまくいっている夫婦なんだから
より理解が深まればお互いにもっと

好きになるよ。
うちもそうだったし。お願いしますよ。w
それに 俺が出来ることはもうないし。

冗談よ      わかった。w


聞いていい?

ああ、

また私を抱きたい?

正直にゆうと抱きたい。でも もうしない。

また私に会いたい?

それも正直にゆう、会いたい。
気を悪くしないで聞いてくれ。
ミッちゃんのことを好きな気持ちは

変わらないけどもう会えなくても 

それは寂しいけど辛くはない。

でも夏子と別れることは

考えられないほど辛い。

そうか
 夏子さん幸せだね。

本当に心の底から幸せなのかどうかは正直 
俺にもわからん。俺は幸せだけどね。

今は幸せなんだろうなとは感じるけど

こればっかりは怖くて聞けない。


Kenでも怖い事あるんだ。w


こればっかりはね 聞いたらいけないような

気がしてね。

見ててわからないの?とか怒られそうで。w


Kenも結構可愛いとこあるんだね。w


まあね、w  惚れた弱みだな。

それに

あいつは苦労人だから。

幸せになってもらわないと立つ瀬がないよ。

夏子さんの生い立ちとか 

同情の気持ちもあるの? 

いや夏子には感謝と愛情しかない。。
大げさじゃなくて 

今 俺がなんとかやって行けてる
のもあいつのおかげだ。


Kenやっぱりいい男ね。
無理やり押しかけででも一緒になって

おけばよかった。w

やめてくれ。w

あと1年早くお母さんが 

助け船出してくれてたら
Kenと一緒になれてたかな?


うん 一緒には なれてたんじゃない

かと思う。

でも ミッちゃんは

今の旦那さん と夫婦やってるほど充実

はしてなかったんじゃないかな


それ 私も同じこと考えてた。

 

だろ?

 

俺の人生も平凡にやってきたと思ったけど

考えてみると

ジェットコースターみたいなもんだった。

夏子もそうだった。

お互いそれに付き合って馴染んだようなところもあるしね。


俺は占いとか信じてないけどさ、
この前シャレで 
動物占いとゆうのをやってみたんだ。
どんな ものなのかちょっと興味があって。
普段なら こんなことしないんだけど。

うん Kenにしては珍しいね。

まあ シャレだけどね。

俺はベガサスだった。
唯我独尊の自由人だってさ

そこまでじゃないけど

当たってる気がする。

うん 当たってるよそれ。

そうなんだよな。

占いによるとペガサスと合う動物は

少ないみたいだね。

美智子は ゾウ だそうだ。ペガサスとは

まあ条件付きで
合うところもあるみたいだけど。

夏子はライオンなんだ。これもまあ 

同じようなもんらしい。

占いなんて気休めみたいなもんだって

思ってたけど。
ペガサスの特徴は 結構 

俺に当てはまってるし

美智子の ゾウも大体当たってる気がするし、

夏子のライオンも大体あったてる気がする。

ただ、基本的にはそうだとしても
夏子とは人生のバックグラウンドとゆうか
人格形成時に強く出てきた特徴が偶然 
うまく噛み合ったのかなとも思う。
パズルのピースみたいにね。

あいつは何でも真剣に考えすぎる
ようなところがあるし
真っ直ぐだけど 
全てにおいてものすごく慎重なんだ。
基本 怖がりで臆病だし。
付き合い始めた頃は
石橋を叩いても渡らないようなところがあった。
それでいて気が強いし情に厚いし我慢強い。
だから色々溜め込んだりもしてたけどね。
でも時にものすごく大胆になるところもある。

俺と一緒にいるとまあいいかーって
気持ちが楽になるみたいだ。
あいつに言わせると俺は超前向きで
気楽な人間らしい。
何があっても動じない安定感があって
安心するらしいんだけど
本当は全然そんなことは無いしね。

まあ期が熟すまではじっとして

何もしないから

そう見えるのかもしれないけど

 

だから2人を足すとうまく
補完しあえてるような気がするし。
夏子も若い頃に比べると今はおおらかだし。
歳をとって苦労もしたし
経験も積んで肝が座ったところは

あるだろうけど。

お互いなんでも言える親友みたいなところとか
付き合った当初からお互いが
お互いの人間性みたいなものを無条件で
好きになったって言うか。
愛称といえばそうかもしれないけど
とにかく一緒にいてお互い

いつも自然でいられる。
これはうまく説明できないけど。

やっぱり夫婦、よくわかってるね。
Kenも幸せそうで良かった。

でも 今日私と会ってみてやっぱり

しっくり来ると思わない?

