作者より | 『泣きながら歯磨き』

作者より

 このブログは、「『がいこつ』というHNを使っている架空の人物が書いているブログ」という設定の、言わば現実とリンクしている小説です。

 今まで、紙媒体の書籍では難しかったことが、電脳の仮想世界では、いとも簡単に実行できるようになりました。それは、虚構の精神世界の共有です。(何人もが同時に同じ夢を見られる。と言えるかもしれません)架空の人物と現実に存在する人間の会話や、もしかしたら友情や愛情や憎悪といったような感情が生まれる可能性もあるかもしれません。コミュニケーションの重大さを思い知らされます。

 私が現実とリンクする小説を書きたい、と思ったのは、自分が小説の世界に入れたら、どんなに素敵だろう、なんてことを常々夢想していたからです。架空の物語の世界の中に、私が必要とされていない孤独感。神の視点の孤独感。愛すべき人物と話せない孤独感。素晴らしい世界に、なんの干渉も出来ない孤独感。そういった孤独感だけが、私の中で膨らみ続け、とうとう孤独飽和状態に至り、私の中の乙女チック妖精が突如、現実の世界に群れをなして現れ、そして私の歓喜と恐怖とが入り混じった感情の素が詰まったキラキラ光る臭い種を、私のコメカミにグリグリと押し付け、「これでもか! これでもか!」と叫びながら、私の脆く柔らかい心を、傷つけては治し、傷つけては治し、を繰り返すのです。その行為は、だんだんとエスカレートしていき、私しか知らない私のコンプレックスを、私の網膜につらつらと書き込み、焼き付け、嘲笑しながら、優雅な午後のひと時を過ごすのです。
 したがって、私は「がいこつ」という人物を創造する事になるわけです。

 もはや誰が存在し、誰が存在していないのか、なんてことを考えるのが無駄なこの電脳仮想世界において、私が書く私の世界を楽しんで頂けたら至極光栄でございます。