今日は刺身食べにいくぞー!爆笑

夕方父が言いにきた。


私は実家に来てからも

毎日毎日在宅ワークで

だいたい22時か23時まで仕事。


病院の付き添いや

ケアマネージャーさんとの

打ち合わせなどで

日中仕事出来ない時間がある分

どうしても夜の時間帯に

皺寄せがいく。

昼間はオンライン会議、

夜は自分の仕事で

パソコンに張り付いている。


外食に行くとなると

父を着替えさせて

準備して靴をはかせて

ゆっくり歩いて。


お店では

しっかり時間かけて食べてから

またゆっくり歩いて帰ってくる。


だから外食は時間がかかる。


正直言って

母とパパッと作って

食べて済む

おうちご飯がありがたい。


ごめん、お父さん。

仕事忙しくて今日は無理だわ。

ごめんね、おうちで

お母さんのご飯食べよ?


と言うと

父は本当に本当に

悲しそうな顔をした。


おまえに

美味しい刺身を

食べさせたかったのに。


おまえのとこには

新鮮な刺身ないだろうが。


うん。

ありがとう。

でも今日はごめんね。


そう話した後


父が喜ぶ話題を

大急ぎで探す。


そういえばさあ!

大谷翔平、今日も

二塁打たくさん打ったらしいよ!!ひらめき


そうか!

あいつはすごいな!

イチローも、すごかったけどな!爆笑


昔はなー

神様仏様稲尾様と言ってなー!ニコニコ


と昔話になると

途端に饒舌になる父。


へー!すごいねー。

稲尾ってすごかったんだねーひらめき


と相槌を打ちながら

考える。


仕事しないで

本当はこういう話を一日中しても

足りないぐらい

父とこうやって話せる

残り時間は

限られているのにな。 


飛行機の距離に住む私は

そんなにしょっちゅう

帰って来れるわけではない。


それでもここ半年は

ふた月に1度は10日とか

2週間とか実家にいるけど。


それでも。


認知症が進み始めた父が

私を私と認識して

ちゃんと話して

一緒に食事に行けるのは

あとどれぐらいだろう。


胸が

ちくちくする。


だからせめて


ズボンを履くのを手伝ったり

靴下を脱ぐのを手伝ったり

冷たい足をさすって温めたり

父のためにお茶を煎れたり

父の目を見て話したり。


そういうひとつひとつの日常を

前より

ほんの気持ちだけ

ゆっくりしよう。


父が元気いっぱいだったときより

20パーセントぐらい

ゆっくりめな感じでやる。


もともとせっかちな私だけど。

父の歩く速度のように。

ゆっくりゆっくり。

大事に大事に。


実家での滞在も

そろそろ折り返しだ。

でも残りの日程は土日祝もある。


父との日常を惜しもう。