しっくりは来るね。まあ、でも、、、。

わかってる。
気持ちは心にしまっておく。
主人を愛してることは本当だし。
私は夏子さんにはかなわないけど
Kenが好きでいてくれたことが

わかったから それで十分。

会えてよかった。

その後しばらくお互いの近況のことなど

談笑し  京都駅前に移動し カフェで休息する。

Ken,会いにきてくれて 本当にありがとう。

いや、俺の方こそ、ありがとう。
こんな展開は予想してなかったけど
会えてよかったよ。借りを返せた気分だ。

私のこと忘れないでね。w

忘れようにも 忘れられないよ。w

夏子さんにはかなわないけど、

私もKenの一部になれたかな?

ああ、もうなってる。

嬉しい、ありがとう。

俺の方こそ、ありがとう。

(夏子が言った美智子とセットと
  言うのはこうゆうことだったのか?とひとりごちる)

それじゃ私そろそろ帰るね。

Ken 元気でね。

ああ、元気でな ミッちゃん。

京都駅前のカフェで手を振って別れた。
後ろ姿の美智子は泣いていただろう。

一人残ったCAFÉでコーヒーをすすりながら 
22年前のことを思い出していた。
Caféのスピーカーからは

Phil Collins の Do you remember 

が聞こえる
頭の中で反芻した。
俺たちはこの歌のように 

一緒にはなれなかったし、
なるべきでもなかったんだろう。
 

ミッちゃん?

なに?

旦那さんには悪いと思ってるか?

うん、もちろん悪いと思っている、
愛してるし。感謝してる
Kenが考えてることわかるよ
でも私が踏ん切りつけるために
無理を言ってることもわかってる。



そうか。俺は男だから
旦那さんのことを考えるとね。
もし 夏子が美智子と同じ立場だったら、
消化し切れる自信がない。
それもあって会わないほうが
いいと思っていた。


でも
今日で忘れることにする。
忘れられないけど。
Kenが好きでいてくれたこと
がわかっただけで十分
このあと 私の不義理を
愛情にして主人に返すつもり。

 


そうか、安心した。

場所を移動し 平安神宮に少し立ち寄り
お参りして 祈る 賽銭を投げる。

ミッちゃん?

何を祈ってたんだ?

ふふ、秘密。

 

 

京都大学の近くのレストランに行き夕食をとる。

学生のカップルも多い、昔を思い出すようだ。

落ち着いた雰囲気でゆっくり話を始めた。

あの時お見合いで結婚することにしたって
手紙に書いてたよね。
旦那さんのことは最初から好きだったのか? 

初めてあった時はまだKenと別れて
1年くらい経った頃。
それまでいくつかお見合いがあったけど、
私が全部断ったし、
主人に対しては初めて会った時

この人ならと思った。

お見合いの後でね、
まだ私も若かったから3年は普通
につき合わせて欲しい、
それでお互いが結婚したければ
そうしたいって。

お父さんは早く結婚させたがっていたけど、
私はお父さんのおもちゃじゃないって
初めて思いっきり反抗した。
それでお母さんが助けてくれて。

面白かったよ。お母さんがね、
私も好きな人から無理やり
引き離されてあなたと結婚した、
だから娘には同じことはさせたく

ないって言ってくれてね。

お父さん亭主関白に見えてお母さんを
大好きだから落ち込んで、

俺のことを愛してなかったのかって?

