少女と出会った。
少し・・・いやかなり変わった娘だ。
はじめて彼女を見かけた時、彼女は周りなど全く気にもせずに何かに没頭していた。
今思えばなんでそんなことをしたのかわからないが、その時は気になって仕方がなかったから思わず声を掛けてしまっていた。
彼女は何かを彫っていた。
・・・・・・星?のように見えるが何なのだろうか?
あまり彫刻は得意ではないのだろうか、手には痛々しいほどに包帯が巻かれていた。
にもかかわらず、彼女はその得体の知れない何かを彫り続けようとしている。
何がそこまで彼女を動かすのか俺は興味が沸いて彼女に話し掛けてみた。
が、よくわからなかった。
わかったことと言えば、彫っているものは彼女の好きなものということ。
自主的に彫っていること。
その好きな物のことを考えるとどこか遠い世界に精神が旅立ってしまうということくらいだった。
ついでに、その間ぼ~っとしてるせいで周りが見えていないこと。
まあ最後のはどうでもいいことなのだが、彼女に伝えると、彼女は頑なに否定するのだ。
いつか痛い目見なくちゃわからないのだろう、きっと。
彼女がぼ~っとしている間に俺はナイフを奪っていた。
何がどうというわけではないが、なんとなく心配だった。
女の子がここまで手を怪我して何かをするというのが不自然だと感じたから。
彼女には悪いと思ったが、手の怪我が治るまで没収と告げてその場を後にした。
さて、彼女はおとなしくしていてくれるのだろうか。
おしまい
