大学時代に1か月アメリカ旅行をしたときや、社会人になって長期連休に1週間ほど旅行したときには何の問題もなかった「入国審査」。会社を退職してやっと長期旅行できる!と思ったタイミングで、アメリカ入国の壁を感じることになりました。

 

 

●入国審査で足止めをくらった件

 

2019年1月、サンフランシスコ空港での出来事です。

※別室送りにはなっておりません!

 

<当時の状況>

・旅行日程は成田→SF経由フェニックス→ミネアポリス→成田

・滞在期間は4週間

・純粋な観光旅行

 (アメリカバンドのライブをなるべくたくさん見たくて国内周遊)

・無職だけど会社員って嘘をついた

 (無職って言っちゃダメというネット情報を信じて)

 

<入国審査官に怪しまれたこと>

「日本人は1か月も休みを取れないはず」

 →ボスが良い人でぇ、休みをくれたんですぅ~(嘘)

「仕事は何をしているんだ」

 →化学製品製造企業のH&Rですぅ(前職)

「アメリカで4週間も何をするんだ」

 →観光ですっ!(本当)

  トレッキングをしたり、音楽フェスに行きます。一人で!

「アメリカに彼氏がいるんじゃないのか」

 →いません!(力説)

「なんで英語が話せるんだ」

 →大学時代に勉強しました!(ちょっと授業取ってただけだけど)

 

たぶん10分くらい問答が続いたと思います。特に仕事について詳しく聞かれました。会社はどういう製品を作っているのか、人事部でどのような仕事をしているのか等。前職の会社HPに退職後も顔写真付きで社員インタビューが掲載されていたので、仕事について疑われたらそれを見せようと考えていました。「無職とバレるとまずい」という情報を鵜呑みにして嘘をついたのがよかったのかどうかは謎ですが、結果オーライです。

あとは4週間も一人で何をするんだという質問。1週間~10日程度の滞在の時にはでこんなに質問されたことはなかったため、かなり焦りました。

 

 

●最近の入国審査履歴

※これ以前も、1年に1回くらいアメリカ入国歴有り

 

➀2018年8月 滞在期間1か月(空港:ニューアーク)

・観光で1ヵ月滞在します、ですぐ通してもらえた

 

②2019年1月 滞在期間1か月(空港:SFO)

・足止めくらったのはこの時

・前回のNY1ヵ月滞在時にすぐ通過できていたため油断していた

 

③2019年3月 滞在期間10日間(空港:LAX)

・観光です、ですぐ通してもらえた

 

④2019年4月 滞在期間1か月(空港:LAX)

・1週間前に一旦出国&再入国だったけど、今までの渡米歴はまったく突っ込まれず

・以前に中国に入国していることを指摘され、なぜ数日間だけ中国滞在したのかとの質問

 →日本から上海は3時間くらいで行けるので母と週末旅行しました、と回答

・運び屋って知ってる?あなたはそれではないですよね?との質問

 →違います、ただの旅行者です。で通してもらえた

・中国、ロシア、フィリピンのスタンプが合計10個以上押してあったので疑われたっぽい

 

⑤2019年12月 滞在期間10日間(空港:LAX)

・観光です、ですぐ通してもらえた

 

 

●滞在期間が長いと十中八九怪しまれる

 

1週間程度の滞在なら「サイトシーイング!」で問題なし。

滞在期間が1か月近くなってくると、「日本人がそんなに長い休みを取れるはずがない」と疑われるようです。多くの日本人の休暇が1週間程度であることを入国管理官は把握しているわけですねぇ。ちゃんと説明をすれば通過できるので、始めから説明するつもりで挑みましょう。(NYでの1か月滞在が数秒で通過できたのは未だに謎)

 

 

●ESTAで1ヵ月以上滞在をするときに要注意な人

 

滞在期間が長い&さらに以下のような事情があると足止めをくらう可能性が高くなります。入国審査でどう話すか、入国審査官を納得させるストーリーを事前に考えておく必要がありそうです。

 

◇結婚適齢期の女性

「彼氏に会いに来た」は言うなというのは有名な話ですよね。カレシというワードを言ったがために別室送りになる方の体験談はよく耳にします。

※「婚約者に会いに来た」だとセーフらしいです。本当に婚約してたらだけど。

 

◇話す英語がアメリカ英語

「アメリカ英語で話す日本人=アメリカと繋がりがある=不法に住みつく」と疑われるそうです。私は大した英語力はないんですが、アメリカアクセントで話すことを物凄くつっこまれました。入国審査では日本人ぽくカタカナ発音で話すのが無難かも。