お母さんはっきり言ったのよ、
最初は愛していなかった。
でも一緒に暮らして、
お父さんもよくしてくれて
だんだん好きになっていって、
お兄ちゃんと私が生まれて 
今はお父さんと結婚してよかったと
思ってるし幸せよって。

お父さん泣いちゃって大変だったのよ。

ははは、 そうか。男は女に弱いからな。

それでお父さんだいぶ落ち着いてきて、
もし美智子が今でもKen君のことが好きなら
一度連れて来いと言ってくれたけど
1年以上経ってるからもう遅いよね。

ああ、
もう夏子と付き合ってたなその頃は。。

それに 私も落ち着いて考えてみたら
Kenとお父さんは合わないと思ったの。
Kenは決められた常識とかにとらわれずに
他人の目とか気にしないで
自由に生きるタイプでしょう?

そうだな。

お父さんは昔からの因習に
縛られた家柄重視の人だから、
やっぱり親の愛情も大切だし 
家族としてうまくやっていきたかったし
そこまで譲歩してくれるなら
私も譲歩しようと思って。
もうお別れの手紙送って
1年以上経ってたしね
だから縁がなかったんだと
思うことにした。

確かに縁がなかったな。

最初はね、
家出してでもkenのところに行こうと思ってた。
でもお母さんに気持ちはわかるけど、
好きなだけじゃ上手く行かない。
結婚は長いマラソンみたいなもんだから
今くっついてもkenくんも若いし、
かえってプレッシャーもかかるし 
最後まで持たない。
お父さんもあんなだから無理やりに
事を進めるとKenくんにも迷惑がかかるし
良い結果になるとは思えないって。

お母さん俺のこと知ってたんだ。

うん
Kenのことはお母さんだけには話してたから。
味方にはなってくれた。

お母さんも私と同じで好きな人から
引き離されて結婚したから
私の気持ちは痛いほどわかる。

でも

あんなお父さんでも今は愛してるのよ。
自分勝手で表向きは亭主関白だけど、
私には優しいし、家族も大事にしてくれるし、
浮気もしないし、堅実だし 
何不自由ない暮らしもさせてくれて 
私のわがままはなんでも聞いてくれる、
考え方は狭いけど娘には幸せになって欲しい
とゆう裏返しで厳しいだけだから。

その話を聞いて、
私は親に迷惑をかけられないと思って
家出しないことにした。
うちはそうゆう家柄だからそれを守る
ことも長女の義務だと思ったし、
少しは大人になった感じかな。

主人とお見合いして2年後に
結婚を決めたけど 
いい人で好になってたし、
やっていけると思ったから。
でも、
Kenへの気持ちは

全く別のものだから。

夏子に 
あんたは女の気持ちがわかってない
と言われたけど、やっぱりわからん。
なんとなくイメージはできるけど。
少なくとも俺は

そうゆう感情にはならないからな。

だと思う、

今日だけ
あの日の続きをさせてくれる?

 

 

 

美智子の希望で 昔デートした嵯峨野に

行くことにした。

駅前でレンタカーを借りる。


京都はバスの交通網が発達している。
どこにいても公共交通機関で移動

はしやすい。ただ 駐車場も

充実しているから 

車の方がはるかに便利だ。
この辺りは鎌倉も似ている。

京都駅前のレンタカーの駐車場を出てから
堀川通りに入りその後五条通に出て

嵐山方面に行く。
せいぜい10キロほどだ。

昔の思い出話をしながら ドライブする。
話してみると美智子と付き合っていた
2年半でも本当に色々あった。

京都市内は大きいようで小さい。

観光スポットが集中している
こともあり 

一日あればかなり色々行くことができる。
奈良はこうはいかない。
もっとも大原まで行ったりすると一日

で色々とゆうのは
はちょっと難しいが、

私は大原のあの山間の寂れた町の
雰囲気が好きだ。

美智子は結婚して福知山に住んでいる。
京都府の北西のはずれだし、
福地山から嵯峨野に観光に
来る人はほとんどいなそうだし、
もともと関東の出身だから知り合いや

友人に会うこともないだろう。

とは言うものの、

そこは若干不安なところではある。
大きめの濃いサングラスに大きめの

ハットとゆういでたちだ。

世の中の不倫カップルの皆さんの

気持ちがわかる気がした。

(お前らがそれだよ)

