【創作】夏祭り(1/4)
夏祭り...そして
僕の父は 今 病院で静かに その一生を終わらせようとしている
母はもう ここにはいない でも 僕は優しい母の事を忘れた事はない
遠い記憶 その一つ一つは 僕にとって最愛の思い出
今、僕は父がいる病院へと向かうバスに乗り込み 田舎道をひた走る
...父は最後の願いとして
母と出会い そして別れたこの場所を選んだのだ
バスはクーラーなどない 真夏の蒸し暑さにやられそうになる僕の瞳
・
・
・
ゆらゆら揺れる陽炎の向こう側 あれ? 僕は今 どこにいるんだろう?
その先には なんだか見覚えのある
- いや 僕は知らない -
影が二つ
息を切らせてどこまでも続く丘の斜面にそって伸びる階段をひた走る姿が
...あれは
「もう少しでつくよ。ほら、早くいこっ!」
振り向いた少女が一人
長い 黒髪を後ろで一つに束ねて 真っ青な浴衣に花柄の斑点。 背中の帯には 真っ白いうちわが一つ挿されている
もう 周りは薄暗くなっているようだ 街頭の光だけが 階段の先へと つながる ただ一つの道しるべ
「もぉ 限界だよ 少しここで休もうよぉ~」
少しだけ情けない声をあげて階段に座り込む 同じ浴衣を着た一人の少年
坊主頭は汗まみれ ぐったりと座り込んだ視線の先には
どこまでも続く 家々の窓から零れる様々な照明が 蛍のように輝いている
左方面には どこまでも続く 海の揺らぎ
たまに 遠くの灯台の光と 漁船だろうか?
まばらに 光を放ち 荘厳とした 海を照らしている
「...もぉ 仕方ないなぁ まぁ このへんでだいじょぶかな?」
少女は ぐったりしている少年の右隣に座り 少年と同じ方向に目をやる
空には まばゆいばかりの星達
空の光と大地の光 座っている二人には きっと宇宙にいる気分だったのだろう
「えっと ...ね」
ふと 少女は少年に向き直り 言葉を続ける
少年も声に導かれるよう少女の顔に目をうつす
...?なんだか 瞳が寂しそう?
「私... この夏祭りが終わったら 都会にお引越ししなくちゃいけないんだ。ずっと言えなくてごめんね ...私がいなくなっても 絶対に私の事は忘れないでね! 私も 絶対に 忘れないから...!」
その言葉に 驚きを隠せない少年の姿がそこにあった。 同じ学校で同じ場所で同じく苦労や喜びを一緒に歩いてきた大切な存在
少年の頭には一緒に過ごした日々が走馬灯のように浮かんでは消えていく
...そして
「そうか...ううん。親の都合もあるもん。仕方ないよ。でも、これからもずっとお友達だよ!! あ、そうだ!! じゃあさぁ。30年後。この日のこの場所でまた あおうよ!! ボクはずっとこの階段でまっているから!」
力強く少女の手を握り、熱く語る少年の姿
少女の瞳から とめどなく 零れる光の粒
二人の顔がそっと近づく ...その瞬間
(ひゅ~~~~~~~~~~~~ん! どっか~~~ん!!)
二人は音の方へ目をやる
宇宙だった目の前の風景は 花火一色に染められていた
二人から「わ~~~!! たまやぁ~~~!!」
歓声があがる。宇宙一色だった空に 七色の花火が色を添える
それはまるで 二人だけの為に咲き誇っているようだ
(ひゅ~~~~~~~~~~~~ん! どっか~~~ん!!)
...そして 二人は 約束のしるしに 階段の石段にそっとこの言葉を削って お互いの再会を誓いあった
- 30年後の二人へ
またここで再会する事を誓って ...年8月15日
さやま & いしはら -
二人は 笑顔をともなって いつまでも その言葉を見つめていた
一夏の思い出は こうして陽炎のごとくゆらぎ消えていった
。。。? いしはら ...?? あれはまさか僕の父!?
