msn産経 自民党憲法改正案 妥当な「国の在り様」提起
これを読んで、妥当なところと要らないところ、不十分なところがあるなぁ・・・なんて漠然と思っていたねこねこですが、その「要らないところ、不十分なところ」が、いつも読みにいくブログさんで綺麗にまとめられていました。
ニュースの社会科学的な裏側
-2012/05/01付『無駄が多い憲法改正案』
ひとつ思うのは、国旗国歌については毎年一定の時期にメディアなどで大きく取り上げられる「日の丸・君が代定期イベント」で、ごく一部の「公務員」の方々が国旗・国歌は法に定められていないから業務命令として起立斉唱に従わない、と主張していたことから法規に盛り込まれることになった経緯を考えれば、ここで憲法草案に盛り込むことで、明文として残るかどうかはともかく、国民のコンセンサスを改めて得る作業を行う意味はあるかも知れませんね。
何にしても、現代日本の様々な問題が国家観の希薄さにあることを見れば、日本が世界の中の一地域に留まらず独立国家としてどうあるべきかを問う憲法改正の具体的な提起は歓迎したいと思います。
国の在り様を形成確立していく作業は明治期に行われ、戦後はGHQの主導で現代の形になり、国会が承認しましたけれど、明治期の日本も含む世界の民主主義を見る限り今ほど練りこまれたものではなかったですし、戦後は戦後で草案は日本じゃないですし、これは初めて国民自身が主体的に関わるものになるんじゃないかと思います。
今後具体的に改正が考えられていくとすれば、以降それが国の基軸となって国内外と関わっていくのだから、有権者の責任は重大ですね。
さて、その有権者の意志を束ねて議会で立法を行う議員さんですが、現在政権を担っている内閣の総理大臣が、なんともイヤ~な発言をしています。
消費増税「賛成は当然」=小沢氏けん制-野田首相
時事ドットコム http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&rel=j7&k=2012050100242
【ワシントン時事】野田佳彦首相は4月30日夜(日本時間1日午前)、ワシントン市内のホテルで同行記者団に対し、民主党の小沢一郎元代表が消費増税関連法案に反対する意向を示していることに関し「何びとも党員ならば(党の)方針に従ってほしい。(賛成が)当然のことだと思っている」とけん制した。また、「党の方針通りまとめることに何の迷いもなく進むべきだ」と語り、同法案を今国会で成立させる決意を改めて示した。
首相は「いかなる人にも最終的には理解をいただき、一緒に行動していきたい」として、増税反対派の説得に全力を挙げる意向も強調。6月21日までの今国会会期の延長に関しては「考える段階ではない」と言及を避けた。
小沢氏の資金管理団体をめぐる事件で東京地裁が無罪判決を下し、党内で同氏の党員資格停止処分の解除を求める声が上がっていることについては「(党の)役員会、常任幹事会で議論して決めることに尽きる」と述べた。
参院で問責決議を受けた前田武志国土交通相と田中直紀防衛相の処遇では「全ての閣僚に緊張感を持って職責を果たすよう指示している。その姿勢に変わりはない」と、続投させる意向を重ねて強調した。
なんかもう、非常に翼賛的だと言わざるを得ないです。
政党の存在意義を考えた際に、各地域や社会における各立場の有権者の意志を束として持つ代表者が集まって、国の政治を動かしていく時にある程度目的に添った政策を実現する為の集団が政党だということになります。
有権者の意志の束を持った議員が更に目的に応じて束になる、そういう存在ですね。
細かな部分では当然ながら差異や異論が出るもので、そこが議論による意見集約となっていくハズなんですが、
「党員ならば(党の)方針に従ってほしい。(賛成が)当然のことだと思っている」
というのは「党の方針」がまずありきです。
これまでの流れで明確な民主党の方針は
「自民党政権に戻さない(民主党政権維持)」
がベースで、それを目的に菅氏から交代した政権責任者が野田首相。
小沢氏を中心とする増税反対派の説得が何をもってなされるかを有権者は気をつけて見ていく必要がありますけど、菅前内閣への不信任案が提出された際の民主党内の動きを見れば、また「政権維持」が目的になっていくのであろうと思います。
そもそもが政策の実現性を「タラレバ財源」に求めた非現実的なマニフェストだったことを特に考慮に入れず、「自民党以外のところへ政権を預ける」ことが目的化した選挙ではあったので、それはそれで有権者の意志と言えなくもないですが・・・。
説得が行われるのであれば、国民の目に「与党の意見集約」の過程が見えるものであることが望ましいですし、消費増税への意見集約となれば、消費増税が現在の日本の経済に及ぼす影響のマイナスの部分にきちんと焦点を当てて議論されるべきだと思いますねぇ。
この野田首相の翼賛発言(と、言ってしまおう、もうw)は、以前党首討論で自民党の谷垣総裁に
「あなた方も消費増税を掲げましたよね」
と迫ったことで、財源の考え方も目的も全く異なるものを「民主も自民も目的は一緒」という演出をしたことと同根で、それを元にまた大連立だとか政権への協力だとかっていう話がメディアから出てきていました。
メディアの姿勢も政権交代後一貫して非常に翼賛的であると言えるでしょうねぇ。
手段と目的を履き違えることのないように、政治に携わる方々にはよくよくお願いしたいと思います。
また、次に選挙が行われるのであれば(自民党が単独でとりあえずの「一票の格差」調整案の提出に動いているようですが、それに対して民主党の樽床幹事長が不快感を示してます。/時事←幹事長発言も非常に翼賛的な気が。 国民の主権を侵害している自覚はないのか・・・)、有権者としても篩いにかけなければならない政治家さんがどういう方々なのか、よく考えなければならないですね。