桂川にかかる渡月橋の近くのパーキング

に車を入れ トロッコ嵐山駅に向かって

桂川のほとりを手を繋いで歩く。


美智子は 

にこっと笑って時々俺の顔を見上げる。

22年前と同じだ。不思議な感覚に包まれる。

トロッコ列車に乗って山の景色の中を

嵯峨野へ向かって行く。

昔 一緒に 京都旅行をした時と同じ

デートコースにした。
終始ぴったりと腕を組んでくっついて来る。
今日だけのこの時間を思い切り楽しんで

いるようだ。
恋人同士だった頃が懐かしい。

嵯峨野に到着してからは
落柿舎、常寂光寺、二尊院、祇王寺など

を散策した。。

それぞれ特徴があって興味深い。

美智子から説明を受ける。
ガイドするのが楽しくて仕方がないようだ。

普通ではまず聞けないDeepな話に感動する。

どこを歩いても 昔のままの田舎の

雰囲気を残した町並みと
田園風景が広がり気持ちが安らぐようだ。。

他人が見たら仲の良い普通の夫婦のように

見えるかもしれない。
(どう見ても怪しいだろ)

ハイキングなら楽々だが 普通の観光

となるとまあまあ距離がある。

といっても往復でせいぜい6キロ程度だが。

美智子は フレンチ風のマニッシュな

いでたちに洒落た歩きやすそうな靴を

履いてきていた。
このテイストは昔から美智子が

好きだったし 私も好きだった


一通り散策し 休憩することにした。

古い町並みのこじんまりとした

路地を登り 一番上の平野屋に行く。 

 

桜餅を食べ お茶をいただきながら

小休止する。

ここまで来ると人も少なく

(変装なしで)
ゆっくりくつろいで話ができる。

そのあと、しばし茶屋の縁側に座って

お茶を飲みながら
たわいもない話をしていた。

美智子はあの頃と同じ顔をしている。

吹っ切れているようだ。

会話にも全く違和感がない、

これも昔と同じだ。

あの頃の懐かしい感情が蘇る。

かなり長い距離を歩いて 

さっき来た道から少しルートを
変えて同じ方向に戻り竹林を突っ切ると

トロッコ駅はすぐ近くだ。

竹林では 外国人のカップルがあちこちで

写真を撮っていた。

二人とも全く疲れていないし、

長い距離も話しをしていると

あっとゆう間だ。

トロッコ列車に乗って屋根のない

席二人で座り風を受けながら

嵐山に戻って行く。

もう二人でいることに何の違和感もない。

嵐山に戻り渡月橋の近く、桂川のほとり 
ススキで隠れた 周りからは見えない

静かな場所に座って川を見ながら
昔の積もる話しをした。

屋形船が水の上を滑って行く。
あの時もこんな感じだった。
 
まさか こんなことになるとは

思っていなかった。

夏子が言いたかったことがなんとなく

わかったような気がした。

嫌いで別れたわけでもない。

お互いに気持ちはあの時のままだ。

ハットとサングラスを外して
楽しそうに川を見ている

横顔の美智子を見る。

ふわっとしたショートボブの髪が

風で乱れ 美しい顔が映える。

いい女はやっぱりいい女だ。

変なわだかまりはもうなくなっていた。。

昔 惚れた女がどうしても必要な忘れ物を
取りに来た と思うことにした。

もしもし、Ken?

今、美智子さんと一緒でしょ。

 

ああ、

 

美智子さんが望んだら そうしてあげて

私も気が狂いそうだけど、

今日だけは美智子さんのことだけ考えてね。

待ってる。気をつけて帰ってきて。

じゃ。

 一方的に 電話が切れた。

 

俺はしばらく考えていた。

今日だけ美智子のことだけ考えろか?(夏子 わかったよ) 

 

 

 

美智子が口を開いた。

 

夏子さんから?

