
星冴ゆる
Momoko Tategami
七宝プレート(壁飾り)---銅、純銀、金箔、銀箔、七宝
数年前、地方の施設にいた叔母を訪ねた帰り道のこと。
施設の目の前にあった少し寂れた動物園が気になり入ってみると、
一羽の孔雀に出会いました。
大人しく佇む姿に
(羽根を広げてくれたらうれしいな)と心の中で願った瞬間、まるでこちらの想いに応えるように、ふわりと美しい扇を開いて見せてくれたのです。
その後、叔母は旅立ちました。
あの日感じた、言葉にならないほど静かで神秘的な光景。
その記憶と、夜空で気高く輝く冬の星座「カシオペア座」の物語を重ね合わせて、この七宝レリーフを制作しました。
輝く存在——“スター”は、得てして美しい孤高と孤独を抱えています。
けれどその孤独は決して悲しいものではなく、どこか凛としていて、かけがえのない美しさを秘めているもの。
静寂の中で放たれるその哀愁も、気高さも、すべてを包み込み、そっと優しく抱きしめるような想いを一筋一筋の線と色に込めてみました。
焼成の過程で満天の銀河のような背景が奇跡的にできました。
カシオペアの5つの星には、平泉の建築に携わる職人さんから受け継いだ大切な金箔をあしらっています。
「星冴ゆる」の静寂と輝きの中にたたずむとき、孔雀が残した羽根が、5つの「羽根の記憶」へ展開します。
1枚の大きな銀を鏨(たがね)で打ち出したあと形を切り出し、七宝を重ね、星と見立てた宝石をあしらい、 それぞれの羽根に物語を宿しました。

羽根の記憶①「碧の追憶」
羽根の記憶②「星映す羽根」


羽根の記憶④「静寂の夜」

羽根の記憶⑤「群青の炎」
「星冴ゆる」の放つ光の先で、それぞれの物語を紡ぎ出すブローチたち。
静寂と儚さが織りなすふたつの世界を、会場でぜひ間近にご覧いただけたら嬉しくおもいます。
「日本のクラフト展」
会場:ギャラリージャローナ
(東京・赤坂)
会期:2026.9.1(火) 〜 2026.9.6(日)
12:00〜19:00(最終日17:00まで)
(建守9/1(火)、9/2(水)、9/5(土)、9/6(日)在廊予定)
ジュエリーレッスンや、フル・オーダー、宝石箱に眠っている装飾品を生まれ変わらせる『re-born jewelry』、承ります。 お気軽にご相談ください