(続く)
僕の父は 今 病院で静かに その一生を終わらせようとしている
母はもう ここにはいない でも 僕は優しい母の事を忘れた事はない
遠い記憶 その一つ一つは 僕にとって最愛の思い出
今、僕は父がいる病院へと向かうバスに乗り込み 田舎道をひた走る
...父は最後の願いとして
母と出会い そして別れたこの場所を選んだのだ
バスはクーラーなどない 真夏の蒸し暑さにやられそうになる僕の瞳
・
・
・
ゆらゆら揺れる陽炎の向こう側 あれ? 僕は今 どこにいるんだろう?
その先には なんだか見覚えのある
- いや 僕は知らない -
影が二つ
息を切らせてどこまでも続く丘の斜面にそって伸びる階段をひた走る姿が
...あれは
「もう少しでつくよ。ほら、早くいこっ!」
振り向いた少女が一人
長い 黒髪を後ろで一つに束ねて 真っ青な浴衣に花柄の斑点。 背中の帯には 真っ白いうちわが一つ挿されている
もう 周りは薄暗くなっているようだ 街頭の光だけが 階段の先へと つながる ただ一つの道しるべ
「もぉ 限界だよ 少しここで休もうよぉ~」
少しだけ情けない声をあげて階段に座り込む 同じ浴衣を着た一人の少年
坊主頭は汗まみれ ぐったりと座り込んだ視線の先には
どこまでも続く 家々の窓から零れる様々な照明が 蛍のように輝いている
左方面には どこまでも続く 海の揺らぎ
たまに 遠くの灯台の光と 漁船だろうか?
まばらに 光を放ち 荘厳とした 海を照らしている
「...もぉ 仕方ないなぁ まぁ このへんでだいじょぶかな?」
少女は ぐったりしている少年の右隣に座り 少年と同じ方向に目をやる
空には まばゆいばかりの星達
空の光と大地の光 座っている二人には きっと宇宙にいる気分だったのだろう
「えっと ...ね」
ふと 少女は少年に向き直り 言葉を続ける
少年も声に導かれるよう少女の顔に目をうつす
...?なんだか 瞳が寂しそう?
「私... この夏祭りが終わったら 都会にお引越ししなくちゃいけないんだ。ずっと言えなくてごめんね ...私がいなくなっても 絶対に私の事は忘れないでね! 私も 絶対に 忘れないから...!」
その言葉に 驚きを隠せない少年の姿がそこにあった。 同じ学校で同じ場所で同じく苦労や喜びを一緒に歩いてきた大切な存在
少年の頭には一緒に過ごした日々が走馬灯のように浮かんでは消えていく
...そして
「そうか...ううん。親の都合もあるもん。仕方ないよ。でも、これからもずっとお友達だよ!! あ、そうだ!! じゃあさぁ。30年後。この日のこの場所でまた あおうよ!! ボクはずっとこの階段でまっているから!」
力強く少女の手を握り、熱く語る少年の姿
少女の瞳から とめどなく 零れる光の粒
二人の顔がそっと近づく ...その瞬間
(ひゅ~~~~~~~~~~~~ん! どっか~~~ん!!)
二人は音の方へ目をやる
宇宙だった目の前の風景は 花火一色に染められていた
二人から「わ~~~!! たまやぁ~~~!!」
歓声があがる。宇宙一色だった空に 七色の花火が色を添える
それはまるで 二人だけの為に咲き誇っているようだ
(ひゅ~~~~~~~~~~~~ん! どっか~~~ん!!)
...そして 二人は 約束のしるしに 階段の石段にそっとこの言葉を削って お互いの再会を誓いあった
- 30年後の二人へ
またここで再会する事を誓って ...年8月15日
さやま & いしはら -
二人は 笑顔をともなって いつまでも その言葉を見つめていた
一夏の思い出は こうして陽炎のごとくゆらぎ消えていった
。。。? いしはら ...?? あれはまさか僕の父!?
(続く)