 

うん、

 

。。。。。。。。。。。。。。。
 

。。。。。。。。。。。。。。。

あいつ

ミッちゃんがそうしたいなら望む通り

にして欲しいって。

 

電話しなければ 俺がそのまま 帰ってくると

思ってたんだろうな。

 

まあ、普通はさ、

元カノに会うなんてことは女房に言わないし、

黙って会って しらっとしてるのが

いいのかもしれないし

夫婦でも知らないことがあっても

いいとゆうのもあるのかもしれないけど。

 

だから

俺が夏子に話したことで、もし気を悪くしたなら許してくれ。

 

でも それが俺たち夫婦のスタイルだから

 

 

気を悪くなんかしてないよ。

そこまで私なんかのことを真剣に考えてくれて

感謝してる。

夏子さん すごい人ね。

やっぱりわたしにはかなわないな。

 

考え方の違いだと思うよ。

 

美智子と別れて10ヶ月くらい経ったとき

夏子と付き合うことになって美智子の写真を

捨てようとしたんだ。あいつ俺がゴミ箱に入れていた

写真を全部回収して今でも持っているってさ。

 

どうして? 

 

あの時の俺があるのは美智子とセットだと。

だからそうゆう俺を好きになったから

捨てられなかったんだそうだ。

 

 

夏子さんのこと 私も好きになりそう。

 

 

その後

一旦落ち着いて そのあと、自分の近況などを話した。

 

去年 会社勤めを辞めて自分で会社を作って細々とやっていることなどを話す。

 

やっぱりそうかー

Kenは自由人だからサラリーマンは向いてないってゆうか。

付き合ってる時から そうなりそうな気がしてたけど

あの頃もサラリーマン似合ってなかったしね。

 

そうか? 

 

うん、仕事帰りに会ってもね、

見た目が似合ってないんじゃなくて

そうゆうガラじゃないってゆう感じはしてた。

 

そうなのか?よく見てたんだな。

 

そりゃそうよ、あの頃は

Kenのお嫁さんになるつもりだったし。

 

そんなことを話しながら 結局

 その日を美智子と過ごすことになった。

(想定からどんどんずれていく)

 

ただ この時は俺も もう吹っ切れていた。

全て忘れて 今日だけ昔に戻ろう。

 

ミッちゃん 行こうか。


うん。

美智子が落ち着いたところで声をかけた。

 

ミッちゃん座ろうか?

 

うん。ありがとう。

 

あらかじめ 部屋に用意されていたスナック,果物

と飲み物テーブルに置く。

美智子は紅茶が好きだった。

 

今日はオレンジペコじゃないけどね。と言って

 

ポッドから紅茶をティーカップに注いで

美智子に渡す。

 

ありがとう覚えてくれてたんだ。嬉しい。

 両手でカップを持って口をつけている。

 

自分はコーヒーをすすりながら 

スナックをつまむ。

 

テーブルの端っこに2人並んで座り膝を

付き合わせる感じで美智子が話し始めた。

 

俺と別れてからどんな生活をしていたのか?

その後お見合いで結婚したこと。

上の子供2人は大学生になってひとり暮らし

していて次女はもうすぐ大学生だとか

旦那さんは こうゆう人でどんな仕事を

しているとか。

 

私も別れてから今までのことをかいつまんで

話した。

 

一番気になっていたことを聞いた。

 

旦那さんとはどうなんだ?

もし旦那さんがミッちゃんのことを愛して

いるなら 同じ男として言うけど

気の毒すぎる。

 

主人のことは愛している。

でもねkenに対しては主人を思う気持ちとは

全く違う、22年前と変らない

燃え上がるような感情があるの。

 

買いかぶりすぎだろ もうおっさんだし、

今 会って見てかなり

冷めたんじゃないのか?

 

私もおばさんだから がっかりした?

