エルネア王国 優しいひと。 | エルネア王国〜瀞の場合〜ブログ

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大好きな人生シミュレーションゲーム、ワールドネバーランド(ワーネバ)のスマホアプリ エルネア王国の日々のメモです。基本的に、のんびりマイペースにやってるので攻略とかは無いですが、お付き合いくださいませ♪
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クレメンス「んで?何から話せば良いの?」

「あ、ううん。姉さんはしばらくいいの。そこでゆっくりリナちゃんと遊んでて。」

久々に義姉さんをうちに招待した。
なんでも、エルシーちゃんがお料理を振る舞いたいとか。

クレメンス「くっ…エルシーちゃんの手料理…カワイイ妹のお願いは断れないけど…」

リナちゃんと遊びながら、時々義姉さん何やら呟いている。
今は気丈にしているクレメンスさん。

でも、あの頃は…。

二人が結婚したのはウチの長男、カイヤ君が産まれてから半年くらい経った夏の終わりの頃だった。


「クレメンス!おめでとう♡」
「うっうっ、クレメンスうぅぅー幸せになるんだぞぉぉぉぉ」


「フレッドさん!義姉さんをよろしくね♪」
「よっ、クレメンスちゃん!」

この日、二人はターナー家として、新しい一歩を踏み出したわけで。

その年の星の日にはエルシーちゃんもニコニコ幸せそうだった。
「姉さんてば、ホント、優柔不断。でも良かったなぁ。」
「ホント、良かったねぇ。」


けれど。


冬になって、新しい年を迎えて。

短い春まで季節が巡った頃。


まだ。
まだ一年も経っていないのに…

ボーっとしたいのは僕だよ…
ねえ、フレッドさん。

どうしても行っちゃうのかな。

クレメンス「あっ、待って待って!リナちゃん!そっちはイヴォン君が…!」

ハッと、クレメンスさんの声で我に帰る。

リナ「父ちゃん!バグウェルキーック!やーあ。」

「こらー。リナちゃん!スカートでそんなことしちゃだめだよー!」

リナ「ふふん。ママとばぁばはいつもスカートで戦ってるもん♪」
「ンググ…」

「ふふっ。女の子が強い家庭はやっぱり楽しいわね♪」

そう言ったクレメンスさんは、どこか遠い目をしていて。

「あ、そうだイヴォン君。今度リナちゃんと遠出しても構わない?」

「えっ、義姉さん。それ、僕に断らなくていいよ?僕も甥っ子や姪っ子とよく出かけてるしー。」

「えっ?そうなの?断らなくって良いの?今まで悩んじゃってたわ。」

料理が一段落したのか、いつのまにかエルシーちゃんが隣に座っていた。

「もー。姉さんったら。相変わらず、優柔不断。」

「そうね…迷ったら今度はみんなに相談することにするわ。こんなにすぐに解決するんだもの。もう…あの頃みたいに…」

少し笑って、またすぐに遠い目をして。

「楽しい時間を奪われたくないものね。ね?」

「そうそう。その意気よ!クレメンスちゃん!」
「そーそー。クレメンスおばちゃんは元気なのがいいよ。俺もそう思うー!」

いつのまにかモイラ母さんとカイヤ君もうちに帰ってきて、そんな話をみんなでしているうちに、キッキンから何かが焼け焦げた臭い。
 
「きゃー、イヴォン君!助けて、たすけて!お料理かこげちゃったーー!」


結局、夕飯は僕がアレンジすることになった。

クレメンス「んふふ。おいしーい♡」

リナ「おばちゃん、ニコニコねー?」

カイヤ「あっ、リナちゃん!それ俺の!」

エルシー「…失敗した。失敗した…グラタンを失敗した…

モイラ「やぁだぁ。エルシー。気にしないの!ほら。中のソースはこんなに美味しいのよ。パスタによく合うー☆ね?」

「そうだよ。ほら、下向いてないで。あーんしようか?」

エルシー「いっ…いい!!やめてー!イヴォン君!」

クレメンス「!!!(照れてるエルシー、カワイイ)!」


カイヤ「ばぁば、今日は楽しかったねー♪」

モイラ「そうね。賑やかなのはいいわね♪」

リナ「あれー?母ちゃんはー?」

「クレメンスさんを送ってってるよ。おしゃべりし足りなかったんだって。」



エナ様の見守る夜。
クレメンス「エルシーちゃん。ありがとね。」

エルシー「ううん。結局私の手料理じゃ無くなっちゃったし」

クレメンス「いいのいいの。みんなと話しながらの食事って、いつぶりかしら…あ。あれ以来かな」

最後に一緒にご飯を食べた日…

悩んで無いで、行きたいところに連れてって貰えばよかったかな…と今でも思う。

クレメンス「イヴォン君とフレッド君、顔がちょっとだけ似てるから、ウチに子どもがいたらあんな感じかなーとか…思っちゃう事が今でもあるわ。」

エルシー「ううん。きっと姉さん達の子供なら、もっと穏やかで…優しい子だと思うなー」

クレメンス「…そうかしら?」

エルシー「うん。きっとそう。」

クレメンス「…フレッドってば、思い残す事は無い、なんて辞世の句…ねぇ?」

エルシー「良かったんじゃ無いかな。義兄さんはクレメンス姉さんと一緒になれただけで。」

他にも沢山、沢山の【今でも思う】が残ってる。

もっと沢山デートすれば良かったな。
もっと早く出会ってればよかったな。
もっといっぱい愛してるって伝えれば良かったな。

ねえ、わたしもあなたの笑顔がそこにあれば良かったのよ。

だからどうか…

フレッド「泣かないで。クレメンスちゃん僕の優しい女神様?」