父の後ろ姿 | 私SLE、父心不全

私SLE、父心不全

私は、15歳からSLE(全身性エリテマトーデス)と付き合ってきました。一昨年の五月に、ずっと支え続けてくれた母が、他界しました。母の死後、精神的にも肉体的にも、さまざまな症状に苦しんできましたが、ここで、父が心不全、でも今のところ見守りです。

 私は、つい最近まで、若かった頃の父の、我が儘で独りよがりで、後始末のすべてを母に押し付けてきたその姿をあまりに、ありありと記憶していて、父を許していなかった。
 若い頃の父は、娘の私が言うのもなんですが、けっこうモテたのです。
 私と母は、父がしでかすいろいろなことの後始末に追われてきました。
 父の、ある意味、異常性は、弟に、オヤジはアスペルガーなんだよと言われて、やっとのみ込めた。父は、論理的に優れていて、言い合いになるとかなわない。
 でも、今日、駅で父の後ろ姿を見た時、なんともいえず、胸が突かれた。背中を丸めて、少し痩せたとはいえ、丸っこい体、駅員と何か話している。あっ、また何かやらかした…。一瞬、心臓が止まりました。
 中国に行った時も持っていった古い古いガタガタの鞄を無くしたらしい。でも、貴重品は入っていなかったと。
 なんだか、その後ろ姿は、抱きしめたくなるような後ろ姿でした。
 今年1年間、元気でともにいてくれるだろうか、
 そんなことをしきりに思ってしまいました。