目が覚めてからトイレへ行くまで | 『泣きながら歯磨き』

目が覚めてからトイレへ行くまで

眠りから覚め、ゆっくりと目を開ける。
喉はカラカラ、膀胱はパンパン。
激しい尿意でつらいから、二度寝して現実逃避する。
二度寝して現実逃避しても、また目が覚めた時さらにつらくなるだけだという事はわかってる、それでも俺は二度寝する。


夢と現の狭間のまどろみの中にて。
「ねえ、どうしよう?」
「トイレに行くしかないだろう?」
「そんな事わかってるよ!」
俺が俺に逆切れ。


眠りから覚め、ゆっくりと目を開ける。
喉はカラカラ、膀胱は破裂寸前。
その時、頭の中で俺の声が、まるで破裂したかのように聞こえてきた。
「トイレ行かなきゃ!」
「誰が?」
「俺が!」
「そんな事わかってるよ!」
寝ても覚めても、俺は俺に逆切れ。

自問自答に意味は無い。
どうすればいいかなんて、最初からわかってるんだもの。
自分で、自分の足で立ち上がって、自分の足で歩いて、自分の力でやるしかないんだって事は、わかってる。
わかってるんだ。
でもね、だけどね、できないんだよ。
しょうがないじゃないか。
俺は、いつだってそうだったんだ。
今までずっと、そうだったんだ。
頭でわかってても、できないんだよ。
心が拒否反応を起こすんだよ。
わかってよ……。

泣きたくなった。

だから、泣いた(心の中で)。

何も考えられなくなるほど、泣いた(心の中で)。

すると俺は、何も考えずにトイレに向かっていた。


……そうか、そういう事だったんだ。
トイレへ行く面倒臭さとか目的とか意味とかそういうのは、放尿が終わってから考えればいいんだ。
そうゆう事でしょ?
そうゆう事だよね?
そうさ、そうゆう事だよ!

心が急に軽くなり、どこからともなく大好きなあの歌が聞こえてきた。
♪何でもない日バンザイ!
 誰の?
 君の!
 私の?
 そうさ!
 何でもない日バンザイ!

悩もうが悩むまいが、結局”自分自身でやらなければならない、自分自身にしかできない事”だったんだから、何も考えずに行動すればよかったんだ。
それが、今やっとわかったよ。


胡散臭いまとめ方で、おわり。