 

いや 今でも昔と同じで綺麗だ。

 

ケンも渋くなってるね。

昔のままで いい男になったって感じ。

 

ミッちゃんは

もしかしてあの日、俺のところに来れ

なかったことを悔いていて、

一方的に手紙をよこして 

終わったことをずーっと引きずって

それで一度けじめをつけたかったん

じゃないかって思ってたんだ。

 

俺、昔からマドッロこしいのは苦手だから

単刀直入に聞くけど、

ミッちゃんはどうしたいんだ?

 

美智子がまっすぐ俺の目を見て口を開いた。

 

Ken が良ければ抱いて!

それで思い残すことなく前に行けると思うから。

 

そうか。ここに来る前に夏子にあんたは女を

わかっていないと言われたよ。

 

俺はそうゆう関係になったら余計苦しむ

んじゃないかと思うと言ったんだけどね。

夏子は苦しむことに変わりは

ないかもしれないけどそれで前に進める。

このままでは不完全燃焼のまま苦しむんじゃ

ないかって。

 

夏子さんも知ってるの?

 

ああ、全部話した。

 

それで 行って来いって言ってくれたの?

 

うん、正直に言う 俺は来るつもりはなかった。

ミッちゃんには悪いけど夏子に惚れてるからね。

だけど、夏子がどうしても行って来いって、

それでミッちゃんが望むならそうしてくれって

言われたんだ。

 

すごい人?私が同じ立場だったら

多分できないよ。

 

俺もアイツが何考えてるのか今回だけは

わからん。

なんとなく想像はできるけど。

 

私を抱くのは嫌? 

 

すまん。

 

 

私のこと嫌い?

 

嫌いじゃない、今でも美智子を好きな

気持ちは変わらない、

でも、夏子は別格だ。誰とも比べられない

俺の一部になってる。


 

そんなやりとりをしている時 

電話が鳴った、夏子だ、

新横浜から新幹線で京都に向かう。

家から地元の駅まで夏子が車で送ってくれた。

車から降りる。

 

じゃあ行ってくる。

 

気をつけて行ってきてね。

それと エッチしてきてもいいから。

 

しつこいぞ それはもういい。


 

夏子は私が駅のエスカレーターを

上り始めると手を振りながら車で去っていった。

 

京都駅に着いて複雑な気持ちを整理しながら

待ち合わせ場所へ向かう。

あまり人通りが多いところもはばかられる。

おそらく会った瞬間 美智子は泣くだろう。

そうなっても良い場所を指定した。

部屋は色々と不都合がある。 

某ホテルに小さい会議室を借りた。

美智子が先に到着しているはずだ。

 

会議室のドアをノックする。

 

はい とゆう声が聞こえる。

 

ドアを開けて 中に入る。

 

22年間を経たあの時のままの

美智子が立っていた。

 

ミッちゃん 久しぶり、元気そうだね。

 

Ken 本当に久しぶり。会えると思ってなかった。

 

俺の顔を見るなり目を開けたまま

まっすぐ俺を見ている。

 

涙が溢れている。

近寄っていくと美智子が抱きついてきた。

 

私の胸に顔を埋めている。

そのまま落ち着くまで抱きしめていた。

そのまま 何もなく1ヶ月ほど経った頃。

 

夏子が話をしてきた。
 

あれから何かあった? 

 

いや 何もないし、何もしていない。

電話番号も消したしな。

このまま自然消滅でいいだろ。

 

美智子さんかわいそう。会ってあげなよ。

美智子さんの事情を聞いたらね 

私ともオーバーラップしてなんかほって置けない

友達みたいな気分になって。

良家のお嬢さんとゆうだけで、

気持ちに自由がなかったり

好きな人と引き裂かれるって悲しすぎる。

 

これから先どうやって生きていくのか

知らないけど、

あなたに一度会えば苦しくても整理はつくん

じゃないかなー。一歩前に行けるんじゃない?

人助けみたいな感じ? まあ そのダシにKEN

一役買うわけだけど。

 

なんかさ、このまま会わないと

とずーっと言われそうだな。

冷たいやつだとか。わかったよ、

そこまで言うなら一度会うだけ

あって見るか?本当にいいんだな?