 

◇英語が理解できない・知識がなさすぎる

短い旅行なら「バケーション!ワンウィーク!」で何とかなる入国審査ですが、長期滞在だとアレコレ質問されるため、単語だけでは乗り切れません。

「入国審査官が就労ビザをくれると言ったから、欲しいと言ったら入国拒否された」なんてブログに書いていた方がいましたが、たぶんヒアリングミスだと思います。審査官がそんなアホなことを言うとは思えない。仮に審査官がそう言ったとしても、ビザのプロセスを知っていれば有り得ないって分かるし。とにかく、質問内容が分からなくて適当に"Yes"と言うのはリスクがあることを理解する必要があります。英語が苦手であれば、質問された時に審査官に見せられるよう、あらかじめ飛行機のE-ticketやホテルの予約表、旅行行程表を準備しておくと安心かも。

 

◇ファームステイや一部のボランティアが不法就労と知らない

アメリカでのファームステイが不法就労だということを知らない人が多いようです(実は私も知らなかった)。WWOOFとかWorkawayを利用される方は要注意。現金でなくても、食事や住居等の対価を得ると不法就労とみなされるんですって!知ってか知らずか、観光と申告してファームステイをしている方もいらっしゃいますが、ファームステイが不法就労だということは知っていたほうが良いです。間違っても「農場で働きに来ました!」なんて入国審査で言わないように。ボランティア活動(完全無償ならOKだけど、色々制限がある)も入国拒否の原因となりえるので気をつけてください。

※「ESTAでファームステイができる」とか「ファームステイにビザは必要ない」と書いているブログもチラホラとありますが、本来NGなのでご注意を(ブロガーさんは悪意なく書いていると思います)。ブログ内容は鵜呑みにせず、ビザ関係や法律関係はご自身で調べることをおすすめします。

 

 

●虚偽申告は本来はNG

 

良く言われる入国審査での注意ポイントは以下の通り。

・無職って言わない

・恋人に会いに来たと言わない

・友達や恋人の家に泊まると言わない

 

上に当てはまる場合、どれくらい上手くごまかすかは悩みどころですね。

しかし、嘘がバレると虚偽申告したことになり、別室送りor最悪の場合は入国拒否になることも。

一度入国拒否をされると、今後ESTAでの入国ができなくなり、渡米の度にB-2ビザ(短期観光ビザ)を米国大使館まで申請しに行かないといけなくなってしまいます。

 

 

●アメリカの入国審査は運任せ?

 

今回の入国は突っ込まれそうだな…と思っていてもすんなり通過できたり、ただの観光なのに揚げ足を取るようなことを言われたり、審査官次第の部分は否めません。

 

・ESTAで3ヵ月ギリギリ滞在を繰り返している

・帰りの便が日本行きじゃなくて第三国行き(周遊してるバックパッカーに多い)

こういうパターンは疑われやすいそうですよ~。ルールを守っていれば問題ない日本とは違って、「こいつ怪しいな」と思われただけで入国拒否される可能性がある国、それがアメリカです。

 

 

●不法移民と疑われている自覚を持とう

 

私もかなり油断していたというか…移民大国であるアメリカの特性を舐めていました。「あ、そっか。私も外国人だから不法移民と疑われるのね」とやっと自覚したというか。

 

アメリカの就労ビザを取得するのって、すんごく難しいんですよね。アメリカでスポンサーになってくれる企業を探さないといけないんですが、専門職じゃないとまず無理。(ちなみに私が就労ビザを取得するのは99.9%無理と思われる)

 

そうなると、以下のようなパターンが増える。

・アメリカ国籍の人と結婚する

・就労ビザを持たずに就労する

就労ビザが取れなさそうな人がアメリカで出稼ぎしたい場合、上記のようなことをしてしまう人がいますが、両方ともESTAや観光ビザでの滞在では許されない行為です。

 

「日本人は海外に出稼ぎなんかしないよ~」と思っているのは日本人だけです。アメリカの入国審査官からしたら、日本人でもヨーロッパ出身でもアフリカ出身でも同じ「外国人」なのです。

 

アメリカに彼氏ができてから、私もそのうち別室送りになるのではないかとヒヤヒヤしています…。

不法滞在するつもりなんかないのにね…。他人にそれを証明するって難しいですね…。

今後も入国審査で冷や汗をかくことがないよう、渡航前にしっかり準備をしたいと思います。