在宅ワークの昼休みに
音楽を久しぶりに聴いた。
一気にその時代に
私を引き戻す歌。
私にとって
それはサザンだ。
大学に入学した18歳のとき
周りはみんなおしゃれだった。
女子校を出て
母が買ってくれた服が多かった
ダサい私は気後れした。
DCブランドを
友だちの誰もが着ていた。
BIGI
ピンクハウス
NICOLE
コムサデモード
コムデギャルソン
ブランドのロゴがついてる袋。
流行ったよね。
自慢げにそれを持って歩いて
みんなキラキラしてた。
どうしてみんな
あんなにお金をもっていたんだろうな。
男子も
スカーフなんかして。
学生なのにジャケットとか
着ちゃってね。
海外旅行に行くのが流行って。
夏は海。
冬はスキー。
父が運転する車にしか
乗ったことがなかったから。
先輩たちと車で海にいくときは
なんだか悪いことをしてるみたいな
気持ちになって
ドキドキした。
サザンの
ミス・ブランニュー・デイを
昼休みに聴いちゃったから
40年前の
お金がなく
センスもないけど
背伸びして。
周りに合わせて
服を選び
貸レコード屋さんで
借りたLPレコードで
ユーミンやサザンを聴いてた。
まだ誰でもなくて
まだ何者でもなくて
だから何でもできそうな。
でも本当は
自分にはどう頑張っても
できないことや
届かない世界が
あることがわかってきていた。
あのときの気持ちに戻ってしまい
昼休みが終わっても
すこしぼんやり
現実に戻るのに
時間がかかった。