 

とうとう

夏子に押されて 

美智子と会うことになった。

本当に気乗りはしなかったのだが 


(こんどばかりは自由人を自認する

俺に自由はなさそうだ)

 

あんたは理屈っぽすぎると怒られた。

(なんで俺が怒られる)

 

しかし別れた元カノに女房に押されて

会うなんてことは未だに理解できん。

そんなもんか? さっぱりわからんな。

 

一度会えば、

また とゆうことにはなるかもしれない。

でもKenは2度目はない人だしそこは心配してない。

 

この熱意に応えてあげた方がいいと思う。

一度会ってあげなさいよ。

私も美智子さんには興味があるし、

素敵な人だから。

 

いや、やめとく。この前のリストラ騒動で

大変な思いをしてもう面倒はごめんだ。

俺は夏子と平穏に暮らしたい。

 

そうなんだ。結構冷たいのね。

 

こうゆう冷たさなら 別にいいだろ?。

 

じゃあもう何も言わないけど、

もし会いたいと思ったら言ってね。

 

この前のこと(夏子浮気事件)で

Kenは気にするなと言ってくれたけど。

あなたを苦しませたことはわかってる。

 

お返しみたいなもんよ。

私に対する裏切りじゃない、

あなたの気持ちは十分わかってる。

女だから美智子さんの気持ちはすごくわかるし。

Ken、時々ゆうよね。気持ちは返したぞって。

私も一回言って見たかったのよ。

私の 気持ちは返したからね。

 

いや、やめとく 一度そうゆうことになったら 

余計苦しむだろ?

 

女がわかってないね。 

苦しむかもしれないけど、幸せな苦しみだからまだ救われる。

このまま終わったら本当に不完全燃焼で

浮かばれないってことよ。

 

そうゆうもんか?。

 

女は前に進むために理由が必要なのよ。

 

夏子さあ、なんか急に女らしいこと言うな?

 

私も女だからね。

それに付き合うようになってから

これまで24年間 私にKenがしてくれたこと

とても感謝してる。

 

何か特別なことしたか?覚えないけどな


そうゆうのはどうでもいい。(なんだそれ)

一緒にやってきて一貫して

私への気持ちがぶれてないことも

わかってるし、

美智子さんのことも全部見せてくれたよね。

安心して送り出せる。

 

そうか まあ、会うことはないと思うが、

考えとくよ。

それは正気か?


うん

美智子さんの話は私と付き合う時に

聞いていたし

その時の写真も見せてくれたよね。

Kenがもういらないから写真は捨てると

言ったから その何日か後もしかってって

思ってゴミ箱を見たら 写真が捨ててあった。


その写真

私が全部回収して今もしまってるんだ。

 

なんで? 

 

美智子さんとkenが一緒に写っているでしょ。

それは私の財産でもある気がして

あの時のケンがあるのは美智子さんと

セットだと思っている。

美智子さん美人だし、お似合いのカップルって

感じですごく嫉妬はあったけど。。。

どうしても捨てられなかった。


そうか 

夏子は美智子とはタイプは違うけど

美人だよ。

俺はお前のルックスの方が断然好きだけどな。

と言って見る。

(本当にそう思ってるけどね。)

 

ありがとう。

(まんざらでもなさそうだ。)

 

Kenの人柄は美智子さんがいたからと

ゆうものもあると思ったし

何か 強い想いのようなものを感じて

私には捨てられなかった。

それに私と付き合うようになって

Kenは私だけを見てくれた、

美智子さんの影とゆうか引きずっているもの

はないことはわかっていたし、

女の影のようなものは今まで一切なかったし

安心して今日まで来れたしね。

(あの時 俺の浮気を 疑っていたのは誰だ)

 

そうか、知らなかったよ。

しかし会うわけにはいかんな。

俺は全く心が動かない。

                     本心からだった。

 

それに一度会ったら

また 会いたくなるかもしれないし

苦しむんじゃないか?。

ここできっぱり切った方が良いと思う。

 

それはそうかもしれないけど

女は簡単に諦められないんだよ。